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きょう心にしみた言葉・2022年9月26日

どんな集まりであっても、似通った者どうしが寄り固まって、そこに過剰な配慮が繰り広げられていくと、そのガス抜きのために、内部でいじめが起きることもあります。

「キャラ化する/される子どもたち」(土井隆義・著、岩波ブックレット)

ケータイの普及による子どもの社会の変化を鋭く分析してきた筑波大学大学院の土井隆義教授の指摘です。土井教授はネットいじめの現状についても詳しく調べています。ケータイによって、気に入った人とだけつながることが可能になりました。しかし、その強すぎる同質性が人間関係にゆがみを生んでいるといいます。「常時接続を可能にしてくれるケータイは、便利なツールのように見えて、じつはそのように機能していません。使われ方しだいで、逆にその孤独を増長することもあります」「一人でいることの孤独から逃れようとして多用されるケータイが、かえって一人でいることの恐怖を募らせるという皮肉な事態が生まれています」と。この隘路から逃れ、希望を見いだすためには「多種多様な人たちとの世代を超えた出会いと共闘が必要」と土井教授は提起します。この本の副題は「排除型社会における新しい人間像」です。「排除しない社会」に向けて、まずは大人が声をあげ、子どもたちに寄り添って歩むことが求められていると思います。


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