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ランニング初心者だけどランニングの勧め

明日はニューヨークシティマラソン当日。もう街はどこもかしこもマラソンのポスターでいっぱいです。

我が家からは例年のごとく、主人が出場。早朝5時には家を出てブライアントパークからのシャトルバスに乗り、スタート地点のスタテン島に向かいます。
わたしはと言えば、去年走り始めた初心者ランナー。全く速くならない永遠の初心者ランナー。

走るのが大嫌い

元々走るのは大嫌いなどころか、歩くのさえできるだけしたくないわたし。そのわたしがなぜ走り始めたか。きっかけは案外単純でした。
わたしの周りには主人を始めなぜか走る友達が多くて、いつもランニング話で盛り上がる彼らを横目に見ていました。「あんなにしんどいのに、何が楽しいんだろう?」と意味が分からず、自分には関係ない話だと思っていました。

わたし自身、歩くのは嫌いだけれど運動は嫌いではありません。普段運動不足ではない方で、どちらかというと平均的な同年代よりは身体を動かす日常です。子供の時から続けていたクラシックバレエは、大人になってから下の子が生まれるまで続けていました。最低でも年1回は発表会で踊るようにしていたので、そこそこ本気じゃないといけない状況に自分を追い込んでいたと思います。
あとは20代後半から主人がやっていた空手道場に通い始めて、それはコンスタントに稽古を続けています。今年黒帯に昇段しました。
他にもアシュタンガヨガにはまって、一時期はインストラクターの資格取得も真剣に考えたほどですが、子供2人がまだ小さかったのでその時は断念しました。

ずっと身体は動かしていたのに、2度の妊娠・出産を経験してから痩せない。代謝が落ちたのを感じていました。完全母乳だったら体重はカンタンに落ちるという話を信じていたのに、全く落ちない…。
いろいろ試して、最後に出した結論が「走るしかない」でした。

良い効果がたくさん

主人に付き添われ走り始めた去年の初夏。最初は3キロもきつかったのが、気がつくと5キロは平気に走れるようになっていました。そこからは週3回は5キロを走るようにして、初めてのレースは、セントラルパークで4マイル(6キロちょっと)に参加。その時にゴールした時の達成感といったら、なんとも言えないものでした。小さいメダルも首にかけてもらって、応援にきた子供達が嬉しそうにゴールで待っていてくれた時の幸福感。
そこからレースにはまっていきました。

コンスタントに走るようになると、体力・持久力がついてきました。空手をする時にその差は確実に現れて、かなり体が軽く感じていました。空手の稽古の時間はいつも同じなのですが、その中身の質が自分の中で大きく変わったのです。
例えば蹴りの練習1つにしても、10回をこなすためにセーブしてしまっていたのが、全てフルパワーで蹴り上げても余力ができるようになったのです。以前はこれをしてしまうと、後半のコンビネーションや型の練習で体力がもたずに稽古にならなかったのに。

そしてあれだけ苦だった徒歩での移動が、そこまで辛くなくなったこともとても大きかったです。ニューヨークでの生活はどうしても歩きが多くなって、特に駅では日本みたいにエスカレーターがどこでも整備されているわけではありません。エレベーターがある駅もありますが、信じられないくらい遅いのでよっぽど時間がある時やタイミングがいい時、本当に体調が悪い場合以外は使いません。結構なお年寄りな方もニューヨークではスタスタと階段を昇っていく方が多いです。

あと感じられた効果として、低体温気味だった体温が上がったことです。上がったことで代謝が良くなり、体重は結構一気にがくんと落ちました。でもどこが痩せたかといえば、痩せたらしょんぼりな胸だったんですけど。

ご飯が美味しく感じるようになったのも嬉しい効果でした。家族で食べる時は楽しいけど、1人で食べる時はどうしても作業になってしまうわたしのご飯。子供の時から食べることが優先ではなかったのです。それが食事の時間が楽しみになったのはすごいことだなぁと。

夫婦での共通の趣味

わたしが走るようになって、主人はとても嬉しそうでした。わたしが走る時はたいがい付き合ってくれて、ペースメーカーをしてくれます。彼がペースメーカーをしない時は、やはりペースを保つのがとても難しくて後半が特にガクンとタイムが落ちてしまいます。

一緒に走ると、よく知っている場所でも気がつかない景色がたくさんあって、それを一緒に見て感じられるのはとても素敵なことだなぁと思っています。初めて行く場所は彼が先立って走ってくれて、わたしも道順を心配することなく走りに専念できます。そして彼がいつも1人で見ている風景を、こうやって共有してくれることが本当に幸せに思うのです。

レースも何回か一緒に走りました。やはり1人で走るより、とても楽に走れます。慣れている人がいると、初めてのレースでもなんとなく色々情報をもらえるので有利だなと。例えば「あそこのトイレは今のうちに行っておいた方がいい」とか「ここを超えたらあとは坂道ない」「ここを走る時は、道のここを走るとラク」など、そのコースを走ったことのない人には分からない情報が満載なのです。

ニューヨークで走っているランナーたちにはおじいちゃんおばあちゃんがたくさんいて、周りを気にせず楽しそうに走っているのが印象的です。わたし達もいつまで続くかは分からないけれど、「おじいちゃんおばあちゃんになっても一緒にどこか走っていたいね」と今は言っています。

ニューヨークシティマラソンを目指す方法

ニューヨークには、ニューヨークロードランナーズという組織があって、あの有名なニューヨークシティマラソンを主催しているのがここです。
このマラソンを走る方法はいくつかあって、ある決められた速さ以上の人は無条件で参加できる枠もあるそうです(友達はそれで何回は出場していました)。抽選枠もあります。旅行会社が持っている枠もあって、日本から参加する方はツアーに申し込んで出場する方も多いようです。
わたし達地元の一般人が参加しようと思ったら、このニューヨークロードランナーズが主催している年間の様々なレースに9回参加して、1回ボランティアをする9+1というプログラムがあります。これを全てクリアすると、翌年のニューヨークシティマラソンに無条件で参加することができるのです。

わたしはゲーマー体質なところがあって(コレクター体質も?)こういうふうにクリア条件を見せられると燃えてしまうようなのです。アプリもちょうどそのような作りになっていて、1つレースを完走するとスタンプみたいに空白が埋まっていく…楽しくて仕方ないのです。

今日、最後の条件であるレースのボランティアを完了しました。ニューヨークシティマラソン前日に行われるAbotto Dash5Kのコースマーシャルを務めてきました。日本からもたくさん参加されてたようで、日の丸国旗を見かけると「がんばって!」と声をかけさせていただきました。その声に「ありがとう!」と答えてくださった方々、こちらこそたくさんエネルギーをいただきました。本当にありがとうございます。明日のフルマラソンを走る方がほとんどだと思います。ぜひ楽しんで行ってくださいね。

これでわたしも9+1が完了です。来年2020年の記念すべきニューヨークロードランナーズ50周年のレースの参加資格を取得しました。走れるのかどうかはおいておいて、とても大きな達成感に包まれています。

永遠の初心者でいい

これを読んだみなさんに勘違いしていただきたくないのですが、わたしは全くの初心者です。1年以上走っていますが、本当に遅いです。1マイル11分程度(1キロだと6分半くらいでしょうか)のスピードでのんびり走っております。
今年5月に初めてのハーフマラソンもなんとか完走しましたが、ぎりぎりトラックに回収されないスピードでした。

わたしの場合、誰かと競争するわけでもなく、記録を出したいわけでもなく、長く楽しく続けていければいいなと思っているだけです。走り始めると「なんで走っちゃったんだろう!?」と後悔することが多いのですが、やはり走り終わるとなぜかまた走りたい!と思ってしまうランニング。なぜなのでしょうね。もう達成感でしかモチベーションは保たれていない気がします。

広がる輪

ランニングを通じてお友達になれた方もいます。よそのところに行ってレースも参加してみて、新しい旅の仕方も発見できました。ハワイに引っ越してしまったお友達を尋ねて、一緒にホノルルマラソンに参加もできました(わたしは10キロコースです)。日本でも小さなレースに何度か参加して、とても楽しかったです。お土産や給仕所の食べ物が充実していてびっくりでした。いつかヨーロッパでも走ってみたいし、大好きなディズニーのレース参加も夢です。
そして今、子供達も走りたいと言い出しています。来年あたりからニューヨークロードランナーズの公式のレースに一緒に出て走ってみようかと話しています。のんびりと楽しく頑張っていきます。

もしこれを読んで始めてみたくなった方、まさに走っている方、ぜひぜひコメントくだされば嬉しいです。

そして旦那様、明日は頑張って〜〜!(もう寝ました)

いつも応援ありがとうございます♪ アメリカは24時間子供につきっきりなので(シッターなどを頼むなどしないといけない)、子供といながら自分なりに楽しく頑張っていきたいと思っています。 サポートもありがとうございます!助かっています。 日本に帰る費用、新しい機材の購入にあててます。