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きょう心にしみた言葉・2022年9月8日

前向きな癒しの言葉が多い昨今ですが、癒しではなく、痛みが人を救うこともあります。
傷ついている人に寄り添えるのは、同じ傷を持っている人だけなのです。
今、傷ついて絶望している人こそ、いつか誰かを教えるのです。
あなたの存在は無意味ではないことを忘れないでください。

「頑張って生きるのが嫌な人のための本」(海猫沢めろん・著、大和書房、2014年)

親友の死をきっかけに、当時、30代だった作家の海猫沢めろんさんは「生きるために必要な自由とはなんだろうか?」と考え抜きます。そして、そのプロセスを読者と共有しながら、「今の若い人たちが抱える息苦しさを解消したい」と綴ったのがこの本でした。副題は「ゆるく自由に生きるレッスン」。こんな文章もあります。「前向きばかりが強調される世の中は非常に不自由です。後ろ向きを選んで生きる自由を認めてもいいのではないでしょうか。それは世を恨んだり妬んだりする生き方ではなく、しずかな自由の中で充実した孤独を味わう生き方です」。まもなく物思う秋です。秋の夜長を「しずかな自由の中で」。


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