🧊砕けた氷🧊

氷さんはアラサー男性だ。
どこか遊び慣れた雰囲気が出ている。

今は年齢的に落ち着いたのかなというとこであろう。
フランクで嫌味のない人だ。
氷さんもまた、話題に事欠かない。

氷さんのエピソードで1番好きな話が、過去の彼女の話だ。

氷さんがチンパンジーで、彼女が猿だったそうだ。

ある日、最中にぎっくり腰になった。
彼女はごめんねと言って、救急車を呼んだ。
救急車の手配が終わったあと、氷さんにパンツも履かせてくれたそうだ。

氷さんと彼女はそのまま、病院へと緊急搬送。
きっと救急隊員の方々も察したことだろう。

救急車を見る度に、その話をうさみみは思い出してしまう。
氷さんは罪深い男だ。

そういった欲望も熱を帯びすぎると、溶けてなくなる。

きっと角が取れたからこそ、氷さんはいい男になりつつあるのだ。

ロックグラスに浮かぶ水に慣れた氷のように、氷さんはインターネットと現実世界の狭間の海を漂う。

＊20話完結です！オムニバス形式ですが、順に読んでいくのがオススメです！＊