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逆境がポテンシャルを高める

高校時代、山に登りまくった。

ワンダーフォーゲル部(ドイツ語で「渡り鳥」の意味)に所属していたんだけど、この部活は山岳部みたく、山を登ることを生き甲斐にしている。

ワンゲル(ワンダーフォーゲルの略)ついては、過去の記事でも書いてる。

皆さんにもそれぞれの青春があったと思いますが、僕の青春は山にあった。

僕らの代が卒業する時、顧問の先生が色紙に「山は最良の師なり」という言葉を残してくれたが、その言葉通り僕は山からたくさんのことを学んだ。



まず言いたいこと。

山登りは、とにかくきつい。語彙力を失っているが、まじでしんどかった。

けっして声に出さないが、みんな心の中で「何でこんな苦しい思いをしてまで山に登ってんだ」と思っていたはずである。



山登りは、なぜしんどいのか。

それは簡単。山登りは、重力に逆う行為だから。

質量を$${m}$$、重力加速度を$${g}$$とした時、$${mg}$$の重力を受ける。

この重力に逆らって、山を登っているのだ。



物理の内容になって申し訳ないのですが、ここからさらに話を進めよう。

この重力に逆らい、はじめの位置から高さ$${h}$$まで登った時、$${mgh}$$のポテンシャルエネルギー(高校物理では位置エネルギーと呼ぶことが多い)を得ることができる。

そう。エネルギーを蓄えていたのだ。


Canvaでイラストを作ってみたよ


「こんなきつい肉体労働させやがって」と思って山を登っていたけど、実は知らず知らずのうちにポテンシャルエネルギーを獲得していたのだ。



ポテンシャルというと、持って生まれたものみたいなイメージがある。

しかし、物理学だと保存力(ここでいう重力)に逆らう向きに仕事をする(山を登ることに対応)ことで、ポテンシャルエネルギーを高めることができます。

ここでいったん、ポテンシャルエネルギーの話は終了。



人生は、山に例えられることも多い。

「人生山あり谷あり」なんて言ったりもする。

大きな逆境が襲ってきて、急勾配な山を登らないといけない場面もくる。

だけど、そこで立ち向かって登っている時、確実にポテンシャルを高めている

しかも勾配が急なほど、ポテンシャルの上がり方も大きい。一歩進んだ時に登る高さ$${h}$$が、高くなるからだ。


これは、ピンチを迎えた主人公が、そこで大きく成長するみたいなジャンプ漫画みたいな状況なのだろうか。

強敵が立ち塞がり、それまでの自分の限界を超えないといけない場面。あれと同じだ。

逆境を迎えた時に、ポテンシャルを引き出しているのだ。



試練に立ち向かう時、「いま自分はポテンシャルを高めているぞ」と言い聞かせれば、少しでも勇気がわいてくると思う。

どうせ同じ苦しみを味わうなら、その方が断然いい。高い山の方が、見晴らしも最高だしね。


やはり「山は最良の師なり」だ。

また、山に登りにいきたい。



いや、やっぱりもうあんな苦しい思いは、できればしたくない。


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