とあるアーティストを紹介させて下さい。

彼は1958年にアメリカのペンシルバニア州で生まれました。

アート好きの父の影響により物心つく前から絵を描き始めます。

 やがて彼はニューヨークに移住し、スクール・オブ・ビジュアル・アーツでビデオアートやパフォーマンスアートなど様々なジャンルの作品を制作しながら自らの可能性を探求しました。

彼が望んだのは、人種や階級、性別、職業に関係なく、いろいろな人に作品を見てもらえるアーティスト。そのために彼は、公共の場に自分のアートを拡散させたいと考えました。

80年代初頭に彼はニューヨークの地下鉄で、黒い紙が貼られた使用されていない広告板を使った「サブウェイドローイング」というグラフィティ・アート(落書き)を始めました。もちろん犯罪なので20回以上も逮捕されています。

サブウェイドローイングの影響により、やがて彼の名は国際的にも知られるようになりました。

アートが大衆のためにあるということを提唱しつづけた彼の活動は、絵画や彫刻にとどまらず、舞台デザイン、ポスター、レコードジャケット制作など多岐に及びます。

そんな彼に魔の手が伸びます。
1988年、彼はAIDSと診断されました。

彼は怯む事なく、勢力的に創作活動を続けましたが、ついにその時が訪れました。

1990年2月16日、グリニッジヴィレッジのアパートでこの世を後にします。31歳でした。

最後に彼の言葉を紹介します。
「Art is for everybody.
(芸術はみんなのためのものだ。)」

彼の名はキース・ヘリング
80年代のアート界を無邪気な子供のように駆け抜けたアーティストです。