見出し画像

元彼女に告ぐ



お元気ですか、幸せでしょうか。

私も幸せですので安心してお読みください。

昔、忙しない男と付き合っていたことがあった。
部活、バイトで忙しい。
その延長線で飲み会もある。
でも浮気はしてなさそう。
そういう男だった。
なにをどうしろと言うほどでもない、
じゃあどうしろと言われてもどうもできない。
そういうタイプ。
不安だったし、寂しかった。
好きであればあるほど、きっとそういうもの。
別れて3年経った時、
その男はやっぱりって戻ってきたけど、
相変わらず仕事と飲みが忙しそうな男だった。

好きって思いは強くあるけど、
自分のことも、誰のことも大事にできなさそうなところが相変わらずだなと思った。

そうして安心できる男と結婚するはずだったのだけど、なぜか別れを選んで、
あの男が30歳になった時、みたいな男と付き合っている。

当時、不安で寂しかった私は思ったの。
もし私に余裕があったらどんな風に付き合えただろう。
もし男の言う遊び終わった後に出会えたらどんなだっただろう。

それが私にとっての、いまだと思っている。

結局恋して傷ついて、そこで見出す自分に浸ってるのかもしれないね。

何もないことを怖いと思う。
何もしてない時が不安。
そういう、不安の価値観みたいなものって
意外と大事だなと思うの。

何もせずに何も考えない、
できれば他人からの光を浴びたくない
それこそ安心だと思っている私とは違う。

その男にとってはそれこそが不安なんだろう。

前付き合ってた彼女達によく、
何を考えてるかわからないって言われるって
言ってた。

本命にその言葉を言われるって相当だと思う。

その彼女達は、あなたをちゃんと好きで、
ちゃんと大切に想っていたはずだし、
不安だっただろうなと思う。

私が男からその言葉を言われる時は
好きそうなのに好きじゃなさそう
そういうニュアンスだった気がする。

男はいつも無邪気で馬鹿だった。
衝動と好奇心だけで取捨選択していけるほど
人間関係は単純じゃないよ、
場面の感情だけで続いていけるほど、
男女は同じ思考ではいられない。
同じおもいではいられない。

元彼女の方は、安心できる男を選びましたか?
落ち着いた男を選びましたか?
それとも衝動的な盲目にさせてくれる男でしょうか。

別れたことに後悔していたり、
今の自分ならと思ったりしていますか?

希望か絶望か、
彼はまだタバコを辞められていないし、
テキトーに都合の悪いことは隠している。
自分から仕事を忙しくして帰りは遅いし、
かと思えば、飲み会に行ってたりする。
平日の連絡はまばらだし、
思い出したように夜電話をかけてきたりする。
相変わらず、大切に想ってるというよりは
上手くやりくりしている男です。

きっと別れてから何も変われていない。
携帯ゲームと少し疎遠になってるくらいかな。

でもきっと、思い出す時には
楽しかった密度の濃い思い出があるはず。

そういうのたまに思い出しても、
選んだ別の幸せを信じ抜いてほしいです。
彼は相変わらずだから、安心してください。

元彼女の方には安心して、幸せでいてほしい。

元彼は幸せでいてほしいけど、
自分よりちょっと不幸せであってほしい。
そんな温度感がちょうどリアルな気がしてる。

元彼女について気になる時って
この人は今までどんな付き合い方してきたんだろうとか、前の人ともそんなだったのかなとか、そんなトーンの時の気がする。

25歳すぎれば男は完全に過去の女の集大成だと思っている。

お腹痛い時に、白湯を持ってきてくれたり
暑い寒いみたいな細かい配慮ができたり、
連絡が遅くなった時も謝れたりする。
飲み会が多くなるとまずいぞって思う危険ラインが備わってるように感じるし、女が過剰に心配しそうなことはあえて伝えてこなかったりする。

誰とのどんな経験がそうさせているのかは
わからないけど、こうしていまその人と穏和に付き合えているのは、"元カノ"のおかげ。

私も何人かの元カノであるように、
その何人かが、今の彼女との喧嘩や嫌悪の芽を先に潰すことができてたらいいなと思う。

元カノに告ぐ、
今が一番最高であり続けろ。

これは元カノに対してというより、
私自身の心構えみたいなものでもある。

誰かが認める最高なんかじゃない。
自分が思う最高で在り続けることが
最高の復讐であり、感謝でもあるはず。

意識してなくても、
なによりも一番強いメッセージ性があると
この10年くらいで学んだ。

今が一番最高な時って、
元彼を思い出したとしても
昔の嗜好品を思い返すような感覚。

わ〜懐かしい、この頃ああだったよね。
みたいな




















この記事が参加している募集

スキしてみて

忘れられない恋物語

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?