株価の先行きは株価が決める~「資産効果」を分かりやすく解説


株価の先行きは株価が決める!?

なんだこれ?と感じるタイトルかもしれません。


専門的な言葉では、
「資産効果」「逆資産効果」と表現します。

2018年12月に米経済紙のWallStreetJournalが
こんな記事を掲載しました。

トランプ氏、株価に異様な執着 下がれば責任転嫁
https://jp.wsj.com/articles/SB10435430127981354480604584641431227399374

トランプ大統領は株価を異様に気にしているとの報道です。

トランプ大統領だけでなく、世の政治家は株価の動向を気にします。

それはなぜか?

株価は政権の経済政策に対する通信簿であるとともに、
株価によって経済が影響を受け、
さらには株価も動くからです。

そう、「株価の先行きは、株価自体が決める」
と言っても過言ではありません。


詳しく解説します。


米国では株高(株安)による資産効果(逆資産効果)が高い
と言われています。

資産効果とは

株式や不動産などの資産価格の上昇(下落)が、
個人消費を増加(減少)させることです。

具体的には、
資産価格が上昇に伴い含み益が拡大することによって
消費者心理を刺激する効果を指します。


逆資産効果とは

反対に逆資産効果とは、
株式や土地などの資産価格の下落によって、

家計などが保有する資産の価値が下落したとき、
家計などが自分は貧しくなったと考え、
消費や投資を控えることをいいます。


なぜ米国では、資産効果(逆資産効果)が大きいのか

米国で資産効果(逆資産効果)が大きいのは、
家計に占める株式保有割合が大きいからです。

日米で家計金融資産に占める株式保有割合を比較すると、
その違いに愕然とします。

【家計金融資産に占める株式保有割合】

日本:18.6%
米国:46.2%
(2016年末時点 年金・保険等を通じた間接保有含む)

この結果何が生じたか。

家計金融資産の増加に大きな差が出ています。

◇日本 
1996年:1,182兆円 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
2016年:1,815兆円 
※1.54倍

◇米国 
1996年:2,343兆円 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
2016年:8,821兆円 
※3.23倍


そして、
家計所得に占める勤労所得と財産所得の比(2015年)は、
次の通りです。

日本 勤労所得:財産所得=8:1
米国 勤労所得:財産所得=3:1


米国では勤労で得た所得を
しっかりと株式投資に回すことにより、
勤労所得に対する財産所得の割合が高くなっています。


そのため、

株価上昇

家計金融資産増加

消費拡大

景気拡大

株価上昇

という、

ポジティブフィードバックループに入ります。


その逆パターンでは

株価下落

家計金融資産減少

消費低迷

景気縮小

株価下落

となります。


まさに株価の先行きが
株価そのものを決めることになります。




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