「人間くさい」とは
人間臭いとはどういうことだろう。今回は、この言葉について考得ていこうと思う
人間臭い=人間らしい、という認識で進めていく
「人間らしい、人間臭い」という言葉を考えるうえで重要な部分が”人間”という言葉のとらえ方である。
ここでいう”人間”については、
1 人間も動物の仲間として”生物的な存在”としてとらえるのか
2 動物の枠から逸脱した”文明的な存在”としてとらえるのか
この2つの考え方がある。
1つ目は、人間もあくまで動物であるという考え方で、この場合は、人間を含む動物の対極として、ロボットなどの反自然的な存在が挙げられる。人間も他の動物と同じように、食事や睡眠、排泄をし、欲求がある。そういう点で人間は、人間である前に動物であるという考え方だ。
2つ目は、人間を、高い知能で独自の文明を築き上げた特殊な種として、他の動物と切り離す考え方である。人間とそれ以外の動物や自然を対比させる考え方で、映画「もののけ姫」も同じテーマで描かれている。動物の中でも、人間だけができることはとても多い。前に書いた記事でも書いたが、芸術や娯楽などの文化を楽しむことができる。ファッションを楽しみ、インテリアで部屋を飾ることもできる。
一般的に「人間らしい、人間臭い」という言葉は次のような状況でつかわれる
1つ目は、仕事もなんでも完璧な人がミスをしたときである。「人間だからミスくらいするよね」などというのだ。この使い方は、1つ目の考え方である。ミスしてしまった人間を、ミスをしないロボットや機械などと対比させている。
こんな状況はどうだろうか。猫や犬が、飼い主のベッドで枕と布団を使って寝ている。「人間みたい」と思うだろう。この場合は、2つ目の考え方である。布団や枕など、文明の道具を使って寝ている様子が自然界ではありえない。文明をもつ人間らしいというものである。人間を、他の動物と切り離す考え方だ。
このように「人間らしい、人間臭い」という言葉は、いろんな場面で使われるが、その言葉における「人間」の定義やとらえ方は異なっているのだ。
ミニマリストのような無機質な部屋や、いわゆる”丁寧な暮らし”などはどうだろうか。これらはどちらかというと、「人間らしくない」と思う。
それよりも、たばこや酒を楽しみ、遊び、喧嘩するという生き方の方が「人間らしい」と思う。欲望のままに生きている感じがするからだろうか。
どれだけ部屋をきれいにしてても、冷蔵庫や棚の中にモノがたくさんあるのを見ると、生活感があり、どこか安心する。
どれだけおしゃれな格好をして、きれいな部屋に住んでいても、怒ることも、むかつくこともある。嫌いな人だっていると思う。人間は、外見を取り繕っても、そういった本能的な欲望や感情からは逃げられない。
一口に「人間臭い」といっても、考えてみると結構深い言葉なのかもしれない。ただ一つ言えるのは、人間臭さが人間を魅力的に見せ、本当の姿を見せてくれるということだ。
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