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【慶応SFC AO入試】合格する志望理由書7つの共通点を分析!

慶応SFCのAO入試、小論文指導のレイです。
数人の方が前回の記事を購入してくださったようで、どうもありがとうございます。

記事をどんどんアップしていこうと準備はしているのですが、どうしてもリアル生徒さんが優先になってしまい、NOTEを頻繁に更新できずに大変申し訳ありません!

これを読んでくださっている皆さんも今まさに佳境だと思います。
ラストスパート頑張って合格勝ち取りましょう!!
読んでくださる皆さんの手助けになれば幸いです。

【ちょっと間が空いてしまったのでお詫びとして、今回の記事は無料公開!さらに前回の記事を購入してくださった方のご質問をお受けします。1人1回まで(質問は500文字くらいまでで)最後に質問方法を記載しておきます】

早速本題に入ります。
今日は、AO入試の肝となる「志望理由書」についてです。

初っ端から、ありがちなダメなパターン。

「私は地球の温暖化を解決したいので、SFCでは分野を超えて社会のシステムや地球環境、また最先端ITについて学びたいです」

SFCの小論文でも見受けられるのですが、これでは解決したいことが大規模すぎて、また分野を超えてというのも抽象的すぎ。結局何がしたいのかが全然伝わってきません。

特にAO入試の志望理由書では、自分が今取り組んでいる問題や、将来解決したいことに向けての研究内容や解決方法の具体的なビジョンを示すことが必要です。

【最重要】SFCを知ること、知る方法

具体的なビジョン(自分がSFCで何をしたいのか?)を考える上で、絶対に必要なことは、まずはSFCを知ることです。

SFC × キーワード、講義名、研究会名、教授名などで検索するとたくさん研究やプロジェクトなどが出てきますので、まずはSFCという場で何ができるのか、どんな学びを得ることができるのか、また自分の取り組みや解決したいこととどのように関わっているのかを調べてみてください。

SFC AO合格者の志望理由書7つの共通点

この記事では「SFC AO合格者の志望理由書に共通する7つのこと」をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

既に志望理由書が仕上がっている人は、今一度自分の志望理由書と照らし合わせてチェックしてみてください。

※なお、ここでいう「志望理由書」とは、下記の①文章(2000字以内)のことを指します。

e.志望理由・入学後の学習計画・自己アピール(①文章(2000 字以内)および②自由記述(A4 サイズ 2
枚以内)) 

慶応SFC AO入試案内より一部抜粋

出願の注意点については、こちらの記事も参考にしてくださいね。
みんな焦る!出願の注意点と評価者に依頼する際のポイント

「SFC AO合格者の志望理由書に共通する7つのこと」
それぞれについて、一つずつ確認していきましょう。


1.解決したい問題や目標が明確である

SFCだから何でもできると夢が広がりがちですが、在学中に世界のシステムを180度変えて、これまでにあった問題を一気に解決するのはいくら何でも無理です。

合格する志望理由書で共通するのは「私はSFCでは〇〇を研究したい、〇〇の問題を解決したい」の部分が明確で、さらにSFCの在学中に学んで、研究をして、SFCの施設を使い、教授や仲間、周辺の企業や地域の協力により解決し得る範囲であることが多いです。
そういう意味では、解決したい問題や目標は「小規模」です。

SFC在学中にいきなり地球の温暖化を解消したり、世界の貧困の問題を解決しようとするのは、規模が大きすぎて個人の研究の範囲を超えてしまっていることに、まずは気付きましょう。

志望理由書で「将来的には地球温暖化をどうにかしたい。」と大きな目標を掲げるのは良いのですが、
そのために〇〇が問題であると思うので、SFCでは〇〇研究したい。というように問題をもっと細分化させ、SFCでの研究内容を明確、かつ具体的に書きます。

例えば、
地球温暖化を解決するためにはCO2の排出量を減らす必要があると思うが、現在の問題点として個人の行動とCO2の排出量の因果関係が明らかになっていないため、SFCでは個人の行動とCO2の排出量の因果関係について研究したい。
というように研究したい範囲は比較的狭く、具体的です。

もし、一気に何かを解決しようとするような志望理由書を書いているとしたら、それ自体が問題の本質を分かっていないということなので、もう一度熟考してみましょう。

2.解決に向け何らかのアクションをすでにしている

合格している人の志望理由書には必ずと言っていいほど、この問題の解決に向けて、すでに何かしらのアクションを起こしていることが書いてあります。

圧倒的に下調べ不足、準備不足の人は、この部分が欠落していることが多いです。
何もアクションを起こしていないから、問題の本質が分かってなかったり、的外れだったりするのです。

アクションと言っても、
「すでに問題についてSNSで発信していて、フォロワーが3万人います!」などでなくても大丈夫!

今からでもできることを紹介するので、ぜひアクションを起こしてみてください。

①アンケート作戦

AO書類提出のギリギリまでできるし、アンケート結果を表にして任意提出書類にもできるので、超おすすめです。

アンケート項目や方法、またアンケートの対象者や規模をどうするのか?などは、それぞれ自分で考えて、今からでも実践してみましょう!
規模が大きいと調査に時間もかかるし、協力してくれる人を探すのも大変になってしまいますので、LINEやインスタの投票機能を使ったり、Googleフォームなども活用してみてください。

アンケート調査の結果は、志望理由書に具体的に「私が〇〇を対象に実施したアンケート調査によると〇〇%の人は~~であった」と数値で根拠を示せるところです。
※この後の章で説明する「公式資料の数値や根拠を挙げている」にも直結します。自分で調べた結果があれば、裏付けになるし、もし公式の数値と自分の結果が違うものであれば、その理由などもまた研究の対象になり得ますね。

②先行研究の論文を読む

これもギリギリまで、いつでも出来る「アクション」なので、まだの人は絶対にやるべきです!
圧倒的準備不足の人は、先行研究があるのか?ないのか?も確認していないことが多いので「え?もう、その研究やってる人いるよね?」ということが多いのです。

合格する人は、先行研究も含めてきちんと確認しているので「先行研究では、〇〇という問題点がある。私の方法では、〇〇なので、その問題は解消できる」くらいのことは志望理由に書いてあったりします。

あなたのやりたいことに似た研究があるのか、あるなら、その研究(先行研究)の論文を読んで、なるべく理解するように努めましょう。(大学レベルもしくは、それ以上の研究の場合もあるので、全部を理解するのはちょっと難しいかもしれません。できるとこまででOKです)
先行研究では解消できてないところを挙げて、きちんと自分の研究内容との相違点や自分の方法なら問題点を解決できる道筋を考えるのです。

他にもギリギリでもできる実績作りについて書いてますので、こちらの記事を参考にしてみてください。

3.実体験から感じた問題点が書かれている

疑問や問題が生じたきっかけや、何で自分がそれに携わりたいのかという理由の部分はとても重要です。

合格者の志望理由書に共通している点として「実体験から解決の必要性を感じていること」があります。

実体験というのは、必ずしも本人が体験したことではなくても、
・家族が困っていた
・〇〇な友人がいた
・SNSで多くの人が呟いていた
・本を読んだ
など、他の人の体験でもOKです。

最も大切なことは、日々の身近な出来事をどれだけ問題意識を持って見られるか、どれだけ自分ごととして捉えられるのかということです。

例えば、

・一緒に住んでいるおばあちゃんの耳が遠くて、LINEの使い方を教えたけど、うまく使えなくて困っている。
・近所のスーパーの入口の段差で困っている車椅子の人を見かけて、何とかしたいと思った。
・プラスチック片を食べて死んでしまった魚の大群が打ち上げられたというニュースを見てとても悲しかった。
・部活のラグビー部で未経験者に効率よくルールを教え、実戦に活かすにはどうしたらいいのか?

解決したい問題は、意外に身近なところにも山ほど転がっていますよ!

あなたが気づいたり解決したいと思った問題なのだから、あなたが学び、研究し、解決する必要があるという点がとても重要です。

4.公式資料の数値や根拠を挙げている

前の章で例に出した「一緒に住んでいるおばあちゃんの耳が遠くて、LINEの使い方を教えたけど、うまく使えなくて困っている」あなたの問題。

これってあなたのおばあさまに限った問題でしょうか?

もしかして、他にも困っている人がいるんじゃないか?
そもそも、耳が遠くなったのはいつ頃だっただろう?
一般的には何歳ぐらいから耳が遠くなり出すのだろう?
LINEが使えないのは高齢者の問題なのか?
などなど。。。

考えれば考えるほど様々な疑問が浮かんでくるはずです。
そこで、調査や公式資料の数字が必要になる訳です。

「日本老年医学会の会報誌に掲載の増田正次氏の論文によると、日本におけるWHO基準の老人性難聴の有病率は、70歳では約50%、80歳以上では約80%と推測されている。
さらに、語音聴力の低下と脳機能低下やアルツハイマー病発症率の上昇とが関係するとの調査結果も示されている。」

このように公式に発表されている数値や調査結果を志望理由書に書くことによって、私の祖母の問題でもあるが、世の中の人も困っている。→から、私がどうにか解決するんだ!と示せるわけです。

(上記、参考資料)
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/review_51_1_1.pdf

深く調べて行くことで、耳が遠くなるのは加齢によるもので、だいたい70歳くらいから顕著になってくること、さらに、聴力の低下が脳機能低下やアルツハイマーなどに関係することが分かりました。
ここでは深掘りはしませんが、もしかすると、LINEが使えないのは脳機能の低下とも関係があるかも知れませんよね。その辺も調べて根拠づけするとよりハッキリとした解決策が浮かんでくるのではないでしょうか?

最初は「自分のおばあちゃん」の問題でしたが、解決することによって世の中の役に立つことも分かります。それを公式に発表されている数値や根拠で示すのです。

あなたの研究が世界中のこの問題で困っている人たちを救うことができるかも知れないなら、さらに研究意欲がわいてきませんか?研究に対する熱意や思いを示すためにもこれらの数値や根拠が重要です。

注意点‼️
どの資料を公式の根拠とするかは少し注意が必要です。
⭕️ OKな資料
国連機関(WHO、ユニセフなど)
行政機関(文部科学省、気象庁など)
地方自治体の公式資料(人口やハザードマップなどの情報)
など。

最近では、SNSやネットで情報を集める受験生も多いと思いますが、言葉は悪いですが「怪しい」情報もあるので、どの機関が発表しているものなのかは必ず確認しましょう。

「アンケート作戦」で先述した通り、自分で調査を行って、その結果を示すのもアリです。
ただし、(友人50人など)サンプル数が少なかったり、対象が偏っている可能性はありますので、必ず、その点には触れましょう。(「今回実施した調査は〇〇なため、SFCに入学した際には〇〇な方法でさらなる調査を実施したい」のように。)

5.具体的な解決方法が書かれている

ここ皆さんがつまずいてしまうところです。

「具体的な解決方法」といっても、まだ研究してないんだから分かる訳ないじゃん!と、言う人が多いです。

しかし、具体的な解決方法が見えてないと、何を研究しなければならないのかも分かりません。
合格者の志望理由書には、具体的な解決方法とそれに向かって何をどのように研究していくのか順序立てて書かれています。

例えば「海洋プラスチックを削減したい」←これが解決したいことであれば、
そのための具体的な解決方法というのは、いくつか考えられます。

皆さんがよく知っている「解決方法」の例としては、実際にプラスチックを使う頻度や製品を減らしたり、ゴミを回収したりする方法があります。
・エコバッグを使う
・プラスチックストローを廃止する
・レジ袋の有料化
・海岸のゴミを拾う
などですね。

その他にも(私はその実現の方法は知りませんが)
・海の中に漂っているマイクロプラスチックだけを採取する
・海の水に溶けても影響が出ない素材を開発する
など別のアプローチも考えられます。

上記はすべて「海洋プラスチックの削減」のための解決策ですが、それぞれに研究の内容や方法が違うと思いませんか?

「みんながエコバッグを使う」が解決方法なら、「エコバッグを人々の習慣としてどう定着させるか」
習慣、心理、ファッション性、デザイン、流行などの研究

「レジ袋の有料化」なら(もうこちらは有料化されていますが、もしされてなかったとして)
公共政策、公共財政、法整備、制度改革などの研究

(↑これらは今私がパッと思いついたものを書いただけなので、さらに全然違う角度からの研究もあると思います)

と解決策が違えば、アプローチの仕方や研究内容がまったく変わってきます。
解決方法を具体的に定めることによってはじめて、研究の内容や方法が定まるのです。

6.SFCでの学びが必要な理由が明確である

合格する志望理由書には、自分の研究が「SFCでしか」出来ない理由が書かれています。
「SFCでしか」というところがミソで、落とし穴でもあります。

というのも、SFCは、学部としては「法学部」「教育学部」「理工学部」のように専門的にその学問だけを研究する訳ではないので専門的なアピールがそもそも難しいのです。

例えば、昨今の「SNSでの誹謗中傷によるトラブルを解決したい」場合、先ほどの海洋プラスチックと同様に、さまざまな角度からのアプローチが考えられます。

・誹謗中傷された際にすぐに対応できるような「法整備」
・誹謗中傷をしないような教育を義務教育に導入するなどの「教育対策」
・AIのワード選別により誹謗中傷がSNSに表示されないようなプラットフォーム改善に必要な「AIプログラミング」
など研究内容は尽きません。

しかし法整備であれば法学部、教育対策であれば教育学部、AIプログラミングであれば理工学部が専門というように、それぞれには専門があり、それをやりたいのであれば「SFCよりも専門の〇〇大学、〇〇学部へ行った方が研究ができる」となってしまいかねません。(実際に面接ではよく言われるらしいです)

もともとSFCでしかできない「〇〇教授がやっている××を自分の△△と言う方法で研究したい」というように書けているのあればOKですが、
上記のような専門が入り混じっている場合に、具体的な解決方法を書かずに
「SFCは法律や教育、情報が全部研究できるので、それぞれを在学中に研究し、様々な角度から解決していきたいです」のような「ふんわり」したものはダメです。

そこで、やはり記事の冒頭にお伝えした(長い記事なのでもう忘れてしまったかもですが)
「SFCを知ること」が、とても重要になってくる訳です。
具体的な解決策を定めた上で、その研究を「SFCでしか」できないにするためには、SFCですでに行われている研究を2つも3つも組み合わせて、他大学ではできない研究にしましょう。

なお、志望理由書に必ず含めなくてはならない「学習計画」に関してはこちらの記事で詳しく説明していますので参考にしてください。

研究を組み合わせる方法については、過去問の2017年の環境情報の小論文を問いてみるのが一番おすすめです。(総合の人にも)

この問題は、SFCの10個の研究会(ゼミ)の概要を読み、いくつかの研究会の専門性を組み合わせて、自分の課題解決や新発見に取り組むという内容になっていて、まさにSFCでの学びを体感するような出題です。

現在書店で販売されている赤本には載っていないのでAmazonなどで早めに購入しましょう。ちなみに、2017年の問題が載っているのは2022~2018年の赤本です。

7. 発展性や世の中に与える影響、自分の夢が描かれている

最後に。
合格する志望理由書には、「未来のビジョン」や「夢」が描かれていることが多いです。

自分の研究により世の中に与える影響、実現させたい未来や夢などは、同時に、その問題に取り組む意欲や意義を表しています。

私の描く未来は〇〇だからこそ、私はその夢に向かってSFCでしかできない〇〇な研究がしたい!だからSFCにどうしても入学したい!する必要がある!と読み手、つまりはSFCの教授の心に訴えかけましょう!

あなたの想いがSFCの教授に届いて、合格することを祈っています。

いかがでしたでしょうか?

以上、「SFC AO 合格者の志望理由書の7つの共通点」とは書きましたが、必ずしも7つ書かないと絶対に落ちる。と言うわけではありません。

ここに書いた以外のことで教授を納得させられるだけの心に響くことが書いてあれば、それはそれで良いですし、かなり個性的な、まったく違うアプローチの志望理由書で合格している子もいます。
みなさんなりの文章でラストスパート!頑張ってください。

提出期限も徐々に迫ってきている中で長い文章をお読みいただき、どうもありがとうございました。
少しでも受験生の皆さんの参考になりますように。

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