パーソナリティ障害と遺伝子
本稿はパーソナリティ障害 (人格障害, personality disorder, PD)について紹介、説明し、またこれらの障害が遺伝子的にどのように関係づけられているか、またはどのような遺伝子が関連するかについても調べた上で紹介したいと思う。本稿はどちらかというと、境界知能noteの後続の一つでもある。400円で読むこともでき、または購読すれば購読開始月以降で他のnoteも読むことが可能になる。
1. パーソナリティ障害とは
そもそもパーソナリティ障害とはなんであろうか。その前に、パーソナリティ特性という言葉を知っておくとよいかもしれない。どういう意味かというと、長期にわたって比較的安定している思考、知覚、反応、対人関係のパターンを指すものであり、例えば健常的な人であって気分が変わりやすい人や引きこもりがちな人がいる一方で、外向的で社交的な人もいる。その上で障害ともなると以下のように記述される。
米国精神医学会が発行している精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)第5版(DSM-5)によると、現時点では10 種類のパーソナリティ障害が存在するとされる。一般人口において約10%の人が何らかのパーソナリティ障害に該当すると見積もられている。障害の中には全体として男女差がないものも存在しているが、種類によっては、男女いずれかに多くみられるものも知られている。例えば、反社会性パーソナリティ障害は男性に6倍多く見られる傾向にある。
それではあまり長すぎる説明にならないように注意しつつ、10種類のパーソナリティ障害について次章で説明していきたいと思う。
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