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春のような温かさがいつもある学校に… 心の宝物160

🌷彼女の熱量


コロナ機の学校
6年生の彼女は、ファイトの塊のような人でした。全身から発する熱量のようなものが常に彼女の周辺にはありました。彼女自身がそう意識したことなどはおそらく一度もありませんが、彼女の一挙手一投足や片言隻語には、周囲の注目を集める力がありました。
大柄で声も表情も明るくはあったものの、春、初めて対面した頃は、そうした彼女の押し出しの強さが何によるものか不思議でした。
しかし、一斉休校が明け、学校生活が落ち着いていく頃には、その故が腑に落ちました。

🌷あなたの汗と、声と、力にみんなが惹きつけられている


学校が再開した当時の彼女の掃除場所は、校長室から続く廊下でした。
全校の掃除を参観するのを日課にしていた私は、大抵は開始のチャイムの前に校長室を出ました。そのときには、彼女はすでに、掃除を始めていました。床に膝をつき、全身の力を両手に込めて、額に汗を浮かべて一心に床を磨いている彼女の姿は、その上を通ることがはばかられるほどでした。

運動会のソーラン節では、練習から当日まで、声も動作も、誰よりもダイナミックで大きく表現していました。思春期に入った6年生はときとしてこういう場面で難しさを抱えることもありますが、彼女の姿には、何人かの心に芽生えたかもしれない、そうした迷いやためらいを、軽々と吹き飛ばすほどの潔さや爽やかさ、周囲を引き付ける力と温かさがありました。
5年生と6年生の心が一つになり、素晴らしいよさこいソーランを披露してくれました。

あなたが発する熱量の源が分かった気がします。

それがいいと信じたら、何はばかることなく、全力で取り組む。あるべき姿を示すとか、姿で仲間を引っ張ろうとかいうのでなく、目の前の出来事に、自身のプライドを、真実をかけて全力を尽くす。
きっと、これまでに積み上げてきたに違いない、その強く、潔い生き方が、あなたが発揮してきた汗と、声と、力とが、あなたの中に決してなくならない豊かなものを培ったのでしょう。
それが、意識しているといないとに関わらず、あなたの内から尽きずにじみ出て、周囲を満たしている。
私たちは、きっとそれを見ているに違いない。
その温もりに、心地よく浸っているに違いない。

あなたを尊敬します。
私もあなたのように生きたいと願います。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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