みやてぺ

新葬礼製作所の三宅哲平です。お墓を作っています。noteは主に読んだ本の感想です。宜し…

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新葬礼製作所の三宅哲平です。お墓を作っています。noteは主に読んだ本の感想です。宜しくお願いします。

最近の記事

人は死ねない 超長寿時代に向けた20の視点 奥真也

死がある程度予測可能になり、人生の計画を立てられるようになった稀有な時代に生きる私たちはどのような死生観を持つのか。それを知りたくて手に取った一冊。重要なところをメモっていきます。 第一章 あらゆる病気は克服されていく      人生120年が現実味を帯びる時代 第二章 健康とお金の関係はこう変わる     経済力が長生きの質を決める? 第三章 ゆらぐ死生観     自分なりの「死のあり方」を持つ 第四章 誰が死のオーナーか     死を取り巻く問題を考える 第五章 未来の

    • 無縁社会の葬儀と墓 死者との過去・現在・未来 山田慎也・土居浩 編 メモ

      ど真ん中のテーマなので目を通す。 2022年8月発行。11名の研究者の方々の論文です。 気になったところメモ抜粋です。 新たな死の共同性 小谷みどり 老人介護施設が合葬墓を作ったり、墓友といった繋がりなど、脱血縁墓という社会的な動向が観察されています。しかし、まだそれ自体が生前に新たな内実を伴ったコミュニティを形成するには至っていないようです。たくさんデータが出てくるので以下にメモしております。 ◆三世代世帯➡1975年54.4%、2017年11.0%、夫婦のみ世帯32.

      • ↑↑の商品名を考えた。その一連の記録。「なまえデザイン」小藥元著を参考に

        さて、墓を売らないことには生活も立ち行かない。 人生折り返してるのにバイトもいつまでたっても辞められない。。(苦笑) 抽象的に考えるのは嫌いではないけど、そんなことばっかしてるわけにもいかない。人に伝える努力をしなければならない。世界の片隅ながらも、いわゆる0→1を目指そうと思えば、そもそもお客さんにも概念がないわけで、概念がないものを説明するのは非常に難しい。一層がんばらないといけない。 完全無名の状態で風変わりな墓を売り出すとなると、ひとまず物はあるので委託販売を試す

        • 供養の構造? レヴィナスにおける他者の死と自己同一性 ―ハイデガーにおける現存在との比較を通して― 山口美和

          墓を作るということは、「存在を表現する」ということかなと思っていて、では存在とは何かというところで、死者との関係においてそのあたりを調べてみたいと思った。 存在という言葉を聞いて思い浮かぶのはまずハイデガーだろうか。「存在と時間」と言えば、かっこつけてトライしたものの早々と敗走したクチだが、検索すると、いくつか面白そうな論文がヒット。 山口美和さんが書かれた「レヴィナスにおける他者の死と自己同一性 ―ハイデガーにおける現存在との比較を通して―」という論文。あまりにピンポイン

        人は死ねない 超長寿時代に向けた20の視点 奥真也

        • 無縁社会の葬儀と墓 死者との過去・現在・未来 山田慎也・土居浩 編 メモ

        • ↑↑の商品名を考えた。その一連の記録。「なまえデザイン」小藥元著を参考に

        • 供養の構造? レヴィナスにおける他者の死と自己同一性 ―ハイデガーにおける現存在との比較を通して― 山口美和

          古代憧憬と機械信仰 コレクションの宇宙 ホルスト・ブレーデカンプ、加賀の潜戸を添えて

          本書は近代的な博物館の前身とされるクンストカマー(驚異の部屋、珍品陳列室などと訳される)の歴史的な変遷を分析している。市民に開かれた今の博物館とは異なり、本書が研究対象にしているクンストカマーは15世紀~17世紀の王侯貴族や高位聖職者などが収集した汎ヨーロッパ的でエンサイクロペディア的なコレクションである。そのコレクションは支配層にとってミクロコスモスであり、雑多な収集物というより宇宙観の表現だった。ゆえに国やヨーロッパにとどまらず世界中の異国的な品も含まれる。ブレーデカンプ

          古代憧憬と機械信仰 コレクションの宇宙 ホルスト・ブレーデカンプ、加賀の潜戸を添えて

          いま知っておきたい霊魂のこと 正木晃

          お世話になってる方から勧められた本。自分ではなかなか手に取らなかっただろう本、ということをおそらく見越して勧めてくれた本で、自分の宗教観にはない視点を示してくれていて、自分の立ち位置を俯瞰することができる良書でした。 著者は研究者の方ですが、歴史的な文脈から身近な幽霊やドッペルゲンガー、憑依などの話題まで、霊魂に関する話題が幅広く盛り込まれとても読みやすい内容です。日本の霊魂観を知る上で非常に勉強になりました。 ちょっと笑ってしまったのですが、最後に著者自身が、研究者として一

          いま知っておきたい霊魂のこと 正木晃

          位牌の成立 儒教儀礼から仏教民俗へ 菊池章太

          位牌の歴史が知りたいと思って手に取る。期待に違わぬマニアックさです。 結論としてはタイトルの通り。日本の葬礼のルーツは約2000年前、十一世紀後半の中国で朱熹が「家礼」をまとめたあたり、儒教において取り決められた儀礼の中に始まる。それによれば位牌とはつまるところ、シンプルに「依り代」である。そうした依り代を古代中国では、一連の葬儀の中で「銘→重→主」という風に展開していく。なぜ分けられているか、それは儀礼の段階、霊魂の在り方に対応しているからだ。現在日本で行われている四十九日

          位牌の成立 儒教儀礼から仏教民俗へ 菊池章太

          2024抱負&新ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義 安西洋行 中野香織

          昨年は製作をメインにやってきて、認知方法やブランドの方向性についてあまり考えられていませんでした。 自身の弱点や方向性を明確にするべく、安西洋行さんと中野香織さんが書かれた「新ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義」を読みました。改めて自分の立ち位置を考えるうえでとても参考になりました。 日本人が漠然と抱く「ラグジュアリー」という言葉と、ハイブランドひしめくヨーロッパにおける「ラグジュアリー」がどのように異なるのか、歴史的なラグジュアリーの変遷を辿りつつ、現代の具体

          2024抱負&新ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義 安西洋行 中野香織

          天涯の花、小説・未生庵一甫 澤田ふじ子

          野党の子として生まれながら、池坊立花中興の祖と言われる専応を描いた「花僧」が面白かったのでこちらも読んでみました。 それまで生花に特別な興味を持ってはこなかったのですが、お墓を作っていると「花」というものをどう捉えるか考える必要に迫られます。それで手に取った一冊。 そもそも生花というのは、切り取って死んだ花に人の手によって新たな心、生命を与える行為だそうだ。 未生庵一甫こと山村内蔵介は1761年生まれ。小普請支配の沼田家に婿入りしたが、妻の蕗は父の出世のために組頭の慰み者に

          天涯の花、小説・未生庵一甫 澤田ふじ子

          図書館の阿闍梨

          先日のこと。 良く晴れた秋の昼下がり、久しぶりに図書館に行った。 二年ぶりくらいだったが、ちょっと驚いた出来事があった。 その日のミッションは、焼きそばのルーツについて調べることだった。 焼きそばを作品のモチーフとして使うために、一度、焼きそばとは何かを掘り下げてみる必要があったからだ。 自明のものを新鮮に見せるのは難しい。 世の中の偉大な作り手たちは常にそれに腐心している。 普段、心動かされる体験というものにはそうそう出くわさない。 神秘的な山々がどこまでも屹

          図書館の阿闍梨

          「みやてぺ」のプロフィール

          みやてぺ(三宅哲平)です。 友人の金属加工屋さんの影響でnoteをはじめました。 ふだんは、お仏壇やお位牌に代わる自宅用の新しい手元供養具を作っています。 このようなものや、、 ちょっと変わったものも、、 ほかのものもあるのでよかったら見て頂けたら嬉しいです。 https://www.instagram.com/teppei_miyake/ 新しいスタイルで作り出したのには理由があります。 1,残された人がより元気に生きられるようなものを作りたい 2,もっと故人の存

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