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生きること、そして思うこと。

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育児と人生について考えること、クリシュナムルティの思想をベースに、育児を通して気づくことを残しています
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記事一覧

人生をどう生きますか?

人生をどう生きますか? もし誰かにそう聞かれたら、あなたはどう答えますか? 「いきなり難しい質問だね」 「ありのまま、人ぞれぞれ生きればいい」 「そんなに深く考えるな」 … その問いが放つ空気、自分の中の抵抗…その不快な違和感から…問いをまっすぐ眺めることなく、ただ頭に浮かぶ言葉を並べますか? 自分の経験を、その経験がもたらした自分の生き方を肯定する正当化する…どこか懐かしい物語を始めますか?…それとも、その反対のこと、自分の失敗やその痛みや無数の傷からなるその立派な信

ねえねえ~きいてきいて

ねえねえ〜 アッパ(パパ)〜 きいてきいて〜 大きな瞳を見上げ、 大げさな仕草で、 夢中に何かを話す顔。 …誰の話? …どこで? 大人の言葉は全く気にもせず... あっちこっち動き回る大きな瞳。 今もそこにいるかのような、 溢れ出すエネルギー。 ... 何の目的もなく、 何の前触れもなく… ただ分かち合いたくて ただ誰かに伝えたくて... そのためだけに、 ありたっけのエネルギーを注ぐ、 力強い眼差し。 ... ついつい叱ってしまう 大人の無神経な言葉も、 激

...眺める。

眺める。 無邪気な背中を、 眩しく輝く大きな瞳を、 天真爛漫に弾ける顔を ...眺める。 卑劣な目つきを、 厚かましい仕草を、 怒りに満ちた背中を... そういう自分の姿に 気づかない虚ろな瞳を、 ...眺める。 今は消え去ってしまった、 無邪気で無垢な瞳を、 命とともに与えられた何かを、 ...眺める。 人種と国籍、 親と生まれた環境、 プロパガンダと資本主義、 ...思考が作り出した、 あらゆる人工的な何かに 影響されないものを、 それは決して... 言葉では言

#1〜4 夫婦であること。

#1 価値観の違い。 この度、価値観の違いで、 離婚することになりました。 ...つい眺めてしまう、 有名人の離婚記事の中で、 高い確率で遭遇する言葉。 価値観の違い... それっぽく聞こえる、 当たり前でありふれたその言葉を 少し注意深く眺めると… つい少し笑ってしまう自分がいる。 ... 違う過去、 違う傷や感情、 違う反動、 違う信念、 違う無数の何か… ランダムで、 決して予測できない… 数えきれない偶然の、 積み重ねである過去。 そしてその過去からなる

洗濯機と芸術。

ゴォー ゴォー 特別なことは何一つない、 平凡…日常…という言葉以外、 何とも表現できない、 そういう平日の昼前。 洗濯機の音が… 澄み切った朝の空を背に、 騒々しく響き渡る。 …うるさい。 その音を言葉にするや否や… あの美しい空と空気は… 一瞬にして不快感と嘆きに 埋め尽くされる。 … そういえば… あの音は… 息が詰まりそうな、 静かな美術館の中で 偉大な作品を眺めるとき… ちょうどポケットで鳴り響く あのアラームの音に似ている。 そう、あの軽々しい音

真っ白であること。

偶然...眺めた車窓。 家や橋、並木道や信号... そのあいだあいだを青く彩る空。 ゆっくり遠のく山の天辺に 高さを競うように並ぶ朝日。 目を凝らして眺めても… その境界線がどこなのか、 決して特定できない眩しさが、 気が遠くなるような… 空間を通り抜けて静かに しかし...あっという間に、 電車の中に広がる。 山と朝日、そして… 電車の中のあの光を、 過去の記憶を呼び起こさずに、 どんな言葉もつけずに、 本当に静かに眺めていると... 人や景色...そこにある、

奇跡とリアリティー

丸いテーブルと丸い椅子に、 丸く座って景色を眺めていると… 一歩引いたどこかで... 休暇を満喫している 自分の姿を眺める もう一人の自分がいる。 そして思い浮かぶ言葉。 あ、休みはこうじゃなくちゃ... 今どきの木材で おしゃれに飾られた あるカフェの中で、 僕は今日も… 数え切れない自分と出会う。 仕事、仕事、仕事... そしてほんの少しの休みすら 仕事の疲れを取るための仕事に なってしまった自分に… 溜め込んだ言葉やストレスを、 それ以上の感情と共に吐き出す

人生について...少し話をしませんか。

人生について… 違うようで似ている、 あなたと私の、人生について… 今から、少し話をしてみませんか…? …勿論、いつものように、 スマホ画面をスライドしながら、 内容を読み飛ばし、たまに… 写真の前で少し止まるような、 そんな感じでも構いませんので… 心地よいソファーに包まれて コーヒーを片手に、そうやって 気楽に互いの話に耳を傾ける 昔からの友人のように… あなたと私、二人で、 私たちの人生について、 …少し話をしてみませんか あなたが好きなあのドラマのように

(日記) 集中と大人

集中しなさい! 親から先生に、 先生から教授に、 教授から上司に...。 時間と共に、 自分の年齢と共に、 その語り手は変わっていても... 彼らはいつも 何かに集中することを それで何かを達成することを 高声で言っていた。 そして気づくと...自分も 彼らと同じように... 自分の子どもに向かって 全く同じ言葉を言っていた。 *** 振り返ると、 その一方的な命令と口調が、 常に、ある違和感と共に、 反発や反動としての感情を 呼び起こしていた。 そして私は、

(日記) 台風と涙

台風の前日。 車のワイパーが視界を変える度に死角から車と人々が現れた。 その日、大型モールの駐車場は、雨と車でいつもよりもごった返していた。 光る「満車」や使い古しのフェンス、そして慣れた動作で車を誘導する人。 嘆息と諦めを感じる間もなく、まるで思考のそれのように車は次の目標である「より良い場所」を機敏に探し求めていた。 そしてある程度それに成功した時、あの「嘆息と諦め」は、自分が見つけた場所とそのタイミングへの「感嘆」に入れ替わっていく。 「おもちゃさえ買ってあ

(日記) 幸せと足跡

気持ち良い風が吹く朝。久しぶりの陽光を喜ぶかのように、アゲハチョウが畑の上を優雅に飛んでいた。そしてその羽ばたきに合わせるかのように、雑草が風に揺られてなびいていた。 「あ!アゲハチョウだ!」 私の声に、飛び出してきた息子が大きな窓の前でアゲハチョウを注意深く眺めていた。そして先までの雨が嘘のように、雑草は色鮮やかな生命力に満ち溢れていた。 その朝、有り余るほどのパンを見て笑っている子供の無垢な笑顔が、時間に追われ、食事を急かすいつもの平日では贅沢のように思えた。 アイ

雨と沈黙 : 恐怖なしに生きる。

「雨の予感」を説明するのは難しい。 それは、風の向きや激しい雲の流れだけでなく、そこに、いつもと違う独特の空気、そして沈黙があるからである。もちろん空気も必ず湿っているわけでも、カラッとしているわけでもない。それは決して数式や条件など何かの公式によって導かれるものではなく、刻々変わりつつある何かへの刻々の知覚である。しかし、なぜか人はそれを感じ取り、こう呟く「あ、…雨が降りそう…」と。 振り返ると、その知覚には常に沈黙がある。 庭の草の沈黙。ぬるい時には冷たい風の沈黙。

(日記) 不在と父親

2018 2019 2020…。 いつからだろう。 正確には覚えていないけれど、 年末のカウントダウンで感傷に浸ることも、除夜の鐘で目標や意志を改めることも、全て無くなっていた。それは今年からいきなりというより「… 振り返ると、そうなっていた」に近い感覚だった。 自分の記憶と感情は、過去の映像で編集された恒例の思い出番組みたいに、都合よい記憶と感情だけが思い起こされていた。 派手な映像と音楽。その無意味な祭り騒ぎが、過去への感傷がまた新しい願望として正当化されていくの

暴力と平和

写真 Malcolm X / CBC Radio · Posted: Feb 21, 2020 6:41 PM ET https://www.cbc.ca/radio 独立する方法は1つ 他人に頼るべからず 自分の手でつかめ 誰も独立をくれない 誰も自由をくれない 平等も正義も 他人からは得られない 人間ならば自分でつかめ できぬなら得る資格はない - Malcolm X, 1925.5.19 - 1965.2.21 Black Lives Matter Afri