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夜のドライブデート

僕は初恋の人と運命的な再会を果たし、

あの有名なそば屋さんに行った。

「なんか甘いものたべたいなぁー」

ナツミが僕の目をじーっと見つめながら、
テーブルの下、
僕の足をコツンと軽く蹴ってきた。

「まだ食べるの?」

「じゃあおいしいパフェでも食べに行こう」


この通りはカップルが多く、なんだか恥ずかしい気持ちになった……。

僕は心の中で今ここで手をつなぐ?
いや、まだ早いかな。

そんな風に思っていた。

すると、ナツミの右手が僕の左手にポンっとあたった。

あっ。

お互い手をつなぐかどうするか、
頭の中で考えていたので、

かなり恥ずかしい。


……



パフェを食べて店を出た僕とナツミは、とっても幸せそうな顔だった……。

「そろそろ帰ろっか」

「うん」

「実は車で来てて、コインパーキングにとめてるんだ」


車内……。

「ねぇ、この車ってなに?ハンドルにチーターみたいな顔のマークが付いてるけど」

ナツミは、助手席から僕の左頬を眺めている。

ちょっと古い洋楽のCDで、夜のドライブデートにはピッタリだ。

「なぁ、ナツミ、昔の中学生のとき、1回あのトンネルのところで会ったの覚えてる?公園に行って……」

「覚えてるよ!あのときは、なんか緊張して全然しゃべれなかったね」

ナツミが僕に、今って好きな人とかいるの?

と、思いっきり直球の質問だ。

「いや、特にいないよ」

「よかったー」

ナツミはホッとしたのか、そのまま助手席で寝てしまった……。

あと20分ぐらいで着くかなー。

僕はいつの間にか左手でナツミの手をにぎっていた。



ナツミの実家の近くまで帰ってきた。

ナツミも起きて手をにぎっていることに気付いた。

「今日は楽しかったね。ありがとう。
もっと一緒にいたかったけど」

「じゃあ」

手が離れると同時に、

2人の吐息が近くなった……。


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