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春のような温かさがいつもある学校に… さがしていたのは、幸せの種だったのだね 〜心の宝物121

🌷ひとりひっそりと


コロナ機の学校
登校後、密集に注意しつつ、列に並んで廊下での健康観察をクリア。教室へ入室後、自分の荷物を整理。
毎朝のルーティーンではありますが、子供たちにとっては緊張を強いられる時間。それだけに、ランドセルをロッカーに片付け終え、席についたときには、どの子も解放感に包まれます。

この日の4年生の教室もそんな雰囲気でした。朝の会までもう少しの隙間の時間。ほっとした表情で、にぎやかにおしゃべりを楽しむ子供たちから、少し離れたところに、彼女の姿が目に留まりました。失くしものでもしたのか、床にひざまずいて、ひとりでひっそりと、探し物をしているようでした。

🌷さがしていたのは、幸せの種だったのだね


気になって彼女のところに行きました。
「何かなくなったのですか」
歩み寄りつつ、そう聞いたときには、彼女が何をしていたのかが分かりました。

彼女は、小さな、小さなほこりを集めていました。
はじめに目についたゴミを拾おうとひざまずきました。
低く下がった視線が、さらに小さなほこりをとらえました。
それをつまもうと顔を近づけると、意外に多くのほこりが、床に散っているのに気づき…。

私が目を留めたのは、掌で周辺の床をぬぐうようにしてほこりを集めている彼女の姿でした。

あなたが懸命に探していたのは、目に見えないほどの小さなほこりだったのだね。

誰もがおしゃべりに興じている時間にたまたま目についた床のほこりを、拾おう。そんなふうに決意し、行動できる人が、どれほどいるだろう。更に、ひざまずいた先に見つけた小さなほこりをつまみ取ろう、顔を近づけて気づいたほこりをぬぐい取ろう…。

いつもそうできるとは限らないし、そうであってほしいなんて言いません。あなたの中で、スイッチが入らないこともあるでしょう。
でも、たとえ次がどうであれ、今日の今、そう決意し、行動した事実が消えることはありません。あなたの中に芽生えた豊かなものは、これからも濃く、淡くあなたの言葉や行動として現れるでしょう。その言葉や行動は、あなたとあなたの大切な人の、笑顔と成長を支える力となるでしょう。

あなたがひざまずいてさがしていたのは、あなたの大切な人の、幸せの種だったのだね。
あなたを尊敬します。あなたを誇りに思います。
あなたの未来の幸せを確信します。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

この後、周囲と共に、思春期を成長していく中で、他の子と同様、彼女も自分や仲間のチャレンジやトラブルを体験しました。その中で、彼女は一貫してよわい立場の子に寄り添う人でした。穏やかに、控えめに。しかし強靭に。

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