見出し画像

ピンポイントで頭痛に薬が効く理由

こんにちは。level4です。

薬学部で1年生の頃、文系の友達にこんな質問をされました。
なんで頭痛薬は頭にピンポイントで効くの?

確かに、飲み薬なのに頭に成分が直行して頭痛を治してくれるのは不思議な現象です。
当時、友人の質問にすぐには答えられなかった私ですが、今その答えをここに書いてみようと思います。

結論

その友人に対する答えは、
頭にピンポイントで効いているわけではない
です。

難しい答えはありません。単純に口から入った鎮痛成分は全身に作用します。

例えば、生理痛と頭痛と歯痛、さらには筋肉痛までもが同時に襲ってきたとしましょう。(最悪です)
基本的には痛み止めを飲めば全て解消されます。

確かに、薬の中には
DDS(ドラッグデリバリーシステム)と呼ばれる、病原にピンポイントで働く薬もありますが、ほとんど全ての薬は全身に効きます。

なぜ痛みが消えるのか

日本では古来、柳の木に生える葉っぱを噛むと、虫歯の痛みが和らぐことを知っていました。
海外をみてみると、ドイツではコカの木やケシの木、イギリスではジギタリスの花、など世界中で痛みが不思議と和らぐ植物を経験則から知っていたみたいです。

世界で最も広く流通している一派的な痛み止め成分「ロキソプロフェン」の元々の起源は、柳の木から抽出される成分から見出されました。

ロキソプロフェンは、COX(2)という体の中の酵素を阻害する成分です。
COX(2)とは、体内の痛み成分を作り出す酵素です。
つまり、このCOXを阻害することで、痛み成分が生まれなくなるのですね。

ちなみに、COX-1という酵素もあります。
COX-1は胃粘膜を保護する酵素です。
実は、痛み止めはこのCOX-1も阻害してしまうので、胃が荒れます。
病院行くと、胃薬も一緒に貰うのは胃を保護するためです。


難しい話になってしまいましたが、簡単に言えば、痛み止めがなぜ痛みに効くのかというと、

痛み成分の生成を抑える」ため、です。

柳の木(日本で多くみられます)

痛くなったら早めに飲もう

「ロキソプロフェン(ロキソニン)」は痛み成分の生成を抑えるだけなので、すでに大量に痛み成分が出ていると効き目が悪くなります。
痛み始めたら早めに薬を飲みましょう。

私は偏頭痛持ちなので、痛い予感がしたらすぐ飲んでしまいます。偏頭痛の痛みって、想像を絶するんですよね....

痛み止めを開発した先人たちに、ひたすら感謝です。


今日は短いですが、ここまでです。
薬のことで取り上げてほしいテーマがあれば、コメントにてお知らせください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?