論述式試験必勝法①〜文章展開能力のトレーニング〜

こんにちは。弁護士ロックです。

前回の記事で、司法試験や難関大学の入試問題で問われる重要な能力として、文章展開力を挙げました。では、この文章展開力を鍛えていくにはどうすれば良いのでしょうか。

0  試験レベルの論理的な文章とは

まず、試験で問われるレベルの論理力とは何でしょうか。私が思うに、入学試験/資格試験レベルであれば、難解な論理学をマスターすることも、大学/大学院の論文のような緻密な展開をすることも必要ありません。

一言で言えば、「論理の飛躍をしない」ことです。具体的な例を挙げると、「風が吹けば桶屋が儲かる」のような文章を書かないこと、です。

なぜ、「風が吹けば桶屋が儲かる」ではダメなのでしょうか。それは、試験官の目線からすると、このような文章を読んでも、受験者の思考過程が分かりませんので、加点しようがないからです。

「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺には、以下の論理展開が含まれています。

風が吹く→風によって砂埃が起きる→砂埃によって目の不自由な人が増える→目の不自由な人が三味線弾きになる→三味線の需要が増える→三味線に必要な猫が狩られる→猫の天敵である鼠が増える→鼠が家庭の桶をかじる→桶屋が儲かる

キーワードでいうと、風→砂埃→目の不自由な人→三味線→猫→鼠→桶という過程を辿っているのが分かりますね。この論理過程をどれか一つでも欠くと、客観的に見て論理の抜けがある(平たく言えば、意味の分からない)文章になってしまいます。このような「論理のしりとり」を丁寧に行わなければ、読み手(試験官)にとって説得的、論理的な文章にはならないのです。

では、このような論理的な文章を書く、文章展開能力を鍛えるためにはどうすれば良いか。もちろん、幼少期の体験(読書や、感想文の練習)も物を言いますが、大人になってからでも鍛えることは不可能ではありません。

以下に、私がお勧めするトレーニング方法をご紹介します。

1 模範的な文章を読む。

2 接続詞を意識して、キーワードを盛り込んだ下書きをする。

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