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夏について思うこと

近年、夏が暑すぎる。ここは亜熱帯なのだろうか。気温30℃を超えると大騒ぎしていた頃が懐かしい。今や真夏ともなれば30℃超えは当たり前ですらある。

夏というのは、不思議な季節である。春は出会いと別れの季節というが、ならば夏は成長と変化の季節だろうかと私は思う。やたらと「夏の間に!」と変化を強いてくる。

その筆頭とも言うべきなのが、学習塾だ。電車の吊り広告などに、学習塾の夏期講習の広告が増え始める。学生にとっては、夏休みは一大イベント。地域にもよるが、だいたい夏休みは最も長い長期休暇にあたる。だから、その長期休暇を無為に過ごすのではなく、私の大嫌いな言葉だが“圧倒的成長”とかいうものを遂げるべきだと押し付けがましく喧伝している。学生時代は周囲に追い立てられるように過ごしていたが、大人になった今ではただただウザいなと思う。

夏といえば、民放のドラマでは“ひと夏の恋”を題材にしがちだ。海の寄せては返す波のような駆け引き、線香花火のようにパッと燃え上がって散ってしまうようなロマンス。夏休みに出かけた先での出会いだとか、学校とは違う環境で会った同級生との恋だとか、まあそんなところである。そうはいっても近年のこの暑さ、燃え上がるような恋なんてしたら熱中症で倒れそうだな、とか思う野暮な私である。

ともかく、春だろうが夏だろうが、世間が喧伝するものに流されず、自分なりに過ごしたらいいと思う。夏の間に圧倒的な成長をしないといけないわけではないし、刹那的な恋愛をする必要もない。それが夏でないといけないわけはないし、春だって秋だって冬だっていい。なんなら、成長と恋愛だけが人生のすべてではない。

私はただひたすら水分と睡眠をしっかりと摂り、熱中症や脱水症状で倒れてうっかり命を落とすなんてことがないように、自分の身に最上級の注意を払って過ごすことを第一としたい。命を落としてしまっては、何の意味も成さないから。

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