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春のような温かさがいつもある学校に… みんなで合わせようという思いで最後までできたらいい 〜心の宝物191

🌷ミニ運動会に向けて


コロナ機の学校
この年は、全国の学校が様々な工夫をこらし、感染予防と教育活動の充実を、できるだけ高いレベルで両立させようと努力しました。
旅行的行事、水泳の授業、運動会。それまでであれば、当たり前のように前例踏襲で行われていた活動の意義を見直し、洗練させていくよい機会になったと思っています。

この年、この学校の運動会は、「ミニ運動会」として実施するというのが、先生方と話し合って出した結論でした。種目は、走種目と、演技種目の二つに絞る。それを、低学年、中学年、高学年の三部制で行う。保護者には参観していただくが、入れ替わってもらう。グラウンドに出ていない学年は、ライブ配信で、教室から応援する。

中学年の演技種目は、ボンボンを駆使したなかなか華やかなダンスでした。しかし、なかなか難易度が高く、息が合いません。それを子どもたちも感じて、苦しみから、ややモチベーションが下がる状況に陥りかけていました。何とかしたいと、3年生の教室で話し合いが持たれました。

🌷みんなで合わせようという思いで最後までできたらいい


彼女はとても生真面目な人でした。多くを語らず、黙々とよりよい選択を実行して決して誇ることがない。授業や掃除等の当番活動で目にする彼女には、堅実だけれど、いつも一歩引いたところで仲間を支える印象がありました。

こうした話し合いは、なかなか進みません。まして3年生です。「がんばる」「真面目に練習する」という観念的な言葉が黒板に並んでいきます。教室に閉塞感が満ち始めたころ、彼女が手を挙げます。
「みんなで合わせようという思いで、最後までできたら私は成功だと思います」

手段でなく、目的を、カタチでなく、心の内を。
今大切にしなければならないことを、大切にした方が、きっと明るい気持ちで、希望をもって当日に向かっていくことができることを端的に表した彼女の言葉は、仲間の心にすっと落ちました。トンネルの中で出口を見失っていた子どもたちは、光明を見つけたように、心を一つにして取組を再スタートさせました。

人を押しのけてまで前に出ることは決してしない。いつも一歩離れて優しく仲間を見守っている。そんなあなたの心の中に、とても熱いものがあることを、あなたの目に、優しくも厳しい光があることが分かりました。また一つ、素敵なあなたらしさに出会わせてくれてありがとう。

そんな思いでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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