はやくはやく

砂煙を起こしまくっている少年の横を足早に通りすぎた俺は、その先で自転車に轢かれかけた。

自転車に乗っていた男は、
「っ! 危ねーっ!」
と驚いていたが、
俺は何事もなかったかのように
その場を後にしていく。

そうして足早に歩みを進めていくと、
急に飛び出してきた少女にぶつかられた。
そこで俺は一瞬立ち止まったが、
少女に優しい笑みを浮かべてやることなく、
その場を後にしていく。

と、その時、
ぶつかってきた少女の後方からまた少女が走ってきた。
そして次の瞬間、
俺はその走ってきた少女に思いっきりタックルをされた。

別に俺がそれで吹っ飛ばされることはないが、
何なんだこの少女は?
俺に恨みでもあんのか?
まぁまぁの攻撃力は感じたぞ。
嫌だわぁ、嫌だわこの子。
まぁでも、いいや。
早く先を行こう。
構っている暇はない。
欲しい物があるんだ。
早く行こう。
とっとと行こう。

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