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短編小説:知り合い程度の2人がシェアハウスははじめた話

注※この世界ではコロは流行ってません

5月某日。GWも、折り返し地点。
今日の予定は同居人の家政婦である。
なぜ家政婦をやっているかというと...

今年の春から、私はシェアハウスを始めた。
初めて親元から離れて暮らしているが、初めてがシェアハウス我ながら、なかなか冒険していると思う

ちなみに、同居人というのは、恋人でもなく、異性ではない。学生時代の同性の同級生。
彼女とは、学生時代しゃべったことはあるし、名前もあだ名や下の名前も呼び合うけれど、そこまで仲良くない。
大型なかよしグループがあるとしたら、
その中であまり絡まない2人だった。

なぜその2人が、シェアハウスをはじめたって。それはひょんなことがきっかけだった。

母親の人生の新しい門出をきっかけに、もう自分も成人したし一人暮らしでも始めようかと、物件探しをしていた。
物件探しの休憩中立ち寄った駅前のファーストフード店で私は後の同居人となる、ミナとたまたま再会した。何気なく、世間話程度で一人暮らしを始めようとしてた話をすると

ミナから、予想もつかない提案をされる

それは、家賃格安、生活費は折半、家事をすればお小遣いやお礼付き、ミナ宅で、シェアハウスしませんかという提案だった。

まるでそれは某ドラマの契約結婚のような条件であった。結婚ではないけど。なぜそんな話を持ちかけられたか、それは彼女の家庭の事情である。

ミナの両親はほぼ絶縁らしく、幼少から叔母さんと一軒家で2人暮らしをしていた。それは学生時代から知っていた。
なんと叔母さんが県外へ転勤することになり、いきなり春から一人暮らしになったという。
ミナ曰く、叔母さんの仕事は多忙。また、ミナは昼は働いている。2人とも家事も料理も下手くそらしい。なので、今まで、叔母さんのマネーパワーで、業者に家事を外注していたらしいが。ミナ1人になるとかなり外注のコスパが悪いそうな。
家も広くて、部屋も余っているからよかったらシェアハウスをしないかと、提案された。

知り合い程度の2人、いきなりシェアハウスと、少し悩んだが。何度か条件やルールを双方で、話しあい。格安の家賃、シェアハウス解除はいつでもよい。違約金なしという、普通の賃貸には絶対にないかなり激甘な条件で、シェアハウス生活を承諾し、今に至る。

今日はそんなシェアハウス生活はじめての、5月の大型連休の話である。

ミナは、昼は会社勤めだが、副業として、個人から依頼されたイラスト作成の仕事をしている。
最初はアプリゲームに課金するために、趣味程度で始めたらしいが、軌道に乗っているらしく、GW後が納期の仕事が詰まっているそうな。
世に言う修羅場というものらしい。彼女はgw始まってからずっと仕事をしている。
私はgw家族や友人会う予定があったため、フルでは、家政婦できないが。
今日1日は、彼女の家政婦である。

仕事内容としては、彼女の代わりに洗濯をしたり、ご飯を作ったりする、掃除したりする。


ミナの今日の仕事場はリビングだ。

リビングで、アンドロイドテレビ搭載の大画面テレビで、大音量で音楽を流し、机には、パソコン、タブレットを置いて。

髪はヘアバンドでまとめ、ブルーライトカットメガネを着用して、中学生男子が着てそうなスポーツブランドのジャージを着て。
真剣に描いている中、彼女の邪魔をしないようにさりげなくお茶汲みをしている。
彼女の飲んでいる飲み物かなくなったら、ささっと、お茶を注ぐ。コップが汚れていたら、洗ってまた注ぐ。
お茶汲みて、私が働いている会社でもないのにね。
さりげないことだけど、ミナ曰く重要らしい。
「私1人じゃ、コップ洗うの億劫になって、新しいコップを出すじゃん。それがだんだん増えて。汚れたコップのゾンビが増えるから重要だよ!」
修羅場限界女子からのコメントであった。
ちなみに私が来るまでは、修羅場時は、1リットルペットボトルをストローで、飲んでいたらしい。しかし、微妙に余るため、処理がめんどくさかったとか。

私は元々、身内が看護師で、勤務時間バラバラだったからか、家事は身内がいない時間家事をするようにしていたタイプだけど。
家の中で仕事している身内がいる家庭。その人の邪魔にならないように家事をこなす人本当に凄いと思う。忍者なのだろうか。

お茶汲みしつつ、お昼のことも考えなければならない。仕事中のミナがつまみやすい、と言ったらサンドイッチや、ピザだろうけど手が汚れるか。おにぎりなら食べやすいか。
おにぎり、ネットで気になるレシピあったんだよね。

焼きおにぎらずという、フライパンで作る焼きおにぎりである。
材料は、冷蔵庫にあるものできる。
めんつゆ、しょうゆ、みりん、ごま油
温かいごはん、バター、卵黄である。

ミナ家は本当に、料理をしないため、
ここに来た時、冷蔵庫には、調味料か、冷凍食品ぐらいしか入ってなかった。
また、調理道具も、ほぼほぼなかったため、私が住むとなった時、叔母さまが、入居特典として色々買い揃えてくださった、ありがたい。しかも、結構良い品質である。
本来なら私が買い揃えなきゃいけないのに、これで、必要経費が抑えれたんだよね。しかも、もし出て行く日がきたら、持ち帰っていいよて言われたし。条件が本当に激甘すぎる。

リビングとキッチンスペースは繋がっている。仕事中のミナに調理音で妨害しないか心配だか、申し訳ない我慢してくれ。美味しいやつ作るから。と心の中にミナへ謝りながら調理する。

調味料をまぜて、タレをつくり、ごはんにまわして、タレを混ぜる。レシピにはチーズ入れるのもおすすめてあったな。チーズ混ぜたらだいたいのものは美味しくなる理論あるから、チーズもまぜよう。
そして、フライパンに火をかけて、バターを入れて溶かす。これをさっきのタレごはんをフライパンにひきつめて、ゴムベラで押さえながら、5分焼いて、取り出す。裏目もホットケーキみたいに焼いて。

完成!見かけはケーキやお好み焼きのようだ。醤油とチーズ、約束された美味しい香りが部屋を満たした。やっぱりハズレはなかったね。

しかし、これだけだと栄養面のかたよりがあるので、野菜入りの味噌汁と、フルーツもデザートとして剥いておくか。

本当に私、こうしてみると、本当に家政婦だな。
でも、実家にいた時より、かなり高性能なキッチンや、調理器具で、調理させていただいてるからありがたいけど。

12時、ミナ曰く1人ですると、休憩取らずに作業するか、現実逃避で、作業さぼりそうと、言われたため、ミナに昼食を出す。ミナ曰く、タイムキーパー兼監視とも言われる。

仕事中のミナへ配膳する
「ミナーお昼だよー。今日は、焼きおにぎりと、味噌汁と、デザートは、ゴールデンキウイ」

こう呼びかけるのは、ミナに食事に興味を持ってもらうためだ。

「醤油とチーズの香りがしてたから、そうだと思った!」

目を輝かせて、ミナは料理を見つめた。
机の上の道具をミナは、光の速さでどかし、光の速さで完食した。うまい!うまい!といいながら。こう言われると調理冥利につきるな。


「忘れないうちに、今回の材料費と、手数料渡しておくね」
毎回、どちらかが調理したら、材料費と、手数料を渡している。手数料はお気持ち分だけど。
ミナは料理が壊滅的にできないため、私がほぼほぼして、儲けさせてもらってる。

シェアハウスというと、よく生活の価値観の違いとかどちらか家事しないという、トラブルが発生しがちだが、私たちは、手数料という形でそれを解消している、あと何回か私が家事をしたら、ミナが何回か変わるなど回数管理をしている。

そんなこんなで、シェアハウス初めて一ヶ月互いにギブアンドテイクで、やってます。

参考レシピ

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