「国語っておもしろい!」

国語はねむい教科かもしれませんが、実はおもしろいのです。 同じ教室で同年代の人たちと同…

「国語っておもしろい!」

国語はねむい教科かもしれませんが、実はおもしろいのです。 同じ教室で同年代の人たちと同じ文章を読むなんてめったにない経験ですよね

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古文の教え方②助動詞「る」「らる」

古文の助動詞は覚えることが多い。 ①その助動詞がどのような活用表なのか。 ②接続 ③助動詞の意味 ④訳し方 これを丸暗記するように教えられるだろうが、ここではもっと面白く紹介しよう。 ①「れ・れ・る・るる・るれ・れよ」の下二段型。  「らる」は↑に「ら」が乗っかるだけ。あんまり入試の問題にならない。 ②接続 「る」……四段活用、ナ変型、ラ変型の未然形。 「らる」…↑以外の未然形。 ★未然形にくっつくという点で共通している。 ③助動詞の意味 ・自発……知覚動詞(聞く・見

    • 古文の教え方①助動詞「り」

      完了・存続の助動詞「り」ですが、セットで「たり」「り」で教えられますね。 「たり」は「連用形接続」 「り」は「サ変型は未然形」、「四段活用は已然形接続」 という教え方で、「サ未四已(さみしい)」の語呂覚えから、 「リカちゃんはさみしい」と受験プロは教えます。  (リカちゃんって誰やね~ん☝☝)   (わたる、マサト、イサム、かける、レン、はると、ちゃんとせえ!) (「リカちゃん」人形の歴代彼氏、こんなにいるのか……) ところが文法書を精読すると、「已然形接続」の下の方に、

      • 散文詩 『I was born』の精読②

        今回も引き続き『I was born』についてお話させてください。 『I was born』は、中学生の「僕」が、ふとしたことをきっかけに母の死と向き合う、というあらすじです。 学習者も同じくらいの年齢ですから、深く心に刻まれる作品ですよね。 この「心に深く刻まれる」というのは、読めば誰しも抱く感想ですから、作品の魅力に頼った読解になります。 そこから一歩進んで、「能動的な読み」=「精読」に挑戦してみましょう! ①なぜ父は「蜉蝣」の研究をしていたのか?  「なぜ父は蜉蝣

        • 散文詩 『I was born』の精読①

          教科書掲載作品の散文詩『I was born』についてお話します。 なお、本作品は著作権が失効しておりませんので引用などには細心の注意を払って紹介させていただきます。 詩は、次のように分類されます。 ①文語体か、口語体か。  文語体……書き言葉。口語では使われない文法、語彙を含む。  口語体……話し言葉。今書いているわたくしの文章も口語体。 ②叙事か、叙景か、叙情か。※「叙」は「述べる」意。  叙事…事実や伝説をテーマに歌う。神話や讃美歌などにもある。  叙景…景色をテーマ

        古文の教え方②助動詞「る」「らる」

          高校国語のやりなおし⑤「羅生門」の核心。下人の初体験は老婆。

          「きっと、そうか。」  老婆の話がおわると、下人は嘲るような声で念を押した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手をにきびから離して、老婆の襟上をつかみながら、噛みつくようにこう云った。 「では、おれが引剥をしようと恨むまいな。おれもそうしなければ、饑死をする体なのだ。」  下人は、すばやく、老婆の着物を剥ぎとった。 という場面ですが、ここだけで30分くらい授業ができます。 まず「老婆の襟髪(えりがみ)」とありますが、これ、どこか分かりますか?自分の襟髪をもってみてくださ

          高校国語のやりなおし⑤「羅生門」の核心。下人の初体験は老婆。

          高校国語のやりなおし「羅生門」④下人のプライド

          下人のプライドというと、なんだか自家撞着というか矛盾というかおかしな表現に見えておもしろいですね。 みなさんにクイズです。次の場面に何か違和感がありませんか? 下人は、老婆を見下しながら、少し声を柔らげてこう云った。 「おれは検非違使の庁の役人などではない。今し方この門の下を通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけて、どうしようと言うようなことはない。ただ、今時分この門の上で、何をして居たのだか、それをおれに話しさえすればいいのだ。」 そうですね。下人の一人称が「おれ」

          高校国語のやりなおし「羅生門」④下人のプライド

          高校国語のやりなおし「羅生門」③

          前回は、レトリックについてでした。 今回も新しいレトリックの紹介です。 雨は、羅生門をつつんで、遠くから、ざあっと云う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、門の屋根が、斜につき出した甍(いらか)の先に、重たくうす暗い雲を支えている。 この文章に使われているレトリックは何でしょうか?二つあります。 これも知っておくと、ものすご~く国語の読解力が上がります。 正解は、スクロールしてくださいネ 一つは「擬人法」。「雨は~集めてくる」「屋根が~雲を支えている」

          高校国語のやりなおし「羅生門」③

          高校国語のやりなおし「羅生門」②

          前回は冒頭の一文について分析しました。 今回は「修辞技法」(レトリック)について紹介します。 そもそもレトリックとは「リベラルアーツ(自由七科)」の一つ、 「修辞学」に該当する重要な学問です。 学校の先生が様々な表現技法を教えてくださるのはそういうわけだからです。 言葉を工夫し、表現方法を獲得することは、あなたが世界に対峙して交渉するための、自由を手に入れる技術なのです。 それでは本題に入ります。 広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗りのはげた、大き

          高校国語のやりなおし「羅生門」②

          高校国語のやりなおし「羅生門」①

          高校国語といえば、現代文・古文・漢文。 その中でも『羅生門』について紹介していきます。 「ある日の暮れ方のことである。」 文学作品の書き出しは、それだけを専門に覚える人がいるくらい、熱狂的なファンを獲得しています。 天才・芥川龍之介のこの一文にはどれほどの情報が詰まっているのでしょうか。 ①「ある日」 「ある日」とくると、必ず事件が起こります。 例えば夏目漱石『こゝろ』でも、「私(先生)」が「K」にひどい言葉をぶつける日には、「ある日」と図書館にでかけたことを振り返ります

          高校国語のやりなおし「羅生門」①

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          勉強することは楽しいことでしょうか。 勉強すると、さまざまな良いことがあります。 教養が深まり、新しいものの見え方を手にいれることができます。 また、人間は根源的に「知ること」に喜びを覚えます。 自分が大好きな人のことを知って、うれしくなるように 自分が生きているこの世界について知り、もっと楽しくなれるはず。 楽しくないと、勉強じゃないんです。 簡単なことから、とっても難しいことまで。 時にはくだらないことも。 そういったさまざまなコンテンツをお届けして、みなさまの生