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春のような温かさがいつもある学校に… 「決心のスイッチ」を押す君の力 〜心の宝物130

🌷彼の周りには、ゆっくりした時間が流れているようで


山に囲まれた小さな学校
学校の周囲の野も山も、秋が深まってきました。吹く風の中にも、ときに身を切るような冷気が混じり始めています。
しかし、そんな寒さも、グラウンドで駆け回る2年生の子どもたちには何の関係もないようです。元気な笑顔に誘われて、その輪の中に飛び込んでいきます。たちまちに寒さは吹き飛んでいきます。子どもたちと共にある日々の幸せを、身にしみて感じる瞬間です。

そんな輪の中で、彼はいつも穏やかで優しい笑顔を浮かべていました。
多くの子が習得に全力を傾けている一輪車に取り組んでいるとき、鬼ごっこのとき、誰かとのふれあいが必然の場面では、大なり小なり衝突は起こるものです。そこでこそ学びうる、大切なことがあります。

そんなときでも、彼が誰かを責めたり、声を荒げたりする場面は一度たりともありませんでした。いつもにこやかな彼の周りだけ、時間がゆっくりと流れているような、2年生ながらそんな雰囲気を、その身にまとった人でした。

🌷「決心のスイッチ」を押す力


そんな彼の、全く別の表情を見たのは、運動会の練習のときでした。
演技種目のキッズソーラン。舟をこぐ動作を、大量のニシンを抱え上げる動作を、全身に力を込めて表現する彼の表情には、鬼気迫るほどの真剣さがありました。

運動会当日の演技では、それが更に研ぎ澄まされ、まだ小さな全身から吹き出る、青白い炎のような気迫に圧倒されました。ゆったりと流れる時間どころか、荒れる北の海が、飛び散る波の花やニシンのうろこが目に見えるようでした。

そういう目で見るなら、掃除のときにもその片鱗は表れていました。全身に力を込めて床を磨く姿は、運動会をほうふつとさせました。

「がんばっているね。運動会もかっこよかったよ」
にっこり笑う表情は、いつもの彼。そうして、再度、集中力を高めて掃除に戻っていく彼。

あなたの心の中には、「決心のスイッチ」があるのだね。いや、言い直そう。誰の心の中にもある。それを押すか押さないかは、自分にしか決められないし、決して簡単なことではありません。自分で自分のスイッチを押す力は、あなたがあなたとあなたの大切な人を幸せにする力にきっとなる。そんな君を尊敬する。そんな君が誇らしい。

そういう思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

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