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【認知症介護】受診を嫌がる親を病院に連れていく方法


1. 認知症患者の受診拒否の背景

認知症の進行とともに、様々な行動や言動に直面し、その対応に苦悩することが増えてきます。病院への受診を拒否する患者とのやりとりは、特に心を痛める場面であることを理解しています。その背後には多くの理由が隠れていることを知っているからです。

  • 認知症患者が病院受診を拒否する理由

    • 認知症患者が受診を拒否する背景には、多くの要因が考えられます。既知の場所や環境から離れることへの不安、過去の病院経験からくるトラウマ、また、現実を正確に理解できないことからくる恐怖など、患者には様々な不安や恐れが存在します。

    • さらに、認知症の患者は往々にして「自分は認知症ではない」と自覚していないことが多いです。そのため、受診の必要性を感じず、その場の感情や不安が前面に出てきてしまうことも。

  • 私たち介護者の共通の悩み

    • 患者の健康状態を心から願っている私たち。しかし、病院受診が必要な場面でも、患者の強い拒否反応に直面すると、どのように対応すればよいか、本当に迷いますよね。私たちが感じるこの悩みや葛藤は、多くの介護者が共有しているものです。

  • 不安や恐怖の感情、病院の環境への過敏反応

    • 認知症の進行とともに、外の環境や未知の場所に対する反応が過敏になることがあります。病院の特有の匂いや、待合室の雰囲気、検査機器の音などが、認知症患者にとって大きなストレスとなることがあるのです。

2. 事前の対話と理解の深化

認知症患者との対話は、時に難解で疲れることもありますよね。しかし、受診の必要性を伝えるためのコミュニケーションは非常に重要です。それをスムーズに進めるためのポイントをまとめました。

  • 感情的にならず冷静に

    • もちろん、拒否されるたびにイライラするのは仕方のないこと。でも、感情的になってしまうと、それが患者に伝わってしまい、さらに状況がこじれる可能性が。冷静な気持ちを保ちながら、患者の気持ちに耳を傾けることが大切です。

  • 良いタイミングを見極める

    • 認知症の患者は日によって、またその日の時間帯によっても機嫌や状態が変わることが多いですよね。そうした中で、良いタイミングや気分の良い時を見極め、受診について話題を持ち出すことが重要です。

  • 具体的なイメージを伝える

    • 「病院に行く」という抽象的な表現よりも、具体的なイメージを伝えることで、患者の理解を深めることができます。「今日は○○先生に診てもらって、その後でお好きな○○を食べに行きませんか?」というような、ポジティブなイメージを伝えることで、受け入れられることも。

  • 認知症初期集中支援チームや認知症コールセンターの活用

    • 専門家と連携を取りながら、患者とのコミュニケーションをとることで、より効果的なアドバイスやサポートを受けることができます。こうしたサポートを活用して、患者との対話をよりスムーズに進めてみましょう。

3. 実際の受診時の工夫

病院への受診は、認知症患者だけでなく、介護者にとってもストレスの一因となることが多いです。そのため、少しでもその負担や不安を軽減するための工夫を紹介します。

  • かかりつけ医との相談

    • 介護者が信頼するかかりつけ医に、認知症の家族の状態や受診の難しさについて相談してみましょう。医師からのアドバイスや情報提供を受けることで、受診の際のアプローチや対策が見えてくるかもしれません。

  • 介護者自身の通院を活用

    • 介護者自身が病院への通院がある場合、同時に認知症の家族も連れていく方法も考えられます。普段からの付き添いが慣れている場合、患者も少し安心して病院への移動や待ち時間を過ごすことができるかもしれません。

  • 待ち時間の工夫

    • 長い待ち時間は認知症患者のストレスとなります。病院の混雑具合や、空いている時間帯を確認して、待ち時間を最小限に抑えるよう工夫しましょう。

  • 持ち物のチェック

    • 必要な医療カードや保険証、診察結果などを整理しておきましょう。また、患者が安心できるアイテム(写真、お気に入りの小物)を持参することで、患者の不安を少しでも和らげることができます。

4. それでも受診を拒否する場合

介護者として、最善を尽くしても家族が病院への受診を拒否することがあります。そのような場合でも、最も重要なのは彼らの安心と安全を守ることです。以下のサポートや施設を活用することで、家族の健康状態を守りつつ、必要なケアやアドバイスを受けることができます。

  • 認知症の在宅医療の活用

    1. 病院への受診を拒否する家族のために、在宅での医療サポートを提供する在宅医療を検討してみましょう。在宅医療では、専門の医師や看護師が自宅を訪問して、診察や治療を行います。定期的な健康チェックや必要な治療を受けることができるので、家族の健康管理が可能です。

  • 認知症初期集中支援チームの活用

    1. 地域によっては、認知症の早期発見やサポートを目的とした「認知症初期集中支援チーム」という体制が整っています。このチームは、医師や看護師、ケアマネージャーなどの専門家が連携して家族をサポートします。チームとの連携により、家族の状態に合わせたケアプランの提案や、病院への受診が必要な場合のサポートなど、幅広いアドバイスを受けることができます。

  • 認知症コールセンターの活用

    1. 認知症の家族や介護者が直面する悩みや不安に対応するための「認知症コールセンター」が存在します。このコールセンターは、電話一本で専門家に相談できるサービスとなっており、病院受診のアドバイスや他の利用者からの具体的な実例などを提供しています。受診の際のアドバイスや、日常生活でのケアに関するアドバイスなど、多岐にわたる情報提供を受けることができます。

まとめ

認知症の家族や親しい人をサポートするためには、病院受診が欠かせない場面も多々あります。しかし、その受診を拒否されることは、多くの介護者の共通の悩みです。この記事では、そんな拒否反応に対して柔軟かつ効果的に対応する方法や、在宅医療の活用、さまざまな支援体制の存在について解説しました。

大切なのは認知症のご家族の意志と安全を尊重しつつ、自身もサポートや情報を受け取ることで、長期的なケアのストレスを軽減することです。

私は認知症介護での悩みや疑問を持つ方のために、オープンチャットを開設しています。この場を利用して、情報交換や相談を行うことができます。お気軽にご参加ください。


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