普通未満の生涯を送ってきました。
私は左利きでしたから、生まれながらにして周囲の人々と性質を異にし、そのために時折猛烈な疎外感のようなものを感じたものです。
あれは小学校に入学してすぐの頃、新入生皆に配られた教科書やら算数セット等の中になんとも不可思議な形状の玩具を発見しました。確か名前を「もちかたくん」といったでしょうか、クラスの皆がするように私も鉛筆にその玩具をはめ込み、左手で書き物をしていました。
そうしているうちに担任の教師が私のもとにやってきてこう言うのです。「無理して使わなくてもいいよ」。
私