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#10 これが未来の英語の形かも。住んで驚いたシンガポール英語4選。

海外体験記第2弾。今回も教育から少し離れて、今回は今住んでいるシンガポールでの英語体験についてゆるーく綴ろうと思います✏︎

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シンガポールにきて1年が過ぎ、だいぶ生活にも慣れてきました。シンガポールはどこでも英語が通じるし、安全できれいなので住みやすい国です。特に大変だと思ったことはないのですが、

1つだけ、なかなか慣れることができなかったことがあります。

それは、すばりシングリッシュ!!(涙)

シングリッシュとは、シンガポール人が話す英語のこと。シンガポールは多民族国家ですが、国民の全員が幼いころから英語を学ぶので小さい子からお年寄りまでほぼ全員が英語ができます。

ただ、その英語というのが、いわゆるネイティブが話す英語とは使う単語、文法、発音などがちょっと違い、正直最初は色々な場面で何を言っているのか分からず。。。

くだけた英語は、"Broken English"とも呼ばれますが、ただ間違っているとかではなく、もはやシングリッシュという言語なのでは?と思うくらい不思議なもので、結構合理的なんです(笑)

今回なぜシングリッシュについて書こうと思ったのか、それは

英語にも多様性があって良いのではないか、これが未来の英語の形かもしれないと思ったからです。

日本語もいまどきの言葉などが毎年どんどんうまれますが、(私は疎いので最新は、ぴえんで止まってます。。。)言語は形を変えてその国、文化、世代に根付くのだなと思いました。

前置きが長くなりましたが、私が個人的に面白いなと思ったシングリッシュについて書きたいと思います。シングリッシュはとても気軽にしゃべれるし、自分が片言の英語だとしても誰も気にしません。


その1 答え方が特殊


これは、結構有名な表現なのですが、
シンガポール人はよく

"Can!" 

と連呼します。

Can you please ~?

とやってほしいことや、できるかどうか聞くと、答えは必ず

"Can!" または"Cannot!"

最初言われた時はとてもびっくりしました。

"Could you ~?”など丁寧な言い方に直したとしてもなぜか答えは "Can"です(笑)イエスと同じ意味で日常でたくさん使われています。

また、Do you have~? や Do you want~? など聞かれたとき、否定する場合は、No, I don't have~やNo, I don't want~ ではなく、

Don't have. (ドンへー)

Don't want.  (ドンウォン)

になります。発音も語尾が省略されたかなり早く言われます。ちなみに肯定の時はなぜか "Yes" です。そこは "have!" や"want!"ではないようです。


その2 基本現在系


シンガポールの人は、基本現在系で話しており、動詞の過去形はまだ使う時もありますが、完了形や過去分詞は全く聞きません。

例えば、すでに食べ終わったよ!と言いたいとき、
学校では

I have already eaten. 
と完了形を使うように習い、昨日食べた場合は
I ate ~ yesterday. などと教わります。
だいたい中学生はこの違いに戸惑い、完了形になるとつまづく生徒が多くなる印象があります。

シンガポールでは、
両方とも

I eat already. 

で済みます。Alreadyをつければすべて過去です(笑)

また、何かすでにした時は、

I did already. (Did already, alreadyでも通じる)

と言えば済みます。細かい自制はもはや気にしていないのでは。
I have been ~
I had ~
I had been ~
あたりがどうなっているかはまだ聞いたことないのでわからないですが(汗)


その3 独特なフレーズ・文法の省略


レジでのやり取りの英会話でよく聞くフレーズ。

店員: Would you like a bag?  (袋はご利用ですか?)
客:  No thank you. (いいえ、大丈夫です)

当然このような会話が繰り広げられるかと思いきや、シンガポールでは

店員:   Carrier?
客:  No need (ノー二ッ)

です。

まず、Carrier?と初めて聞かれたときは、運ぶ人のこと?馬車?船のコンテナ?とレジで頭が混乱してしまい、5回くらい聞き返しました。

そして、ノー二ッ!ももはや、文章ではなく大幅に文法は省略されています。I don't need a bag. を略したとしても、Don't need になるのではなく、もはやそれよりも簡単に、"NO NEED"とくるのか、、、と。

この ノー二ッは本当によく聞きます。

さらに、驚いた文法の略し方があります。

部屋の電気をつけてほしいとき。

Could you turn on the light? 

って習いますよね。”Turn on”などの句動詞、たくさん教えてきました。

なのにこっちの人は

Could you on the light?

と言うではありませんか。もはや前置詞の"on" が文章の動詞として成り立っています(笑)確かにな、これでいいなら楽だし意味は分かるな、と思いました。


その4 他の国から来た独特な単語や語尾


シンガポールはマレー系の人が多いのですが、英語に他の言語を足してしまうということがよくあります。

例えば、Makan (マカン)

マレー語で「食べる」という意味なのですが、これをシンガポールの人たちは躊躇なく使います。"You makan already?" みたいな感じで(笑)

また、シンガポールは中華系の人も多いのですが

Lah(ラ)

という単語をよく聞きます。英語ではないのですが、シンガポール人は語尾にこれをつけまくります。中国語から来ていて、おそらく日本語でいう「ね?」みたいな感じだと思うのですが、英語のリズムも狂うし、単語のように聞こえるので最初はわけがわかりませんでした。

以前保護猫のボランティアをしていたのですが、そこで、猫のトイレボックスの掃除の仕方を教わった時、

Wash the box with the soap lah! 

と言われ、

ソープラ・・・?とは?となってしまい、

「ソープラって何?どこにあるの?」と石鹸を目の前に聞いてしまい、苦笑いされたことがあります。「ああ、ごめんごめん、lahは特に意味はないよ」と言ってくれました(笑)

さすがに私はまだこの Lahをいつどのタイミングで使うかまだあまりつかめていないので使わないのですが、本当にたくさん聞きます。

 ここまでくるともはや英語ではないような気もしますが(汗)
多民族国家らしく、言葉にもいろいろな文化を取り入れちゃっています。


シングリッシュは未来の英語?


私が気づいていないだけで、これ以外にもシングリッシュの特徴はまだまだあると思います。初めのころは大変でしたが慣れれば結構楽に思えてきました。もちろん、シンガポール人は普通のネイティブが話すような英語も理解しています。

以前、こっちの生活が長い日本人の友人とお互い話していたのですが、シンガポールに来たばかりのころは、シングリッシュを話すのは恥ずかしいし、ネイティブのような英語がいいに決まってる!なんて思っていたといいます。確かに。私も同感でした。

しかし、最近大学院で読んだ論文には、ネイティブの英語を目指すのではなく、それぞれの個性を大切にしながら intelligibility(明瞭度)を高めることが大事だという動きが徐々に世界でおきていると書かれていました。あまりにも訛っていたり、くだけているとお互い分からないですが、今は、明瞭度を高める法則やここだけ気を付ければ世界共通で伝わる英語の発音などが研究されています。

確かに、いわゆるアメリカ人やイギリス人などのネイティブスピーカーよりも、今や英語を第2言語として話す人のほうが圧倒的に多いですよね。国際社会において、そういう人たちとかかわることが増えるのかもしれません。

なので、母語とは異なる言語話す人々の共通語として、英語が各国で進化していくのかもしれない。そうすると、もしかしたら、英語にも多様性ができて、未来にはシングリッシュのような英語がたくさん生まれるのかもしれません。

最近思うのは、必要なのは「伝える力」や「内容」であって、言語そのものは、ツールとして発音なども含めて多様性があってもいいのかも!と思うようになり、その国の特徴として受け入れるのもありなのかもしれません。

そのうちジャパニーズ英語なんていうのもできるかもしれないし、それもまたいいのかな、なんて思ったり。

でもやっぱり、くだけすぎるとわからない。このディズニー映画のシングリッシュ版が本当にシングリッシュそのもので違いが面白いです(笑)


☆簡単プロフィール☆
千葉県出身。幼少期、小4〜高校卒業まで海外で過ごす。国はラオス、ニュージーランド、ネパール、アメリカの計10年。日本に帰国後、教師という仕事に興味はあったが、教員免許は取らずに大学を卒業。その後、発達障害児サポートのベンチャー企業に就職。やっぱり教師という夢を捨てきれず、1年で退職。その後、塾で働きながら通信大学で教員免許を習得(中高英語)国際バカロレアに興味を持ち私立中高一貫校の英語教員兼MYPコースの担任&教科担当に。現在は夫の転勤でシンガポールに在住。TESOL修士課程を取りながら英語×探究のメソッドを深めるべく海外でできることを模索中。


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