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春のような温かさがいつもある学校に… 最初の一人になる勇気は、周りも、自分も笑顔にするんだね 〜心の宝物176・177

🌷1年生の給食当番


コロナ機の学校
学校再開、すなわち新入学から約5か月。1年生の給食当番もずいぶん板についてきました。はじめは、担任の先生や支援員さん、養護教諭まで入って、初めての、しかも感染予防に配慮した給食の配膳について、手取り足取り、というよりも実質はほとんど、職員が代わって行っていました。
しかし、この頃から、だんだんと自分たちでできるようになってきました。要領のよい子、まだまだおっかなびっくりの子、個人差はありますが、小さな手で、お玉やしゃもじを懸命に握りしめ、配る姿には確かな成長が感じられ、その場に伺う度に、温かな気持ちになりました。

とはいえ、やはり1年生。配膳活動などという複雑で注意を要するオペレーションでは、事故やトラブルは付き物です。この日はお盆を持ったこの手が滑り、ワゴンに、おつゆがまるまる三人分、ひっくり返ってしまいました。
あっという間のことに、直接携わった子はもちろん、他の子も、担任の先生も、一瞬固まったようになりました。

そのとき、二人の子が進み出ました。

🌷最初の一人となる勇気は、周りを、自分を幸せにする力なんだね


様々なことに興味を示し、何事にも積極的な彼は、教室入り口に大量に置いてある、清拭用のペーパータオルをまとめて持ってきました。話を聞くとき、挨拶するとき、何かを見つけて教えてくれるとき、常に前向きな熱量が心に伝わります。人とよくつながり合う力の育ちを感じます。

もう一人の彼はスポーツ万能。鬼ごっこではヒーローで、1年生ながら、私も難なくタッチされてしまうほどの俊足でした。ひっくり返っている食器を整え、先の彼と手分けして、ワゴンの上と、床にこぼれたものを拭き取り始めました。視野の広さと、瞬発力。そんな彼の力は、遊びの場面だけでなく、ここでも発揮されました。

二人に触発され、周囲の子も動き始めました。共に拭く、手を滑らせてしまった子を励ます、おつゆをよそい直す。それぞれが自分のできることを考え、動き始めました。温かな気持ちの輪が、笑顔が、瞬く間に周りの子供たちに広がりました。出来事そのものは残念ことでしたが、起こったおかげで、子供たちが手にできたものも、決して少なくはありませんでした。

担任の先生が、感動と共に伝えてくれました。

その瞬間、手を滑らせてしまった子は、そうしてきっと周りの子も、頭の中が真っ白になったでしょう。そうして、何とかしなくてはと焦る気持ちと、でもどうしていいかわからないと迷う気持ちに挟まれて、氷の中に閉じ込められたような気持ちになったでしょう。

その氷を溶かして、仲間を解き放ったのがあなたたちです。最初の一人となる二人の勇気は、周りの子の心に真っ直ぐに届きました。仲間たちは、心の中で固まっていた勇気に気づき、それを自分で引き出し、行動することができました。
おかげで、「スープがこぼれてしまった」という、出来事としては残念だったことが、みんなの笑顔に、温かな気持ちに、クラスの宝物に変わりました。

仲間のために勇気を奮って行動することは、決して簡単ではありません。しかし、それを乗り越える「最初の一人となる勇気」は、周りの笑顔を、幸せを実現するということを、君たちのおかげでみんなが学ぶことができたよ。ありがとう。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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