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このタコ!

お昼過ぎ。お湯を沸かして、コーヒーを淹れようとドリップし始めたときにやってきた突然の電話。

「タコいるかい?」
漁協の人だった。
「え、タコ?欲しいです!」
僕は即答した。
「じゃあ、包丁とボウル持ってきて」
そう言われて家にある一番大きい鍋を持って港に向かう。

漁港に着いたら、一番大きな鍋を持ってきたはずなのに、
「これじゃちっちゃくないか?」
と言われてしまう。
それもそのはず。目の前にいたミズダコは17kgの大物。
「じゃあ袋にいれてやっから」
とゴミ袋2つを追加で用意してもらい、それと鍋と3つに分けて持ち帰った。

想定外のことがやってくる。人も物も。
これは田舎あるあるだと思う。予定なんて立てても、天気や訪問客や、こうした電話1本であっさりとぶっ飛んでしまうのだ。

鮮魚は新鮮さが命。すなわち、処理のスピードが重要。
タコで言えば、湯がいてぬめりを取ることになる。
漁協の人曰く、
「沸騰したお湯に10分程度」
湯がく必要があるそうだ。
うちにある一番大きな鍋でも足2本入れるのがやっと。つまり、足8本と頭を湯がくには大鍋5回沸騰させなきゃならないことになる。グツグツやってるガス代もさることながら、でかい鍋がガス代を占領していては、妻が晩飯を作る邪魔になる。僕は閃いた。
「外でお湯沸かせばいいじゃん」

外にあったブロックを3つ使って簡易かまどを作った。そして薪ストーブには入れられない流木を薪として活用する。

これで5回、お湯を沸かしてタコを茹でた。もはや火遊びの領域。なんで火をつけるのって楽しいんだろうね。

茹でたタコの表面のぬめりを取る作業。タコの生臭さはこのぬめりからくるため、丁寧に落とさなくてはいけない。そしてこれが結構大変なのだ。それもぶっといのが8本。結局、夜遅くまでかかってなんとかやっつけた。

これからゴールデンウィーク。
島牧がますます素敵な季節になってくる。



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