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オバから若い世代におすすめ映画

「最近の若者は……」と言い始めたら年寄りになったということですが、今日は説教ではなくて、今の若い人たちにぜひ見てほしい映画があるので紹介させてください(※私は1962年生まれの61才)。

最近は「恋人なんかいらない」とか「恋愛は面倒くさい」とか、若い人たちは恋愛に興味がないらしいとかチラホラ聞きますが、メディアが大袈裟に騒いでいるだけなのかもしれず、真偽のほどはわかりません。

29才になる娘は恋愛体質で王子様を見つけて結婚しているので、さらにわからないのですが、ただ何となく若い人たちは対人関係にとても敏感で、感情がぶつかり合うことを極力避ける節があるように見受けられます。
※娘の結婚までの道のりが虚言壁のあるメンヘラの戯言ですか?というほどアンビリーバボーな流れなので、いずれ書きますね。

私自身はオバの世代にしては珍しく肉食系で「恋愛は自分から好きになり男を落としたい」タイプです。追われるより追うことに燃え、もちろん恋愛体質でかなりのメンヘラでもあります。

なので恋愛で傷つくのは当たり前のことと思っています。でもみんなは傷ついたりフラれるのは怖いんでしょう? まあ確かに道端で転んでヒザ小僧を擦りむいたら血も出るし痛いし、かさぶたになって完治するまでには時間もかかります。けど、怪我したことでしか気づかない感情があるということを知っていますか?

で、今回ご紹介したい映画は、2003年に公開されたジャック・ニコルソンとダイアン・キートン主演の「恋愛適齢期(Something gotta give)」。

熟年モノでも映画になるとカッコいいオジとオバ

音楽業界で成功した63歳のハリーは、30歳未満の女性が恋愛対象の結婚経験ゼロの裕福な独身オヤジ。バツイチの人気劇作家エリカ(54才)の娘マリンとデートを重ねる日々。ある日ハリーはエリカの所有する海辺の別荘でマリンと過ごすために訪れるが、突然の心臓発作に襲われる。一命は取り留めたものの医師ジュリアン(キアヌ・リーブス)の指示で、エリカたちの世話になりながら、療養のためそのまま別荘に滞在することになり……。

とまあ、よくあるラブコメ路線ですが、この作品の監督・脚本はあのナンシー・マイヤーズなのです。「マイインターン」「ホリデイ」といえば誰もが知っている心温まるラブストーリーですよね。私は「赤ちゃんはトップレディがお好き(1987年)」を見てから脚本の素晴らしさに惚れ込んでしまいました。

若い女にしか興味のなかったハリーは、次第に若い娘のマリンよりも、同世代である母親のエリカに惹かれ始めるのですが、医師のジュリアンはなんとキアヌ・リーブスなのです。

こんな医者いたらずっと病気したい
休日は市場でイチゴを買ったりするヤバさ

キアヌといえば最近ではジョン・ウィック。愛犬を殺された故に何百人殺すのよっていうハードボイルド一直線で、どちらかというと幸薄いイメージですが、このジュリアン役では超イケメンの超エリートしかも独身、エリカの作品の大ファンだったことからエリカにぞっこんになってしまうという、まるでオバたちの願望を一手に引き受けたような役なのです。

「白」が印象的に使われていました

熟年おじおばの恋愛ストーリーなのになぜ若い人たちに見てほしいかと言うと、エリカの潔さがすばらしいからなんです。

おじのハリーはエリカに惹かれながらも、従来のクセが抜けずにすぐに若い女のケツを追いかけてしまい、おまけに恋愛に向き合ったことがないからエリカに真正面から向き合うことができません。

一方エリカは「もう恋などしない」と鉄壁のガードで心を守っていたのに、ハリーと出会って恋に落ちてしまったので、恋愛をもう一度楽しもう、自分をさらけ出そうとを決めます。そんな二人がどうなるのかというと、そこはぜひ作品を見てもらいたい。

この映画の中で、娘のマリンと海岸で会話するシーンがあり、私自身と同じような考え方のエリカに共感しまくりでした。

エリカ:若い人たちのような軽い付き合いってやつ、私も学ぶべきかしら。
マリン:ママ、そうよ。傷つかないように自己防衛しなきゃ!
エリカ:本気でそう信じているの?
    ずっと傷つかずに生きていけると思うの?
    たとえうまくいかなくても、愛から逃げてはダメ。
    たとえ傷ついても、それが生きることよ。

シワひとつも愛らしいエリカ

恋愛は水モノです。相手の心がほしい、相手の気持ちを知りたい、分かち合いたい、ひとつになりたい。でも敵わないこともあります。
だからといって最初から傷つくのを恐れて一定の距離を置いていては、恋愛の醍醐味を味わうことは決してできません。傷つくことも含めて恋愛のはずです。

ジュリアンは36才だから年の差20才

それにしてもこの作品の中のキアヌは素敵すぎます。ジョンウィックもカッコいいけど、こんなに甘いキアヌは見たことがありません。

ナンシーマイヤーズ脚本だから、いたるところに粋な計らいが散りばめられています。この作品を見た若い人たちが「恋愛っていいものだな」と少しでも思い、心があったかくなってくれるといいなと願います。

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