酔いどれ天使

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実録エロ事師たち 巡業花電車(1974年1月26日公開)

監督 林功 脚本 田中陽造 日活ロマンポルノって再評価されてる割には掘り出し物がいっぱいあると思います。この作品がまさしくそれ。花電車と呼ばれる芸に焦点を当てた作品。主演が殿山泰司という時点で勝負あり。伝説の三文役者。 #映画感想文

    • 濡れた欲情 特出し21人(1974年1月3日公開)

      監督 神代辰巳 脚本 神代辰巳 鴨田好史 神代辰巳による「濡れた欲情」第二弾。『一条さゆり 濡れた欲情』の好評価に自信をつけたか、ストリッパーを描いた作品であるが前作との繋がりはストリッパー以外ない。そもそも日活ロマンポルノのタイトルに意味はない。 どう表現したらいいか、観終わった後爽やかさが残る作品なんですよ。大体2、3本日活ロマンポルノを観てくればわかると思いますが、特に神代辰巳の作品はストーリーを追いかけて楽しむものではない。一応のストーリーはあるけどどうでもいいと

      • 愛欲の罠(1973年12月15日公開)

        監督 大和屋竺 脚本 田中陽造 荒戸源次郎制作・主演のこれは掘り出し物。殺し屋vs組織のストーリーに変なキャラやシチュエーションが挿入される。なるほど『殺しの烙印』との比較もわかる。観てる間は長谷川和彦みたいな展開だなと面白がってました。こうなってくると濡れ場が邪魔に思えてくるぐらい。 #映画感想文

        • ためいき(1973年11月20日公開)

          監督 曽根中生 脚本 田中陽造 ザ・昭和のセクハラ。常務室に呼ばれて「お尻で卵を食べてみろ!」「これは命令だ!」とまぁ、真似すんなよ! 全体的に粗くて胃もたれ起こしそうですが、時代を感じることはできました。 #映画感想文

        実録エロ事師たち 巡業花電車(1974年1月26日公開)

          四畳半襖の裏張り(1973年11月3日公開)

          監督 神代辰巳 脚本 神代辰巳 私は世代的に日活ロマンポルノは後追い世代なのですが、最初に「日活ロマンポルノって凄い!」と思ったのが今作。安易に芸術とかアートとか言いたくないんですけど、これはポルノの概念を超えて結実した傑作だと思います。 大正の米騒動とかシベリア騒動を挟みつつ、完全に世間ズレした男と女の交じり合い。虚無とか厭世という言葉も思い出しますが、そのメッセージ性さえ押しつけがましくなく淡々と営まれる男と女の交じり合い。 要するにひたすらセックスの間に世相をニュ

          四畳半襖の裏張り(1973年11月3日公開)

          愛に濡れたわたし(1973年7月25日公開)

          監督 加藤彰 脚本 吉原幸夫 日活ロマンポルノのしきたりとして10分間に一度Hなシーンがあれば、あとは自由に撮っていいというのがあります。それを逆手に取ったからこそ今に至るまで日活ロマンポルノが評価されてるのだと思いますが、この作品は自由というより思いつくまま意味不明の展開で終わる。よほどイメージ・シーンの繋ぎ合わせとしてくれた方が最初からそういう覚悟で見れるけど、謎が謎を呼び解決に向けて収束していくかのように思わせて謎のまま終わる。なんだろね? #映画感想文

          愛に濡れたわたし(1973年7月25日公開)

          やくざ観音 情女仁義(1973年7月14日公開)

          監督 神代辰巳 脚本 田中陽造 神代辰巳の中では異色作かもしれませんね。バイオレンス色が非常に濃い映画。正直言うとこの映画、私はそれほど好きじゃない。今回観るのは2度目でしたが、どうも主人公の気障ったらしい低い声が苦手で眠くなっちゃいました。あと女優さんの演技が素人目に見ても酷すぎて、どうしてこの作品が人気あるのかわかりません。人気あるのかもわからないけど、ネットで調べたら好意的な感想ばかりで、どうやら私の目が節穴なんだと思います。 #映画感想文

          やくざ観音 情女仁義(1973年7月14日公開)

          女地獄 森は濡れた(1973年5月23日公開)

          監督 神代辰巳 脚本 神代辰巳 何度観ても強烈な映画です。狂気の乱交シーンと善悪の概念を問うテーマ。道徳というのは権力者が自分達の都合のいいようにこしらえて、自然界としてはライオンがシマウマを食うことに誰が抗えるか。一度はこの境地に至った方がいいと私は思っております。それでも、とこちら側に戻ってくるから一回り大きくなれる気がするんですけど。 神代辰巳の映画としては一番好きとまでは言わないけど、大好きな映画ではあります。 #映画感想文

          女地獄 森は濡れた(1973年5月23日公開)

          (秘)女郎責め地獄(1973年4月14日公開)

          監督 田中登 脚本 田中陽造 近松門左衛門の心中物をヒントにやや無理めに作り上げた作品。でも悪くはない。最初のタイトルロールが秀逸で、石畳にスタッフ、キャスト名を連ねてカメラが舐め回すように追っていく。作品全体としてはもう一つピリッとしたものが欲しかったけど、このタイトルロールと人形浄瑠璃を中川梨絵で模した描写が映像的にはよかった。それから大正ロマン期の鈴木清順みたいな横移動のカメラも、田中登らしくアーティスティックな感じがしました。 #映画感想文

          (秘)女郎責め地獄(1973年4月14日公開)

          エロスは甘き香り(1973年3月24日)

          監督 藤田敏八 脚本 藤田敏八 大和屋竺 この映画はなんと言っても豚の頭でしょう。なんであんなことすんのかな?そりゃとんかつもやきとんも食べますけど、映画のために殺さなくてもいいんじゃないか? #映画感想文

          エロスは甘き香り(1973年3月24日)

          恋人たちは濡れた(1973年3月24日公開)

          監督 神代辰巳 脚本 神代辰巳 鴨田好史 日活ロマンポルノの中でもとりわけ人気が高く傑作とされてる作品。淡々と進んでプツリと終わる神代演出。舞台は勝浦の漁村。そこだけで完結するのでちょっとした旅気分になれます。実際、私は勝浦、鵜原に行った時にどこで撮影したんだろうとキョロキョロしました。いつかちゃんとロケ地を発見してみたいと思ってます。特に絵沢萠子が全速力で走ったあの道。 神代辰巳の映画はどれもムード満点で、それはアフレコとBGMとして使われるお経、浪曲などの和テイストの

          恋人たちは濡れた(1973年3月24日公開)

          哀愁のサーキット(1972年12月27日公開)

          監督 村川透 脚本 村川透 古屋和彦 これは初めて観ました。峰岸徹主演のソフトコア・ポルノ(実際はハードコアだったらしいが)。レーサーが主役というだけで死亡フラグ立ったようなもんですけど、全編通してオシャレなムード。 日活ロマンポルノというと裕福じゃない層のセックス、時には小便・・という勝手な思い込みがありますが(多分間違ってない)、この作品が一番オシャレ度合い高いんじゃないでしょうかね?その分ストーリー展開は薄いですけど、このなんとなくわかる具合が日活ロマンポルノらしい

          哀愁のサーキット(1972年12月27日公開)

          一条さゆり 濡れた欲情(1972年10月7日公開)

          監督 神代辰巳 脚本 神代辰巳 久しぶりに観ましたが、こんなに素晴らしい映画だったかと感動すらしました。一条さゆりと銘打っておきながら主役は伊佐山ひろ子。間違いなく彼女の代表作です。上手いなぁ。演技のことはよくわかりませんが、伊佐山ひろ子の演技は見惚れるほど絶品です。どこまで本気か嘘かわからないような小悪魔的な演技。 大阪を舞台としてますが喫茶トムソンが出てきたりと東京でも撮影されたみたいで、そのあたりはご愛嬌。それから日活ロマンポルノの特徴としてアフレコが挙げられますが

          一条さゆり 濡れた欲情(1972年10月7日公開)

          (秘)女郎市場(1972年9月16日公開)

          監督 曽根中生 脚本 田中陽造 日活ロマンポルノというと1970年代の反権力的なシラケ世代というイメージが強いが、ポルノとコメディの相性も抜群でした。やはり下ネタが絡むと笑いは倍加するんでしょうね。 この作品、もう大爆笑です。私の中で日活ロマンポルノ三本の指に入るぐらいに笑える映画です。コンプライアンスなんて言葉自体なかった時代ですから、女を競りに出す、女郎部屋に売り飛ばすなんてシチュエーションは当たり前のように描かれます。当たり前と言うのは言い過ぎかな?とにかく緩い時代

          (秘)女郎市場(1972年9月16日公開)

          八月はエロスの匂い(1972年8月16日公開)

          監督 藤田敏八 脚本 藤田敏八 大和屋竺 藤田敏八は私も大好きな監督ですが、とりわけ日活ロマンポルノ期の作品はセンスが光ってると思います。どこがと説明するのが難しいのですがちょっとしたところにセンスが感じられて、それを連続して見せられるとフワフワっと非日常空間に入り込めるんです。 『八月はエロスの匂い』はポルノとしてありがちな性欲衝動をモチーフにしてますが、その衝動スイッチの入り方が強盗に襲われる瞬間だったり浜辺で野生的に暴れる不良集団だったりと、なんかわかる気がするとし

          八月はエロスの匂い(1972年8月16日公開)

          白い指の戯れ(1972年6月7日公開)

          監督 村川透 脚本 神代辰巳 村川透 日活ロマンポルノを代表する女優、伊佐山ひろ子のデビュー作。初々しい。そしてこの作品はなんと言っても荒木一郎。この人だから成り立ったようなところがありますね。 この時代はとにかく新宿です。それから渋谷のトムソンという喫茶店。今はどうなってるのかな?多分もうないと思いますけど、ちょっと見に行きたくなりました。 #映画感想文

          白い指の戯れ(1972年6月7日公開)