うどく

晴耕雨読。身近な物事を見つめ直したい。

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最近の記事

仕事帰りのいちご大福

金曜日の仕事帰り。 木曜日を栄養ドリンク2本で凌ぎ、当日朝も栄養ドリンクでドーピングして体力的に辛いなぁというタイミングに、追い討ちをかけるかのように仕事で嫌なことがあって、ぽっかりした気分になった帰り道、21時前。 ついうっかりと、いちご大福を2つ買ってしまった。1つ350円程。 旅行でもない平日、いつもだったら「お菓子にしては高いな…」でスルーする額だというのに、そして、いちご大福がとりわけ好きというわけでもないのに(食べた記憶もあまりないのに)、よもぎとノーマルと

    • ぐだぐだ就活時代を振り返る

      社会人になってから学生面談に同席する機会が何度かあり、学生さんの優秀さや個性、熱意(作ったものもあっただろうが)には、採用視点で自社との適合性を含め厳しく見ざるをえない中でも、率直にすごいと感じる部分が多く、自身に刺さるものが多かった。 自身の就活生時代と比較してしまう故。 長らく無意識にしまい込んでいたが、上手くいかなかった経験も振り返ってみれば得られるものはあるはずで、就活当時から数年が過ぎれば冷静に見つめ直せるかもしれない。 ・・・・・・ 親からも姉からも「民間

      • 子どもの頃の好きな色

        4月も始めを過ぎて、会社へ向かう途中に新一年生の集団下校とすれ違う。 先生や保護者の方の「列を乱さないように」との注意は聞いているようで聞いておらず、列の形は保ちながらもでこぼこ左右にはみ出す元気の良さが面白い。 ただ、目を引かれたのはその元気の良さだけではなくて、背中に背負ったランドセル。 キャメル、水色、すみれ色、ピンクにネイビーとポップでカラフルなものが続き、自身馴染んだ赤や黒を探しても見当たらない。 ランドセルの色の多彩さに時代の移ろいを感じるとともに、果たし

        • 正論だけど、の続きの続き

          「正論だけど云々」という言葉を、最近身の回りで良く耳にする。 「それは正論だけど…」の後の言葉は時にのみこまれることもあるも、否定的な意味合いであることは明確で、そう口にする人の表情は少し苦々しげな色を帯びていたり、振り切って諦観したようであったりと様々。 「それは正論ではあるが、一緒に気持ち良く働こうという気では更々ない」 だとか、 「それは正論ではあるが、それは現実に見合わないし、それで円滑に進めていくことはできない」 だとか。 正論で物事は進まないとはこのことか。

        仕事帰りのいちご大福

          年末年始雑記

          ただ顔を見せることしかできないながら、お盆や年末年始は帰省する。 日々離れて暮らしているとそれぞれに色々な出来事が起こっており、価値観も生活リズムも変わるので、実家といえども帰省前は躊躇いと面倒くささがある。 いつも最初は他人行儀で帰省し、そのうちに馴染み、休暇が終わる頃には日常に戻り難い…という気持ちの浮き沈みを、年月の経過による変化にぬるく気づきながら繰り返している。 この年末年始も休暇前の日々のやりきれなさから日常を離れる躊躇いを強く持ちつつ帰省し、そんなハレの期間

          年末年始雑記

          敗者の語り

          今年は負修羅を観る機会が多くあった。 敗戦の将が何者かの姿を借りて現れる。 やり取りの中で「自分こそが」と自身の正体を明かした後、敗者自身として亡霊の身で現れる。 現れた霊は自身の散り際や心残り等々を語り回向を頼んで消えていく。 霊が現れありし頃を語るというのは修羅物に限らないものの、個人的に修羅物でその形式がより印象的に感じられるのは、 無念を抱えるだろう敗者が霊となるある意味での当たり前さと、敗者を直接の語り手とすることでその当たり前さを超えた凄惨さが感じられるからだ

          敗者の語り

          クリスマスケーキが誘う思い出

          クリスマスの販促が始まるのは毎年ハロウィンが終わってから! …と思っていたら、 ここ最近、コンビニやらスーパーやら多くの場所でクリスマスケーキのパンフレットが目に入ることに気がついた。 まだ昼は半袖という日もある中、流石に早いのでは…と思いつつ、毎年の習慣で色々なパンフレットを見つける度に持ち帰ってきては、あれやこれやと見比べている。 老舗ブランドの高級ケーキも多い中で畏れ多く思いつつ、華やかなケーキを眺めながら、「号数と値段を比較してこのケーキはお高いなぁ」だの「横長

          クリスマスケーキが誘う思い出

          心の耐久性と腹芸

          先週から今週にかけての気が張る期間が終了。 個人としての1つの山場であって、 結果的には他の方からの手厚い事前・事後フォローにより凌げたものの、 知識不足・整理不足に経験不足が加わるトリプルパンチで、直前まで必死で備えるも及第点ぎりぎりアウトといったところ。 状況の厳しさもさることながら、精神的にもノックアウトされて、ふらふら。 シチュエーションややり取り、自身のやらかしが脳裏に蘇り、数日経っても穴を「掘って」入りたい気持ち。 事前の緊張・不安と事後の落込みでうまく眠

          心の耐久性と腹芸

          清濁を併せ呑むこと

          仕事上の立場が少し変化したことで、 これまでの自分なら内心反発していただろうが 今の自分では受け入れざるを得ないことが、ポツポツとあらわれてきた。 内心のもやもやはその時から少しずつ溜まり続けていたものの、言語化出来ないままのものが多く、未だ言葉にならないもやもやが心の大半を占めている。 その状況で今の心境や心構えを一言であらわすならば、 「清濁を併せ呑む」こと。 (…が必要だという気持ち)。 内心にある清濁の基準はあくまでも自分の基準で、由来である大海には及びもつかな

          清濁を併せ呑むこと

          おじいちゃんの自転車

          待ちかねたお盆休み。 帰省を心待ちにしていたものの、いざ帰るとなると何かと気を遣う実家での生活に気が引けて、うだうだしていたら少し遅い時間になってしまった。 遅いといっても午後7時過ぎくらいなのだけど、朝早い父に合わせて夕食をとる実家では充分遅い時間となる。 母に駅まで迎えに来てもらい、夕方と夜の中間のような夏の暗さの中を車に揺られること十数分。 実家に着いて車から降り、いつも通り玄関ドアをあけようとした時、母に「狭いから気をつけてね」と注意を受ける。 玄関が狭いっ

          おじいちゃんの自転車

          偏見と子ども時代

          容姿の秀でた人を見かけると男女問わず、何も知らずに勝手で失礼だとは百も承知で、心の正直な部分では「いいなぁ」と思ってしまう。 近視ゆえ道ゆく人の顔の細かな造作まで判別がつかず、髪型や服装等でほとんどの人が美しく見えて、街中では歩くだけで心が忙しい。 このご時世ではあるものの、表現としての男女の特色(垣根は低くなったように思われるが)とそれらからぱっと見で男/女の判断をする時代遅れの癖は残っていて、 正確なところはわからないけれど、あの男の人/あの女の人は美しい、羨ましい、

          偏見と子ども時代

          時の重さ

          この夏のお盆休みを控えて、姉からどきりとするような連絡が来た。 「お母さんが長距離運転ができるうちに行きたいところがある」 「家族でこの夏遠出する唯一の機会」 自分達で運転するのが真っ当だというのがそもそもなのであるけれど、 姉妹ともに運転免許を持っていない。 地元の地方都市では、ちょっとした移動から観光目的の遠出まで車が主たる移動手段。 地元での移動は、今までほとんどを親に甘えてきた。 学生時代に運転免許を取らなかったのは、「今必要ではないから」「必要な時に取れば

          時の重さ

          マウスピースと健康的な生活(自戒を込めて)

          コロナ禍でぱったりと定期検診の受診が途絶えてから久々の歯医者。 この間にいつのまにか新設されていた最寄駅近くの歯医者さんを訪れた。 理由は噛んだ時の左上の歯の違和感、痛み。 虫歯という感じでもなく、違和感を覚えてからしばらく放置していたものの、愈々おかしいと思う段になって重い腰をあげた。 受診控えの代償は大きく、気づかぬうちに親知らずの虫歯やら検査で出血する程の歯肉炎やらを抱えており、ずーん…と落ち込んだ。 その一方、思わぬ収穫だったのが「マウスピース」。 ⚫︎経緯

          マウスピースと健康的な生活(自戒を込めて)

          映画感想『幾春かけて老いゆかん』

          映画『幾春かけて老いゆかん 歌人馬場あき子の日々』を観て。 ⚫︎きっかけ ミニシアターHPで目的の映画の上映予定を検索中、ふと気になったのがきっかけ。 リンク先の公式HPでまず目に入った「歌を詠み能を愛して八十余年」という言葉に、日本の伝統芸能への造詣を深めながら長い年月を過ごしてきた方がどのような方なのか、どんな日常を過ごしておられるのか興味をそそられたこと、 また、能に元々関心があって何か知られるかなと思ったことから。 前日の予定が遅くまで会った割に(自分にとって

          映画感想『幾春かけて老いゆかん』

          金魚文明から逃れる(読書記録)

          『スマホ・デトックスの時代 「金魚」をすくうデジタル文明論』(ブリュノ・パティノ著、林昌弘訳、白水社)を読んで。 ⚫︎きっかけ 立ち寄った本屋で開催されていた『〈6社共同〉「世界のノンフィクションがおもしろい!!」フェア』にて取り上げられていた本。 原題の「金魚文明」の意味(デジタル文明のどういった側面を指しているのか、なぜ金魚なのか?)や、表紙デザイン(黒い背景に尾鰭の優雅な赤い金魚のコントラスト)に興味が生じ手に取った。 なんとなく自分のスマホ使用状況に危機感を覚

          金魚文明から逃れる(読書記録)

          映画感想『銀鏡 SHIROMI』

          映画『銀鏡 SHIROMI』を観て。 ⚫︎鑑賞のきっかけ 普段は立ち寄らないデパートの地下にふらっと降りてミニシアターがある事を発見。 大手シネコンに慣れた身ゆえ、一面に並ぶ紹介チラシの多様さに驚きながら物色中に公開前のチラシに一目惚れ。 神楽への単純な興味から観たくなり、少し無理して予定を詰め込んでの鑑賞となった。 ⚫︎全体の感想 とても淡々と地域の日常が映されていく。 1年を通した折々の催しも例大祭の神楽も、そこだけが浮かび上がるわけではなく、人々の暮らしと地

          映画感想『銀鏡 SHIROMI』