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103冊目:裸でも生きる

マザーハウスの代表兼チーフデザイナーである山口絵里子さんの半生が赤裸々に語られているビジネス戦記。壮絶な人生、めっちゃ面白かった。この本を読み終わった今、仕事でちょっとバングラデシュに関わることになって、相変わらず本と出会うタイミングが完璧だった。

山口絵里子について

努力の人。学生時代は柔道に励み、男子部員に混じって死ぬほど練習をする。大学では開発学を勉強し、のめり込む。発展途上国の現場を知るためバングラデシュに旅行し、そのままバングラデシュの大学に進学する。

会社の設立の時には本『会社設立の本』『小さな会社の運営方法』『アパレル業界早わかり』を読み、起業について学び、ソフトを買ってホームページを自作している。行動力がすごい。

バングラデシュについて

異様な匂い。汚いトイレ。殺し合うデモ隊。アジア最貧国。そんなバングラデシュで彼女が見つけた強みは「ジュート」

なんと、バングラが世界の輸出量の90%を占める天然繊維であることがわかった。さらに光合成の過程で綿などの五倍から六倍の二酸化炭素を吸収し、廃棄しても完全に土に還るなど、非常に環境に優しい素材であるという。

本書より

このバングラデシュでジュートを使ってバッグを作る。一歩ずつ、バングラデシュで工場を探し、デザインを考え、資金を用意するため日本でアルバイトをし、鞄のことを勉強し、会社を設立。するとそのデザインを盗まれる。工場に裏切られる。

裸でも生きるとは

他人にどう言われようが、他人にどう見られ評価されようが、たとえ裸になってでも自分が信じた道を歩く。それが、バングラデシュのみんなが教えてくれたことに対する私なりの答えだ。

本書より

バングラデシュという国との出会いは「どうして貧しい国は貧しいままなのか」という疑問からネットで「アジア最貧国」と検索したところから始まっている。そしてそこで生きる人々と出会い、自分の無力さを思い知る、努力では解決できない問題を知る。

そこに生まれなければ発揮できたはずの沢山の可能性がある。しかし、正義や努力が日の目をみない腐った社会でも、自分の生きる道を何とか切り開き、力強く、生きていた。

本書より

2024年4月1日。会社では入社式があり、新入社員、新生活、新しい部署。この新しいことが溢れる4月に相応しい一冊でした。

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