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人生ってハイヒール

ハイヒールを履くと、背筋が伸びる。
少しだけ目線が高くなって、少しだけスタイルが良くなる気がする。
ハイヒールはいつもよりも自分を美しく魅せてくれると思う。

ハイヒールはいつもより美しい自分を演出する。
でも長い時間履いていると足が疲れてきたり、歩きすぎると靴ずれを起こしたりする。
そういうときには少し休んで、靴ずれには絆創膏を貼る。
そうしてまた歩き出す。

ハイヒールはデザインも美しい。
ふと視界に入ったとき、少しだけ気分も上がるもの。
でもそのハイヒールの下は、実は絆創膏だらけだったりする。
美しいものの背景には、多少の痛みを伴なっていたりする。

人生だってそうであると私は思う。

人はみんな、思い思いのハイヒールを履いて生きている。
男も女も、老いも若きも。
理想の自分を演じるために、周りの期待に応えるために。

表向きには笑っていても、裏では痛みに耐えている。
そうしてその痛みに絆創膏を貼って、また歩み始める。
傷が完全に癒えるのを待つほどの猶予はない。
その傷がどんなに大きくて深くて痛くても、休んでいる時間はない。
周りにおいていかれないように。
再びハイヒールに足をねじ込み、痛みに耐えながら進んでいく。

そうしてみんな、満身創痍で生きている。
靴ずれだらけの足で、重たい身体を引きずり引きずり、
何かを求めて歩いていく。

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