見出し画像

ELLEGARDEN 『Mountain Top』に想いをのせて

Montain topは2022年9月9日にサプライズ発表されたELLEGARDENの16年ぶりの新曲。
彼らは2008年に活動休止し、その後10年を経て2018年に復活。
そしてさらに4年の月日が過ぎ、突如ライブで披露された待望の新曲です。 
活動休止中に彼らを知った人も、そして青春時代にELLEGARDENと出会い、その復活を願い続けていた人々にとって、この曲への想いは格別なものだということは想像に難くないでしょう。

この曲を通して、ELLEGARDENと我々ファンとの絆を振り返ってみたいと思います。


海賊団、16年ぶりの新曲

September 9th(9月9日)に発表され、歌詞の中にpirate ship(海賊船)という言葉が出てくることから、代表曲「No,13」の歌詞とリンクしていてファンにとって胸熱なこの曲。

前述のとおり、ELLEGARDENという海賊船は2008年に一度帆を降ろしています。彼らは1998年に千葉県で結成され、地道なライブ活動で常に真剣勝負を積み重ね、徐々にファンを増やしていき、その人気は大きなムーブメントとなりました。

2006年の5thアルバム『ELEVEN FIRE CRACKERS』ではインディーズながらオリコン1位を獲得するなど、破竹の勢いでバンドの規模は大きくなっていき、日本のバンドシーンを引っ張っていく存在に。

しかし人気絶頂の中、突如発表された活動休止宣言。日本中に衝撃が走りました。とにかく自己も周囲も追い詰めて最高の楽曲を作り続けてきた船長の細美武士の葛藤と、荒波の中で必死に船を維持しようとしてきたメンバーのすれ違いはドキュメンタリー映画『LOST& FOUND』にも描かれています。

新木場コーストでの活動休止前最後のライブで、また必ず会おうと言って別れてから10年、細美武士は「The HIATUS」や「MONOEYES」での活動を精力的に行い、他のメンバーも個々のバンドでの活動が定着する中、もう復活することはないかもとさえ思えてきました。

そんな中で突如発表された2018年の復活ライブツアー。おまけにONE OK ROCKとの対バンというファン歓喜の展開で鮮烈な復活劇を見せました。
10年の修行期間を経て、海賊団の一同は「覇王色の覇気」を身につけて戻ってきたのかもしれません。

それから早4年、2022年9月9日のライブで突如披露された新曲「Mountain Top」は復活を待ち望んできたファンにとっても、バンド自信にとっても特別な楽曲です。
決して過去の焼き増しではなく新世界を目指す彼らの新たな船出となる特別な一曲となりました。

ELLEGARDEN is BACK!

では一体どういった楽曲なのかというと、ミディアムテンポで貫禄を感じる重厚で落ち着いたロックサウンドで、バンドの成長を感じられます。

それは初期のメロディック・パンク調ではなく、活動休止直前のアグレッシヴでエッジの利いたロックでもないスケール感の大きな重厚なナンバー。
過去の焼き増しではなく、新たな一歩を踏み出そうとする意思を感じられます。

PVはあえて4人の演奏シーンだけで構成され、小手先のテクニックではなく再び集まった4人の姿にELLEGARDENという存在の大きさを感じさせます。

そう、この4人の演奏が見たかったんだ。
他には何もいらない。

という事を痛感しました。

バンドのアンサンブルはかなりシンプルで、歌メロの良さが引き立つ傑作。
極めてシンプルな8ビートながら、ドラムは所々アクセントの位置をズラすなどユニークなフレージングで楽曲が平坦になりすぎない個性的なアレンジ。ベースラインはオーバードライブ気味の歪みで粒立ちのいい音作りで、ドッシリと構えて決して歌を邪魔せずバンドを支えるスタイルは顕在。抑揚の効いたギターが静かなAメロから徐々に盛り上げで楽曲のストーリーをドラマティックに演出しています。

人によっては、昔の高速ビートの青春パンク路線を期待していた人もいるかもしれません。エルレは変わってしまった?いや、何も変わらずに、常に前向きに進化し続ける4人の、現在進行形のロックがここにあります。

新たなる冒険の海へ

私が考える「Mountain Top」という楽曲は希望の歌。

この曲に流れる空気は、苦しみや葛藤を感じながらも、痛みの中で頬をなでる爽やかな風。行く先に再び嵐が待ち受けている事はわかっているけど、それが不安でもあり、どこか楽しみでもある。そんな感触を受けました。

一度難破してしまった船(バンド)が再び動き出すにはきっと想像を絶する苦悩があり、覚悟が必要だったはず。

俺のものだと思っていた海賊船から
俺の風変わりな考え方の結末は もう分からなくなってしまった

荒れた空が現れるなら 俺はもう一度だけ強風に立ち向かえる
稲妻の閃光が輝けば 最後に悪魔とだって踊ってやるよ

Mountain Top

それでも、再び前を向いて全速力で進んでいく。そんな覚悟を感じられる力強い曲です。

歌詞の内容からもそれを感じることができ、もう一度立ち向かっていきたいという強い意志に溢れています。

俺は燃え尽きたい。
俺は答えを知りたい。
俺は最後の勝負を待ち望んでいる。

Mountain Top

まだまだ旅は終わらない。あなたにとっても、私にとっても、そしてバンドにとっても。
新たな船出を感じさせる現在進行形のロックバンドの姿に未来が楽しみになる、そんな希望の歌です。


余談・細美武士はモンキー・D・ルフィ?

余談ですが、"海賊船"というテーマを中心に展開して来ましたが、歌詞の中に”I'm still one piece”という言葉があったり、もしかして人気漫画ワンピースを連想させるつもりがあるのか?ないのか?

そういう意味では、問答無用で高みを目指す細美さんはある意味海賊王を目指すモンキー・D・ルフィといえるかもしれません(笑)

他のメンバーはどのキャラクターなのか?というお遊びは想像にお任せしたいと思いますが、ベースの高田メタル氏はチョッパーで確定でしょう。

TO BE CONTINUED


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?