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自分の本質をつかって貢献する、ということ【ヒプノセラピー体験談】

ある日のヒプノセラピーのお話です。

★暗い洋館はお化け屋敷?

歩いていくと
イバラのトンネルになりました。

実際はもっと、不思議の国のアリス(ダークサイド)といった感じでしたが

さらに奥へと進んで行くと、
暗い洋館がありました。
まるでお化け屋敷みたいです。

少しドキドキしつつその扉を開けると、
隙間から光が漏れ出してきました。
いくぶんホッとして、
私は一歩を踏み出しました。
足元は革のブーツに変わっていました。

気づけば
くるぶしまでの革靴(ショートブーツ?)、
その靴裏に感じるのは
タイルのしかれた床のよう。
建物の中です。

私は灰色っぽいブロンドの
真っすぐな髪をお団子に結わえ、
メイドっぽい黒いワンピースを
着た少女になっていました。

なぜここにいるのか、
思い出せません。
そこで、まずは
一番幸せなシーンに行ってみました。

★明るい緑の庭のお茶会


すると出てきたのは、
お庭でのお茶会でした。
野趣あふれる
イングリッシュガーデンのようです。

祖母くらいの年の女性を
「奥様」と呼んでいます。
奥様は、このお屋敷に
一人で住む女主人のよう。

綺麗に手入れされた
緑色の芝生の上、
クロスをかけたテーブルと椅子。
並ぶお茶やお菓子。
笑顔で優しい奥様。

私は、そこに住み込みで働く
メイドのようでした。
私の他には、不愛想で真面目な
庭師のおじさんがいるきりの
小さなお屋敷です。

すると奥様が言いました。

「ジューン、あなたもここに座って。
一緒にお茶をしましょう」

私はジューンというようです。
しかし、そこはいち使用人。
私はお断りしましたが、
奥様はどうしても、と譲らない。
そこで、ありがたく
お言葉に甘えることに。

お茶はとっても香りよく美味しくて
お菓子も夢のように甘くて、
私はうっとり、夢中でした。

大袈裟に感激する私に
(※私としては正直な反応)
奥様はとっても愉快そうに笑う。
嬉しそうなので、私も嬉しくなりました。

それから私は、
使用人でありながら、
ときどきそうやって
奥様とお茶の時間を楽しみました。

「なんてお優しい奥様なんだろう」
と思っていました。
「こんな方のところで働けて、私は幸せだ」
だから、ますます熱心に働きました。

もともと真面目に
仕事していましたが、
ますます奥様のために
働けることが嬉しくて、
懸命に頑張りました。

「いつもお掃除ありがとうね、ジューン」
そう言って感謝してもらえることが
嬉しくてますます頑張りました。

★ジューンの過去

ジューンには、物心つく前から
母親がいませんでした。
アルコール依存症だったらしい
父は一切働かず、
家は荒れ放題で食べ物はない。
まともな服さえないのが
当たり前の生活でした。

そんな生活の中で、
なんとか見つけた働き口が、
そのお屋敷のメイドでした。
(普通に身元不詳の少女が働けること自体不思議だったのですが、理由はのちに分かりました)

綺麗な建物の中、
衣食住は保証されています。
何よりジューンが嬉しかったのは
一見飾り気のない、メイド服。

黒いワンピースに白いエプロン、
といった簡素なものでしたが、
いつもボロを着ていたので、
こんな綺麗で可愛らしい服を
自分のものにできるなんて、
嬉しくて嬉しくて仕方なかったのです。

嬉しくて嬉しくて、
ジューンは一生懸命働いたのでした。

ある時、奥様は
自分の娘時代の服を着せてくれました。
古風な小花柄のワンピースです。
「可愛いわ、ジューン。私にも娘がいたのよ。……こうやって着せてあげたかったわ」
そう言って
寂しそうな目をしていたのが印象的でした。

★一転

そんな楽しいある日、
奥様が倒れます。
部屋で倒れていたところを、
ジューンが見つけて
抱き起こしました。
弱々しい笑顔で、奥様は言いました。

「ジューン。今までありがとうね。
 ずっと一緒にいてくれて。
 あなたがこの家にいてくれて、
 私、幸せだったわ……」

そう言うと、奥様は
そのまま息を引き取りました。
あまりにショックで、
あまりに悲しくて、
彼女は呆然とするばかりでした。

★奥様の娘

ほどなく、奥様の娘と名乗る女性が
娘を連れて現れました。
近代的で派手な服、派手な化粧。
ジューンより年上の娘は
あからさまな蔑みを込めて睨んできます。

奥様の娘は
ジューンをとことん馬鹿にしたあげく、
財産の話をはじめたのでした。

ジューンは、奥様が生前、
娘に会いたいと
言っていたことを思い出していました。
「あんなに会いたがっていた娘が、これなの?」
そんなふうに苦々しく思いました。

娘は、奥様の衣装をぶちまけ、
投げ捨てはじめました。
「こんな時代遅れの古臭いボロ、全部捨てるわ。お金にもならないもの。あなた、捨てておいて」
ジューンは自分の目と耳を疑いました。
これが本当に、あの奥様の娘なの?と。

★屋敷を去る

奥様の遺言には、
ジューンの名前が書いてありました。
財産のほんの一部を、譲ると。
寝耳に水でした。

しかし、娘は怒り散らします。
「冗談じゃないわ!なんでこんな変なメイドごときに分けなきゃいけないのよ!絶対いやよ!これっぽっちも渡さないわ!」
生前、奥様に
一度も会いに来なかった娘は、
そう言って証文を
破り捨ててしまいました。

彼女はそれから調度品やその他を売り払い、
家も古いからと取り壊し、
土地も売る算段をつけたようです。

嵐のような勢いで
変わり果てていく屋敷の中、
呆然とする私に、
いつもは寡黙な庭師のおじさんが
声をかけてきました。

「あの娘は、昔から ああなんだ。
 ……言われたことは気にするな。
 財産は……残念だが、諦めろ。
 早く次の仕事を探すことだ」

……財産なんか、
どうでも良かったのです。
そんなことを
ジューンは考えていなかった。

ただ、あれだけ奥様の
会いたがっていた実の娘が、
「母に会えず悲しい」などとは
微塵も思わず
全ての物を、思い出を
処分するのが信じられなかったのです。

奥様の長年の思いを
踏みにじられたような気がして、
それがショックだったのです。
そして、今まで汗をかきかき
懸命に頑張ってきた自分を
馬鹿にされさげすまれたことも。

ジューンはそれからほどなく
別の仕事につき、
結婚もし、
真面目な夫とともに穏やかに暮らし、
亡くなりました。
子どもは欲しかったけれども、
生活が苦しく、望めませんでした。

★死後、ガイドさんに言いつのるジューン


亡くなると、山の頂きの上、
雲の上にきました。
そこで、私とジューンは
魂が分かれました。

ジューンが、モヤモヤと
やるせない気持ちで
いるのが伝わってきます。

でも、何となく私には
声がかけづらい雰囲気でした。
というのも、ジューンから
「あんたもラクして生きてる」と
思われている気がしたのです。

「あんたも、あの娘みたいに。
 手も荒らさず、体も傷めず……。
 コツコツ働いてる人間の気持ち、わかる!?」

そんな思いが伝わって来て、
私は下を向きました。
身体的に体を使う仕事が困難、
と言ったところで、
おそらく理解は得られないでしょう。

するとそこに
フィロソフィーさんという
ガイドさん?がやってきました。

「ジューンに何と言ったらいいんだろう」
と考えている私に、
軽く首を振ります。
何も言わなくていい、
ということのようです。

ジューンは、
彼(フィロソフィーさん)の姿を見ると、
すぐに言いつのり始めました。

「私は、納得いかないんです!
 なぜ、懸命に生きてきた私たちや、
 優しく思いやりのある奥様が
 むげにされるんですか!?
 なぜあんな、楽して生きてるような
 横暴な連中が金持ちになって
 いばってるんですか!?
 私にはそれが納得いかないのです!」

彼女のいいぶんは、
分かる気がしました。
フィロソフィーさんは、黙っています。

するとそこに、
亡くなられた「奥様」が
やってきたのです。

★奥様の言葉

「奥様!」
ジューンは泣いてすがりつきました。
奥様は切なそうに
ジューンの背を撫でます。
そして、話し始めました。

「ジューン、辛い思いをさせて
 ごめんなさいね……。
 娘があなたに、
 とても失礼なことをしてしまって、
 申し訳ないわ……。
 でもね、誤解もあるの……」

奥様の記憶、意識が
伝わってきました。

実は、奥様は最初は
あの娘さんのような
性格だったこと。
自分自身が、ああだったのでした。

そして、夫が死んだときに、
愛想を尽かした娘が
出て行ったこと。

一人になり、
孤独の中で暮らしている時、
ジューンがやってきたのです。

恵まれない境遇だったジューンは
とても心根が清く、素直で、
純真で、まっすぐでした。

奥様がいくら嫌味を言っても、
小言を言っても、
意に介しません。

というのも、ジューンは
もともと罵声を浴びて
育ってきたので、
奥様の小言を
小言とも感じていないのでした。

ジューンの誠実さ、素直さ、
純真さ、素直な愛らしさが
奥様の心を変えていったのでした。
素直な彼女と過ごすうちに、
奥様は今のような性格に
なっていったのだと言います。

※ここで、なぜジューンのような境遇の娘がお屋敷の使用人になれたのか分かりました。きっと今まで、なかなか人が続かなかったのでしょう

「まっすぐで素直で
正直で、純粋で……
そんなあなたの心に触れて、
私は変わったのよ。

ねえ、ジューン。
あなたは、あなたの【仕事】……
掃除や家事に、
私が感謝してたと
思っているでしょう?
違うのよ。

私は、あなたのその
純真さに感謝していたのよ。
あなたの真心こそが、
あなたの一番素晴らしい
ところだったのよ」

それを聞いて、
ジューンも私も泣きました。
今まで思い違いを
していたことに気づいたのです。

手仕事や日々の家事が
「自分の仕事」と思われていた
わけではなかったのだと。

「自分の心に触れること」を
仕事と思われ、感謝されていたのだと。

我々が気づくと、
奥様はひと足さきに、
光の世界へと還りました。

★応援団が増える、ということ

ジューンが「私」を振り向きました。
表情が変わっています。

「あんたにひどい事言って悪かったわ。
あんたは、私と同じように
人を、奥様のようにしていく、
そんな仕事をしてるんだね。
手を荒らさない、
腰をいためない仕事でも、
そうやって心を触れ合わせて
奥様のように変わって行って
感謝してくれる……
すごくいい仕事なんだね。
……応援してるよ。がんばってね」

そう言って、
私を励ましてくれました。

そうか、
過去世が応援団になる」とは
このことなんだ、と
私はそのとき、ふいに思いました。

ジューンが光の世界に還る前に、
どうしても言いたいことが
私にはありました。

「待って!あのね、ジューン。
私ね、今の夫と、June(6月)に
結婚したんだよ」

そう伝えると、彼女は笑いました。
「そりゃ面白いね。面白い縁だ」


いくつかの気づきがあったのですが、
そのうち3つを
書いてみたいなと思います。

1つめ。

実は私は幼いころから
怪我が多い人間でして、
指、手、歯、足、など
様々なところを負傷したことがあり、
体を使うお仕事には不向きです。

ご近所の草取りですら、
しゃがむことができないので
中腰でやっている始末です。

体を使って頑張って
お仕事していらっしゃる方々に、
なんだか申し訳ない
、と
ずっとずっと思っていた
ところがありました。

ここからきていたんだな、と思います。

2つめ。
これはインスタグラムでも
昨日書いたことなのですが、

「嫌な人」を嫌と感じるのは、
ふだん優しい人に囲まれているから

ということです。


ジューンは最初、
奥様にけっこう色々
言われていたようですが、
全く気づいていませんでした。

それは、
彼女があまりにも⁡
ひどい環境で生きてきて⁡
⁡人から優しい言葉を⁡
⁡「かけて貰えないのが普通」⁡
⁡だったからなんですよね。⁡
⁡⁡
⁡「優しい言葉」のほうが、⁡
⁡彼女にとっては
異常だったんです。⁡
⁡⁡
⁡⁡
⁡これは、裏を返せば⁡
⁡「本当に嫌な人⁡!」⁡
⁡「信じられないほど酷い人!」
⁡⁡と言いたくなるくらいの人に⁡
⁡出会ったときは⁡
⁡⁡
⁡「ふだんの自分の意識のそばには、⁡
⁡そういう人が当たり前のようにいない」⁡
⁡ってことなんです。⁡
⁡⁡
⁡⁡
⁡そう思うと、⁡
⁡いやな人に出会ったときって、⁡
⁡「私ってふだん、なんて恵まれてて幸せなんだろう!!」
ということでもあります。

3つめ。
人は「自分の長所」を使って
世に貢献していけばいい

ということ。
苦手なことを出来なくとも、
気にしなくていいんですよね。
これは、みなまで言わずとも
お分かりいただけるかと思います。


★後日談


実はこの話には後日談がありまして。
上記に気づいたのち、
ある休日の朝のこと。
新聞屋さんがチャイムを鳴らしました。

「なんだろう」と出て行くと……。
「ご挨拶遅れてしまってすみません。毎年ありがとうございます」と。


実は私、毎年の元旦に
朝刊を届けてくださる方あてに
玄関にメッセージを書いて
貼っているのです。
年賀状のように。

今の家に住み始めてからなので、
もう10年目でしょうか。
それのお礼だったわけです。

「毎年、あたたかいお言葉をいただいていて。
 いつも励まされて、嬉しくて。
 ありがとうございます。
 お宅に来るたびにそれを思い出して、
 ああ、まだ私、お返事もしていないなって
 申し訳ないってずっと思ってたんです。

 でも、本当に嬉しくて。
 【私の担当のお宅にはこんな優しい人いるのよ】
 なんて言って、自慢したりしてるんですよ。
 他の方は、そんな人いないよ、なんて……
 ずっとご挨拶しなくてすみません。
 でも、ずっとありがたいって思ってたんです」

そう言って笑顔で
お話くださったのは、
母より年上の方。

私は別に特別なことを
していたつもりもなく、

「大雪でも雨風でも、
真冬の寒い朝も、
私たちがグースカ寝てる中で
毎日毎日働いて
くださっている人がいるんだ」

「ふだん会えないし、
待ってたら不審者だから、
伝える方法はないかな」
と思って始めたことだったんです。

だからお返事なんて
最初から期待していないどころか
そんなふうに思ってもらえてたのが
分かって、本当に嬉しくて。

これからもよろしくお願いしますと
お互いお話したのですが。

ふと思ったのです。

体を使って頑張って
お仕事していらっしゃる方々に、
なんだか申し訳ない

という思いが外れたから

「申し訳ない」より
「感謝」がまさったから
起こった出来事なのではないかと。

何にせよ、本当にありがたく
心温まる訪問でした。



他にも色々な気づき、
教えはありましたが、
それは私だけの宝物にしておきます♡

最後までご覧いただき、ありがとうございます!


どうぞサポートのお気持ちは、ご自分へのご褒美に使ってあげてください♡