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 発達障害の母の事

私は現在40代半ば、19歳、12歳、8歳の子がいる母親です。

私の母は70歳ですが、幼心にも
「私のお母さん、ちょっと変だな?」と思うような人でした。

どのように変かというと、
例えば、髪の薄くなってきた父向かって「ハゲ!」「ハゲ!」
と毎日のように言ったり・・・。

私が男の子に声をかけられると
「あなたは目が大きいだけなのにね。バセドウ病じゃないの?
どこが可愛いか分からない。」と嫉妬してみたり・・・。

父の上司の家に家族でお呼ばれした時には、
上司の奥様に嫌われて翌日から出禁になったりしてました。

そんな母は弟と妹がいるのですが、二人から絶縁されており、
おまけに実の母であるおばあちゃんからも亡くなる数年前からは
「もう会いたくない」と言われていました。

ただ恐ろしいもので、家族というのはそれぞれに異なり、
自分の身を置いているところが自分にとっての
普通になってしまうものです。

「お母さん変じゃない?」という違和感は幼い頃からずっとあったものの、
私にとってのお母さんはそういう人だったので、
私には母がお母さんとして
何がどのように変なのかが分かりませんでした。

大学を出て早くに結婚し、家を出た後、子供が生まれ、
自分がおかしい子育て法で育てられたことは分かっていたので、
(今だと明らかに警察に捕まるだろうレベルの虐待家庭でした)
まともな子育てが出来るように子育て講座に通い、
カウンセリングを受けていました。

カウンセリングを受ける中で、育ってくる中での
体験を話すと、カウンセラーさんがびっくりして
「普通は子供にそういうことは言わないんですよ」
「普通は他人にそういうことはしないんですよ」と
指摘してもらい、一つ一つ自分の育った家庭のおかしさに
気づいていくという感じでした。

数年前には母と大きなトラブルがあり、
それを契機に私も母と絶縁しました。

母と距離をとればとるほど、
外の世界を知れば知るほど、
私の母がどれだけおかしい人だったのかが
分かり身の毛のよだつ気分です。

先日、大学生になり20歳をまもなく迎える娘が
「お前らの子育ては失敗なんだよ!」と怒鳴ってきたので、
(20歳を迎えようとしているのに中学校ぐらいから
ずっと反抗期なのです)

「私のしてきた子育ては失敗だったのか?」
「失敗したのだったらどこがいけなかったのか?」
と思い、再び自分の育った環境と
自分のしてきた子育てとを振り返っていて、
記事を書いてみることにしました。

因みに、20歳になる長女は小さい頃からやはり、
「この子、他の子と違う」と感じることがたくさんある子でした。
そして、妹や父といった近しい親戚の中で母と似ている、
と言われていました。

小さい頃から何度も発達障害なのではないか?と思って
周りに訴えてきたのですが、家族は「気にしすぎ」と
言うので病院に連れて行くことは出来ませんでした。

ですが、長女の育児の困りごとがあって私だけで発達の専門家に
娘の事を相談すると皆さん口を揃えて「それは発達障害ですね」
とおっしゃるので、私の中では長女が発達障害的な要素を
たくさん持っていることはどんどんと確信となり、
発達障害の事をもっと知ろうと勉強していく中で、
母もまたかなりな発達障害なのだと気づきました。

長女が初めから発達障害だと知っていて、特別な対応の必要な子だということを知っていたら、自分の子育ての仕方はまた違っていただろう、
と過去に帰ることはできませんが思います。

でも、最初に生まれた長女が発達障害だと知っていて、
大変の子育てがこれから始まると予め知っていたなら、
もう、これ以上子供を欲しいとは思わなかったでしょうから、
長男にも次女にも会えなかったと思います。

世間では「子供を産む決断をしたのは自分なんだから責任をもって育てろ」
とか「育てられないなら、産むな」と言った意見も良く聞きますが、
実際に子供を産むことは物を買う様に選択したり、決断することとも違うし、子供を産む人は上手に育てられる自信があるから産むわけでもないし
(これは時代もあると思いますが)もっと子供と家族になることは
運命的なものかな、と長女の子育てを振り返りながら思います。



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