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患者さんの家族が医者だと…

Twitterで患者さんの家族が医者だと「めんどくさい」という意見(医者から)がありました。
職業柄、人の悪いところが目についてしまう。
あれも足りない、これも足りない。
つい、口に出しがちです。

医者の立場としては、黙っていられるのも、後で気まずいもの。
家族がお医者さんなら最初に言ってよ~
こっちにも説明のしようがあるんだからと思っていました。

でもそれだけでなく、患者さん自身の受け止めも、医療関係者が娘息子だと、全くの関係ない職種よりも違ってくるような気がします。

患者さんは、自慢の娘息子ですから、家族のことを話してくれることが多いです。
そこから、家族関係を推測していきます。
医者の息子に話は聞いてほしいんだけど、実際面倒見てくれるのは次男の隣に住んでいる子なの。
娘は勉強ができて医者になって、今は遠くにいるのよ。コロナの前はよく帰ってきてたんだけど。毎年ですか?いいえ、三年に一回くらい。というように。
高齢の患者さんは思い出と現在を混在してお話してくれます。

それが全部、患者さん本人にとって本当のこと。


きっと患者さんは調子が悪くなってから、あるいは病気になってから、医者になった息子や娘を頼っていて、自分がわかりにくいことを子供たちから説明してほしい、出来れば判断してほしい(だって専門家だから)と思っているのかもしれません。

でも、医者って忙しいですよね。
今までは親を大切に思う気持ちがあっても
時間をかけて話したりすることが出来なかったという思いが一層、かかりつけの病院への厳しい目になる。
今こそ出番だ!と張り切って、でもそれしかできない自分がいます。

親とすれば、ただ一緒にいて欲しいという気持ちかもしれません。

「めんどくさい」家族の内側を考えると
案外、普通の家族ですね。

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