見出し画像

春のような温かさがいつもある学校に… その人の心に届く言葉や行動を選び取る優しさが伝わったよ 〜心の宝物182

🌷そっと肩をたたいて


コロナ機の学校
10月に入り、朝夕を中心にすっかり過ごしやすくなりました。すがすがしい風が柔らかく教室に吹き込み、子供達の心を癒してくれます。集中力も高まり、活気ある授業に学びの秋を実感する季節です。

とはいえ、心が活性化すれば友達とのおしゃべりも楽しく活発になります。この日の朝、5年生の教室でもそんな場面に出会いました。先生の話が始まっていましたが、何かよほど楽しい話題だったのでしょう、後方の席の二人の男子のおしゃべりはなかなか止まりませんでした。

そのとき、彼女がそっと、一人の男子の肩をたたきました。

🌷その人の心に届く言葉や行動を選び取る優しさが伝わったよ


叩かれた男の子ははっとしたように彼女を振り返りました。
驚いた表情に、彼女は微笑みながら、柔らかく一言二言、何かを告げました。
彼はバツが悪そうに、しかし明らかに気づきを得た清々しい笑顔で、姿勢を正して先生に向き直りました。もう一人の男子も、素早く続きました。周辺から温かな空気が、教室全体に広がっていくのが分かりました。

あなたが何を言ったのか、私には聞こえなかったし、尋ねることもしませんでした。なぜなら、それがどんな言葉であれ、あなたの思いが温かく、そして真っ直ぐに、彼らの心の届いたことが伝わったからです。

誰かに働きかけるとき、とりわけそれが注意したり、たしなめたりするような場面であるとき、それがきっかけとなってトラブルになることがあります。

誰であれ、自分の何かを指摘されて嬉しかろうはずはありません。一方、指摘する方は自分の正義感に一点の疑いもありません。その思いは、かみ合うよりも、むしろぶつかり合う可能性の方が高い。

そうならないためのキーワードを、私は「想像力」だと思います。
相手が今どういう思いで、そういう状況、今日の場面なら「おしゃべりが止まらない」状況になっているのか、それを踏まえて、どんな言葉を、どんな表情を選びとれば、願いが伝わるかを想像する力です。
声をかけてくれた人が、どんな思いで、言いづらいことを、あえて自分に伝えてくれたのかを想像する力です。

決して簡単なことではありません。実際にトラブルになり、傷ついた経験からしか、学べないことかもしれません。

二人の子の心に真っ直ぐに届くような言葉を、声のトーンを選びとったあなたを尊敬します。それを学びえた、あなたの過去の、きっとそのときにはつらかっただろう経験が、周囲を幸せにする力として、あなたの中によく生きていることを、あなたがそれを前向きな生き方に変換していることをとてもうれしく思います。

想像力といいました。「思いやる力」と言い換えることもできますね。思いやる力は、トラブルを自然に回避し、誰かと笑顔で関り合える力、すなわち「人とよくつながり合える力」に他ならないことを、あなたの姿から、全校のみんなが学ぶことができました。
ありがとう。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?