人間関係の距離感について、物理で考えてみた
人間関係の距離感って、難しいですよね。
今回は、そんな物理とは関係なさそうなテーマを、物理の視点から考えてみることにしました。
結論から言うと、物理の世界でも、良い距離感というのはくっつき過ぎず、離れ過ぎないことなんです。
では、一緒に見ていきましょう。
できるだけ物理を知らない人にも分かるように、頑張ります。
原子を人間に見立てて考えてみた
今回の話は、簡単に言えば、原子と原子の間の距離を人間関係の距離に、置き換えただけなんですよ。
原子って、みなさん聞いたことありますか?
ざっくり言えば、物質の元となるものです。
さらに細かく分ければ、電子や原子核、中性子が出てきますが、今回はそこまで細かく考えません。
この原子と原子の間には、引力と斥力がはたらきます。斥力とは、反発する力のことです。
「なぜ、引力と斥力がはたらくのか」という疑問は、話すと長くなるので、今回は省略させていただきます。興味のある方は、調べてみてください。
この原子間にはたらくエネルギーの式も分かっていて、レナード・ジョーンズ・ポテンシャルとよばれる式で、計算できます。
それが、この式。
$$
{U(r)=4\epsilon\lbrack{\bigl\lparen{\frac{\sigma}{r}}\bigr\rparen^{12}-\bigl\lparen\frac{\sigma}{r}}\bigr\rparen^{6}}\rbrack
$$
$${U(r)}$$はポテンシャルエネルギー、$${r}$$は原子間の距離、$${\epsilon}$$と$${\sigma}$$は定数(原子の種類によって決まる)です。
図にすると、こんな感じ。縦軸をポテンシャルエネルギー$${U(r)}$$、横軸を原子間距離$${r}$$にとっています。
数学アレルギーの方、安心してください。
この式は、そんなに難しいことを言っていません。
ポテンシャルエネルギー$${U(r)}$$が低いほど、安定な状態になります。
頑張ろうと思ったら、エネルギーがいりますよね。
つまり、このエネルギーが最小になるところが原子にとって、居心地がいいところなんですよ。
グラフを見て分かるのが、原子間の距離が近過ぎるとエネルギーは大きくなるし、離れ過ぎてもエネルギーが大きくなるということ。
そして、ちょうどいい距離感のときに、原子のエネルギーは一番小さくなり安定します。
この一番安定する距離は、原子の種類によって異なります。
まさしく、人間関係と一緒じゃん!
僕は、このレナード・ジョーンズ・ポテンシャルの式を習ったときに、そう思いました。
距離が近過ぎると疲れるし、遠過ぎると寂しくて居心地が悪いところが一緒じゃん。
原子の種類によって、居心地がいい距離が変わるのとかも、人間に当てはまるし。
距離感が近い方が好きだという人もいれば、遠い方が好きだという人もいる。
自分にとっては、「いい距離感を保てているな」と思っても、相手からしたらそうではないかもしれない。
相手にとってはエネルギーの高い、不安定な状態になっているのかもしれない。
そう考えると人間関係って、やっぱり難しいな。
最後に
今回は物理の話と、人間関係の話をつなげてみました。
僕は、人間の内面とか人間社会のことにも興味があるので、今回みたいな理数系の話と人間を結びつけた内容をこれからも増やしていきたいです。
せっかく学費を払って大学院まで行って、物理や数学を勉強しているので、その知識をしっかり活かそうと思います。
数学や物理の視点から考えることの面白さを感じていただけたら、この記事を書いてよかったなと思います。
数学や物理は物事の根源を勉強する学問だと思っているので、とっても抽象的な学問だけどいろんな分野で応用できると感じています。
難しくて大変なことも多いんですけどね。
ちなみに僕が研究しているのは、量子多体系です。
大きな枠組みで言ったら、物質の性質について研究しています。
宇宙のことや素粒子のことも、少しだけなら分かります。
理系の学生生活についても質問があれば、ぜひ質問してください!
おしまい。
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