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高校国語のやりなおし「羅生門」①

高校国語といえば、現代文・古文・漢文。
その中でも『羅生門』について紹介していきます。

「ある日の暮れ方のことである。」
文学作品の書き出しは、それだけを専門に覚える人がいるくらい、熱狂的なファンを獲得しています。
天才・芥川龍之介のこの一文にはどれほどの情報が詰まっているのでしょうか。

①「ある日」
「ある日」とくると、必ず事件が起こります。
例えば夏目漱石『こゝろ』でも、「私(先生)」が「K」にひどい言葉をぶつける日には、「ある日」と図書館にでかけたことを振り返ります。
つまり「ある日」とくると「何かあるな」と警戒心を高めるべきなのです。「ある日わたしはでかけて、家に帰って寝た」などという文学作品はありません。

②「暮れ方」
暮れ方とは「夕方」のことであります。
我が国には夕方について様々な表現方法があります。
暮れ方
日暮れ
夕方
日の入り
夕闇
たそがれどき
おうまがとき

「たそがれどき」とは「誰そ彼」で、暗くて顔が見えないこと。
「かはたれどき」とは「彼は誰」で、同じだが夜明け前を指す。

「おうまがとき」とは「逢魔が刻」で魔物との邂逅。
「大禍時」とも書き、「禍」とは「わざわい」を指す。

これから何かが起こるのだが、決して良いことではないことを暗示している。天才・芥川龍之介の一文でした。

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