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【映画】NOWHERE:漂流

映画と言っても日本国内では劇場公開はなく、Netflix配信オンリーなのでご存じない方も多いと思います。ソリッドシチュエーション(限られた環境の中で繰り広げられる恐怖)ものは好きなので、早速視聴いたしました。


あらすじ

とある全体主義国家で物語は始まります。

妊婦のミアは旦那と一緒に、この危険な国を出ようと決心します。監視下に置かれた人々は、通常の手段ではなかなか出国できないので、船に載せられる貨物コンテナに隠れて密航するという手段を取ります。ところが、そのコンテナに多くの人が押し寄せたため、半分の人員は別のコンテナに載せられることになり、夫婦は離れ離れになってしまいます。

密航は監視員に見つかり、必死に身を潜めてかろうじて助かったミア以外は全て銃殺されました。コンテナの中に1人取り残されるミア。

なんとか隠れて出国は出来たものの、コンテナを積載した大型船は嵐に見舞われ、コンテナはあろうことか海に落下。何もない大海原でコンテナで漂流するミア…

感想

全体主義国家的な部分はあまり重要じゃないかな。序盤しか物語にはかかわってこないです。「1984年」のオーウェル的な国家なんだろうと推察しますけど、そこを基軸に物語が展開するわけでもないので。

集中力が欠落している私みたいな「登場人物が増えるとよくわからなくなる」人にはうってつけのジャンルが「ソリッドシチュエーションもの」です。登場人物めっちゃ少ない。これは有難いw ぶっちゃけ、ほぼミア1人で物語は展開していきます。

コンテナは序盤で銃撃を受けているから穴が開いています。その穴からコンテナは徐々に浸水してきます。中には限られた物資しかありません。食料もわずか。勿論、中からコンテナは開きません。連絡手段は携帯、相手は旦那のみ。おまけに主人公は身重の妊婦さん。

コンテナは浮かんではいるのですが、エンジンがある訳でもないので「思った方向に進む」は当然できません。ここで「助けが来なけりゃアウト」が確定です。以前紹介した「FALL」なんかもそうなんですが「自力ではどうにもならない」はなかなかの絶望感。じゃあ、どうやったら助けが来るかというと「外部との連絡手段がない(旦那も密航者なので助けには来れない)」なので、運任せが確定。そもそもコンテナに閉じ込められている状況下で、大声をあげても無駄ですし、狼煙を上げたりなんて事も不可能。コンテナは浸水していきます。食料も限られてる。ここで「時間的なリミット」もある程度確定。まあ、普通に「絶体絶命」です。

いかにこの状況を打破していくかが面白い。ツッコミどころ、ご都合主義な個所はあるけど、それを差し引いても「色々詰め込んだ」感じがエンタメとしていい感じです。

途中で出産シーンがあるんですが、名前が素敵。象徴的ですね。

ツッコミどころもある

都合よく「なんとか使える物資」があるし、あんな洋上で携帯の電波届くのかも気になるし、妊婦さんが出産直前・直後にあんなに動けるかというと厳しいと思うし、細かいところを見ればいっぱい出てくると思います。

が、あの「役に立たなさそうな物資」を工夫して役立てていくのは面白い。タッパーとかイヤホンとか、ちゃんと物語に絡んでくるのは「ほう、やるなぁ」と思いました。

まあ、私なら多分諦める。母は強いなぁ。

TRAILER

これで雰囲気は大体わかると思います。


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