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「植物と歩く」 練馬区立美術館

ソール・ライターの原点」に続き、ぎりぎりシリーズみたいになってしまったけれど、練馬区立美術館で開催の「植物と歩く」に行ってきました。

朝ドラ「らんまん」の放送もあって、練馬区では現在、牧野富太郎推し。植物画を見たくて、前から行ってみたいなあと思っていた牧野記念庭園は今人気らしく、ちょっと腰がひけていますが、この展覧会ではもちろん彼の植物画も展示されるとのことで、時間ができたところでさくっと行ってきました。

「〜と歩く」というタイトルにふさわしいような割と軽めの展示でしたが、「植物」くくりでセレクトした企画自体も面白くて楽しめました。

本題とは関係ないですが、500円(私は学割で300円)と気軽に入れる入場料もうれしい。

導入は牧野富太郎による植物画

大変立派な大判の表紙の展示で始まる「大日本植物志」。牧野富太郎博士による植物図が優美で美しい。

前から疑問だったんですけど、昔の植物学者は絵の勉強もしてたんでしょうか。ラインが繊細で実に美しく、さらに1ページにいろいろな部分を詳細に描き起こしてまとめているんですが(拡大や内部なども)、その配置がまた非常に綺麗。中にはパズルのようにうまく入っているものもあって、今のようにコピペなんてできない時代に見事としか言いようがない。

……と思ったら、独学だったようで。すごい。

展示は大正版の「本草図鑑」に続きます。

この本は、解説によると多色刷りの技術継承の意味もあったとのこと。こういうの大事ですよね……。こちらは見開きで図鑑というには結構大胆な構図が意外とモダン。ヒノキやカバのページがかっこいい。

東京大学の研究博物館データベース↓で閲覧できます。

この階では他に小野木学の「枯れた〇〇」というシリーズ(?)もあって、枯れたアカツメクサ、枯れたゼラニウムなど、緻密な植物画から一転して味のあるタッチに(なぜだか)ホッとします。

また倉科光子が描くツナミプランツのシリーズも、一見とてもありふれた地面の写実的な植物の絵にも思えるのですが、じっくり観ていくとすごく不思議な空気感があって、引き込まれました。ほとんど何もないように見える背景が(もしくはそこに溶け込んでいく植物が)なんともいえないのです。

ご本人のサイトがあったので、貼り付けておきます。

セレクトが楽しい展覧会でした

階段を上がるともう少しバラエティが出てきて、人物が描かれていたり、タイトルからは「植物」とはわからないものも多数。どうやって探したんだろうと思って気が遠くなったんですが、主に練馬区立美術館蔵と知ってちょっと安心(?)。

ひとことで「植物」といっても、作家によって実にさまざまな取り上げ方、描き方があって面白かったです。さわやかなもの、きれいなもの、ちょっと不気味なものなどなど。うわ、これ派手だなあ!とか、迫力〜!とか、かわいい!とか、面白いなあ、とか(すごい単純な感想でごめん)。

先日のマティス展のように一人の作品をじっくり取り上げたものも見応えがありますが、こういうアンソロジーみたいな展覧会も楽しいです。

あらためて練馬区立美術館の収蔵品に目が向いた

ところで今回、初めて練馬区立美術館には草間彌生の作品もあるというのを知りました。あの色づかいと凝縮された画面は小さくてもインパクトがありますね! 

ポストカードがあったら買いたかったんですが、所蔵作品ならHPにあるかな、と持ったら収蔵品データベースにありました。

この他にもいくつか。

画像がないものもあったけど、展示リストのタイトルから探せるものがあるのでまた見たい方はこちら↓から。小野木学の枯れた〇〇シリーズもありました。

図録は売り切れてしまっていて、展覧会ポスターを買いました。貼る場所どうしよう…なんですが。

「植物と歩く」は今日、8月25日(金)、18時まで(入場は17:30まで)。

チラシとチケット

こちらはそのうち行きたいと思っている牧野記念庭園。


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