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ひそむ

ある小さなビルの壁際に、小さな梅の木があります。今年は早く梅の花が咲き、夜明け前の街灯に照らされていました。薄暗い中に咲くその花は近くに寄ってみないと見えませんが、香りが数メートル先から漂っていて、花が咲いていることを知らせていました。

わたしは、明け切った朝の空気よりも、まだ薄暗い時間帯が好きです。東京の今日の出時刻は6時48分でした。これよりも早い時間帯の空気が好き。6時くらいから明るくなり始めるので、6時20分くらいまでが一番好きです。

何もかもが明るく丸見えな感じより、ちょっと目を凝らさないと見えなくて、様々なものの気配だけを感じるような、そんな空気が好き。冬の早朝はそんな時間帯をたっぷり味わえますが、夏は相当早起きしても難しい。寒いのが苦手なので、早朝を楽しむのは冬が適しているのが、ちょっとしたジレンマです。

青空に咲く満開の梅も美しいですが、薄暗い中にふわっと浮かび上がる梅の妖艶さ。個人的にはこの妖艶な感じが好きです。


街灯に浮かび上がる梅の花。




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