見出し画像

ヤワなハートがしびれる、ここちよい針のシゲキ。

奥さんの希望で向かったのは、秋保にある「jeenya(ジーニャ)」。まあオシャレな空間のカフェです。大きなはめ殺しの窓にうつる秋の景色が絵画のよう。


はめ殺しってなんかいやらしい響きですね。


で、残念ながら店内の撮影は料理以外NGとのことなので、オシャレ具合はぜひ現場に向かってご確認ください。遠いけど。

アレやコレやとオーダーしましたが、今回紹介するのは「プリン(430円)」。見てくださいよ、この凛とした佇まい。角がビシッと決まった艶かしいフォルム。容器に入っていないと形を成すことも峻拒するヤワなプリンにはない、オトナの自立性。とろけるプリンなんて言語道断。プリンは然るべきカタさを伴うべきなのです。

つまり「卵≧ミルク」が絶対条件。プリンは卵を感じるデザートなのですよ。今どきのプリンは「卵<ミルク」な軟弱なモノが多すぎる!

窯炊きは結構だが「とろ生」である必要があるのか!ってことですよ。スプーンですくわれたとき、自我を持たずうなだれるプリンたち。あゝ情けない。日本人の「柔らかいが正義」という感覚にそろそろ鉄槌を下すべきだ。ホロホロのチャーシューには肉の味わいは残っていない、最早残骸なのだ。親鶏のチャーシューだって、あの歯に弾むコリコリ食感がイイんじゃないか(またラーメンの話してる…)。

ところで、福島県の会津美里町にあった和菓子屋の「一貫堂」さん。以前「ふやき」という商品を取材したのですが、コレが絶品。薄くてカタい生地に和三盆がコーティングされて、ほのかに香る上品な柚子。見た目はこの上なく地味なんだけど、とても繊細な最上級の和菓子でした。

出典:A PIECE OF SAYANG

その時、店主のお爺ちゃんが嘆いていたのです。最近の日本人は「柔らかいが❝おいしい❞だと思っている」と。なんでもかんでも口の中でとける食べ物が、イコール美味しいものだというのは勘違いだ。本来なら歯で味わう楽しみもあるんだが、若い人はなかなか分かってくれないと。すごく共感して、長い無駄話をしたのを覚えています。

プリン食ってこの話を思い出して、あのお爺ちゃん元気かな?と調べてみたら閉業してた、残念すぎる。もう一回あのカタいの、食べたかったなぁ。

jeenya/宮城県仙台市太白区秋保町馬場辺田86


サポートいただいたお金で絶妙なお店にランチにいきます。