コロは見ていた
僕は、思うことがある。
コロの散歩だ。
そういえば、いつの間にかコロの散歩は僕の仕事になっている。
コロが来た頃は、喧嘩になるほど兄弟でコロの取り合いになっていたけど、今じゃ、お兄ちゃんたちは自分のことばかりだ。
コロのご飯は、お母さん。
僕は、ふとお父さんが気になった。
考えても考えても何もしてない。
コロが赤ちゃんを産んだ時にお世話したぐらいで、後は帰ったきた時に頭を撫でる。
あ、犬小屋作ったっけ。
僕は、友達から聞いたことがある。
犬って、ちゃんとご主人様を分かってるって。
偉い順番があるらしい・・・
「コロ、僕は何番目?」
クゥンと鳴いてしっぽを振ってくる。
「うん、わかった!!僕が1番だな」
お兄ちゃんに言うと、また「俺に決まってる」とバカげたことを言うからお母さんに言おう。
「お母さん、コロのご主人様は僕やんな」
「お母さんに決まってるでしょ」
とあっさり言い返された。
「何で?僕が1番なついているのに?」
「なついてるとご主人様は違うからね」
納得できない!!
「僕に決まってる!!僕の言うこと聞いてくれるし」
お母さんは大笑いして
「ご飯をあげてる人が1番なんです!」
お母さんが言うには、怒らすとご飯が貰えないと理解してるんだとか。
「今まで、あげなかったことがないのに?」
「コロはね、家族だから、私たちのこともちゃんと見てるし、おさるに怒って、ご飯抜き!なんてことも見てるからね」
「誰が偉いのかわかってる」と意地悪い顔をして言ってきた。
「メシ抜き!っていうのは、お父さんなのに?」
お母さんは、また笑って「お父さんより、お母さんが強いのもコロは分かってるからねぇ~」
「僕は?」
「お兄ちゃんたちより偉いかもね、コロに聞いてみたら?」
聞きたいけど、聞けるわけがない!!
コロ・・本当にお母さんがご主人様?
「僕が毎日、散歩言ってるよな」
コロは何も言わない。
そっかぁ~ご飯をあげれば・・・
「コロ、チョコ食べる?」
「こらーーーーーっ!!」とお母さんの怒鳴り声。
「コロが病気になる」と言って頭を叩かれた。
コロ・・・今の見てたよね。
コロがうなづいたように見えた。
つづく
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