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いつから上階はサファリパークになったのか?

とんだ目にあった。たぶんこのことは一生理不尽で、思い出すたびに毒づいてしまいそう。
ことの始まりは、8~9年くらい前だろうか、ウチの上階が業者に買い取られリノベされ、売り出されたことだ。
少々古くなってきたウチのマンション、新築時は全室カーペット敷きで床そのものも柔らかく静かな作りだった。が、徐々にリノベでフローリングが増え、とうとう上階にもフローリングが貼られた。しかも上階は最上階。

そこに夫婦が越してきた。
引越しの挨拶に来られたが、なんだか違和感のある二人だ。
夫は神経質そうに眼をしばたかせ妙におどおどと喋る。そのあとに陽気なトーンではあるがなんか幼稚さのある妻が続いた。
うわぁ、まいったな、上に来てほしくないタイプ。
外れてほしい第一印象だった。
しかしすぐにそれは始まった。
部屋の中のどこを歩いているか分かる足音。
食卓の椅子を平気で引きずる。
ドアの開閉が激しい。
何をそんなに必死に干すのかというほど布団を干し、ダラーンとウチのベランダまで垂らし、さながらカーテンのよう。
さすがに参って管理室に少々相談して張り紙をしてもらった。
布団のことと音のことが書かれていたが、改善されたのは布団だけ。家具の脚につける防音グッズひとつ付ける気配もない。
小柄な妻なのだが、洗濯を終えると洗面所とベランダを勢いよく往復し、室内扉を豪快に閉める。
フローリングに掃除機をこれでもかとゴリゴリ。なぜクイックルワイパーを使わないの?

それから間をおいて子供が生まれた。
少しすると激しい泣き声と暴れる音が長時間するようになり、あろうことかさらに双子が生まれた。
それに、子供が生まれてから親の出す騒音も異常に増えた。
まず、洗濯を超早朝にして、必ずドン!と床の音を立てる。
まだ人が寝ている時間にベランダの窓と網戸を音を立てて執拗に開閉する。ときに、開けて干して閉めての「干して」の間がなく、ただ開閉をビックリするくらい繰り返す。妻は一日中家にいるのになぜこの時間?
また、家具のようなものを部屋中引きずりまわす、早朝だろうと深夜だろうと。ゴーーゴーーガタガタ引きずりまわしながら、ゴンゴロゴロゴロー、ゴンゴロゴロ―と硬いものを落としまくるのを20~40分続ける。
これではこちらはろくに睡眠時間もとれない。
さらに、リビングに引き戸のついた家具のようなものがあり、その引き戸を爆音で開閉する。閉めるときのドンっていう音はどんな戸でもするけど、開閉時のゴーーーという音もすごい。ゴーーードン!!ゴーーーードン!!カミナリかと思ったよ、最初。ウチの家具そんな音しませんけど・・・

上の子が超早朝から走り始めるとこちらの限界は超え、まともな生活ができなくなった。

前に上階にいた家族にも幼い子がいたが、泣き声も足音もせず、何も問題はなかった。
どういうことかとネットで調べ尽くして、フローリングの防音について資料を作って、私の悪い体調も含めつらい現状を綴り夫に管理室に掛け合ってもらった。
まずは管理員さんが上階に一声かけてくれ、同時に理事会に報告された。
ここで最初の失望が待ち受けていた。
上階は何も変わらない。理事たちもまともに取り合おうとする人がいなかった。
とにかく上の子の騒ぎ方が尋常じゃない。火がついたように泣き叫び、マットも敷かずむき出しの床を、かたいおもちゃで全力でガツガツ叩き続ける。何十分ではない、何時間も、だ。床にだってものすごい傷がついているはずだ。親もそれを放置しているし、子供を外で遊ばせることを一切しない。
コロナ禍とはいえ、遊び場は駐車場を挟んでベランダの真ん前にあり、感染の心配をするほど人がいないのが手に取るように分かるというのに。
1~2週間でもう一度管理室へ。今度は、床に敷くもの売ってますから、と言ってくれたそう。
それでも収まらない。自分たちは最上階で静けさを享受し騒ぎ放題。
こちらは部屋の中にいることができず、外廊下に出てしまうほどなのに。
私は長期間体調を崩していて、外に出るのもきつい状態なのを押して、3度目、管理会社の担当者と話す。
話は聞いてくれたが、基本「お願い」しかできない、他に方法は引っ越すか裁判かみたいなことを言われた。ネットの記事と一緒。それが管理会社の言うことか?というのが正直な感想だ。
手紙は書いてくれるというので、すがる思いでお願いした。

ここまでの話しで上階を常識の範囲内と思う人がどのくらいいるのだろう?
手紙の効果があると思う人、手を挙げて!

はい、ここで絶望のドン底です。
もう上階は言葉が通じないケモノか宇宙人です。
それからしばらくして、体調が上向いて起きてる時間が増え始めたので、休日はあてもなくドライブして、買い物をして夜遅く帰宅する生活。上にガソリン代とお茶代請求したい。
3人も子供いたら、あなたたちが車で出かけなさいよ、たまーにチャリで1~2時間お茶を濁すような外出じゃなくてさ。
それにこの物件はちょっと狭いくて、子供は2人でめいっぱい。都内ならまだしもこの辺ならエリアを変えればもう少し広い物件に住めるのに、ぎゅう詰めで部屋に籠りっきりで暴れ続ける。

こんな生活が長続きするはずもなく、それなりに私の体が動くようになったころ、我が家が引っ越しを決意した。


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