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慶應SFC|「好きなことを突き詰めた人間には誰も敵わない」デジタルで魔法のような体験をつくりたい【学生メンターインタビュー05】

Life is Tech ! には、中高生を教える役割を持った「大学生メンター」が多数在籍しています。彼らは中高生にITやプログラミングを教えるだけではなく、情報・データサイエンス系の大学・学部へ通い、自らも学びを深めています。
メンターたちは、大学ではどのように、何を学んでいるのでしょうか。

今回は、慶應義塾大学環境情報学部に通う杉山丈太郎さんに、大学の特色やデータサイエンス系の授業、現在力を入れている取り組みについて聞きました。


幼少期からものづくりに熱中。プログラミングの世界に魅了されてSFCへ入学

杉山さんがプログラミングに興味を持ったきっかけは何ですか?

僕は子どもの頃からものづくりが好きで、「つくってあそぼ」を真似て工作したり、オリジナルのおもちゃをつくったりするような子でした。ものづくりへのワクワクする気持ちが、プログラミングに興味を持った原点です。

本格的にプログラミングに取り組み始めたのは小学校の頃です。両親がレゴのロボットプログラミング教材やMacBookを与えてくれたのが大きかったですね。

慶應義塾大学環境情報学部への入学の経緯を教えてください。

きっかけは、中学生のときに通っていたプログラミングスクール「ライフイズテック」のイベントで、慶應の湘南藤沢キャンパス(以下SFC)を訪れたことです。スクールではSFC生にプログラミングを教えてもらうことも多く、自分もSFCで大学生活を送りたいと自然と思うようになりました。

大学受験では今の学部を第1志望に、総合型選抜を受けました。高校時代にはARを活用したアプリを制作したり、Appleプログラミング世界大会で入賞したりとさまざまなことに挑戦していたので、その実績をアピールしました。

実際にSFCに入学してみて、いかがでしたか?

分野横断型でさまざまな授業を受けられること、1年生から研究室に入れることなど、自由度の高さが魅力です。必修科目も少ないので、自分の興味関心に応じて履修できます。

たとえば環境情報学部の授業では、「環境」を軸に幅広いテーマを扱います。バイオ系やフィールドワークメインの生態学系の授業、音楽や振動音の情報化に取り組む授業までさまざまです。

また、多方面で活躍している学生が多く集まっているのもSFCの良さだと感じます。個性的な友人に囲まれながら、刺激的な毎日を送っています。

ピクセルによるゲーム制作から画像生成AIの活用まで。実践的なプログラミング授業

入学後は、どのようなカリキュラムでプログラミングを学んでいくのでしょうか?

環境情報学部では、「データサイエンス1、2」「情報基礎1」といった科目群を通してプログラミングを基礎から学ぶことができます。「データサイエンス1、2」では統計基礎や確率、微分・積分、線形代数を学びました。「情報基礎1」ではプログラミングに必要な文法を学び、Pythonを使った実践的な課題に取り組んだ記憶があります。

プログラミング初心者の学生でも理解しやすいよう配慮されているので、大学入学後に初めてデータサイエンスに触れる人も大丈夫ですよ。

入学後から2年次までで、印象に残っている授業があれば教えてください。

2022年の秋頃、「デザイン言語実践」の授業で、画像生成AI「Stable Diffusion」を活用する制作課題課が出たのは印象的でしたね。当時はまだ「Stable Diffusion」が登場して1か月経ってないくらいの時期で、最先端の技術を授業に取り入れるそのスピード感に驚きました。

あとは「情報基礎2」の課題で、ピクセルのレトロゲームを制作したのも思い出深いです。この課題は、プログラミングでシューティングゲームのようなレトロゲームを制作するというもの。僕の場合は、 SFCのキャンパスを擬似的な3D で表現し、鴨池の周りにいる小鴨たちを集めて家に帰すというアクションゲームを制作しました。

最近、杉山さんが力を入れている取り組みはありますか?

2023年11月にオープンした大学生協併設のカフェ「endores」の立ち上げ・運営プロジェクトに携わっています。このプロジェクトでは、学部学科を越えた30人ほどの学生メンバーが活躍していて、僕はモバイルオーダーを可能にするアプリ開発などをおこないました。

もう1つ、大学2年の春学期から所属している研究室での研究も面白いですね。武田研究室では、コードを書けない人のプログラミングを可能にする新たなシステムの研究開発をしています。

現状では「こんなサイト表示にしたい」とchatGPTに指示を出すにしても、コードがわかる人が間に入るかノーコードツールを活用するかして、“その人の思い”をコードに変換する必要があるんですよね。しかし、その変換の役割を担う人やツールをAIでシステム化できれば、誰でも簡単かつ直感的にプログラミングでものづくりができます。そんな未来は決して遠くないと思っています。

「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」

これから挑戦していきたいことがあれば教えてください。

抽象的な表現になりますが、僕はデータサイエンスによって魔法のような体験をつくりたいんです。

「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」。これはSF作家アーサー・C・クラークが提唱した「クラークの三法則」のひとつです。この時代、すでに表面的には見えないAI技術が溢れていますし、将来的にはもっと魔法のような体験が生まれていくと思っています。

今振り返ると、僕がやってきたものづくりはその先の“体験”ありきです。今後も、自分が得意なプログラミングを活かして新たな体験を生み出し、誰かが思い描くものづくりをサポートして叶えていきたいです。

最後に、情報系・データサイエンス系に興味がある受験生にメッセージをお願いします!

僕にとってITを活用したものづくりは、自分を表現するアウトプットのひとつでもありました。「こんなものがあったらいいのに」「こんな体験をつくりたい」とひたすらものづくりを続けて、今に至ります。

高校生のみなさんも自分が心からワクワクすることを突き詰めて、アウトプットしてみてください。最終的には、好きなことを突き詰めた人間には誰も敵わないと思っています。

何事もやってみなければわからないものです。物怖じせず、まずは行動してみてください!

記事提供
データサイエンス百景:https://ds100.jp/future/s-013/


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