1年のふりかえりと両親のこと

パートナーは私より先に帰省し、大晦日に一人、noteをぽちぽち更新しています。私は今日が仕事納めというか、年中無休の心理福祉職なので納める日も休暇もないというか…。毎日毎日せわしなく働いているはずなのにお金は一向に貯まらない不思議。コロナの分類位置づけが変わったことで行政機関が動き出し、年末進行がとんでもないハードワークになって、最終的には「16日」と「26日」を見間違って仕事の予定をすっぽかす始末(終わってる)。でもこの1週間くらいすごい勢いで掃除して断捨離してインテリアもこだわってある程度の完成が見えてきてとても気持ちがいい。この機会にぜひお越しくださいませ。

この1年は些末なことから粗大なことまで、別れの連続といえる1年でした。昨年(2022年)は手術をして性別移行し、ある程度妥協できる体を手に入れられた、比較的ハッピーな年でした。2023年はウェディングというビッグライフイベントの影響で、原家族と絶縁。かなり入れ込んでいたタカラヅカは、事件を受けファンを引退、これも入れ込んでいたゲームは、運営の変化についていけず引退…。些細なことでいえば食器を5つ割りました(些細!)。

原家族との別れは短い人生のなかで振り返っても相当ショックの大きいものでした。私が性別移行したことで、両親は私を突き放しひどい言葉を浴びせかけ、耐えかねた私のほうから絶縁を伝えました。長年溜まっていた澱がようやく吐き出せたという気持ちでした。幼少期から疑問視していた両親の教育に、ようやく嫌だったと伝えることができましたが、ふとした時に「家族と関係が切れている」事実が無性に哀しくなってくることがあります。どれだけひどいことをされたとしても、短くない年数を一緒に過ごした人の声を聴きたいと思う自分と、二度と顔を見たくない自分との葛藤は苦しいものでした。こういった別れの形になってしまったのは、私がウェディングを挙げるときにタキシードを着ずにドレスを着るということを伝え、当日の驚きを少なくさせたいという気遣いからでした。両親に私のセクシュアリティをカムアウトしたことはなかったので、これを機会にカムすると、母は「私が十月十日(とつきとおか)かけて作り上げた体を勝手に傷つけたことがどんなにひどいことか」と私をののしりました。母は、私を生む前に一人流産をし、そこから不妊に悩み、父方祖母からの圧力をかけられていました。今この事実を俯瞰してみてみれば、私にかける思いの強さは並大抵のものではない強烈なものなのだと思われます。ですがこれは母のエゴイズムにしかすぎず、私は何が何でも聞きたくなかった事実でした。でも、そこまで待ち望んだ子どもに対して「あなたを生むつもりはなかった」や、「家族も仕事も放ったらかしてどこかに逃げてしまいたい」と裏腹なことを述べていた母の精神状態はかなり病んでいたものだと思います。これらを聞いた当時の私は母を気遣いました。母は私に家族の核たる役割を投影し、担わせていたと思います。要するに夫役割をあてられていました。それを自然に察していた当時の私は母を慰めましたが、その時感じていた「なんで私にそんなこと言うのよ」「私たちを置いてどこかに行ってしまったら私はどうすればいいのよ」という疑問や憤りは長い間抑圧していました。

父は、情緒面・知的水準ともにかなり問題を抱えた人です。そう思えるようになったのは家族との縁を切った後でしたが。所属していたアート系の事務所がバブル崩壊後に倒産し、フリーランスに転向した後の人生は、到底家族を養えるようなものではありません。何度も離婚話をしていたことも知っていますし、就職するよう母が迫っていたこともありました。端的に言って世帯年収が200万を切る貧困家庭でした(4人家族で)。貧困と虐待は背中合わせなので、当然のように心理的・身体的・性的虐待が始まります。元来の問題を抱えた父によって叩かれたり怒鳴られたり、母からは不要な子どもとして扱われたり、お風呂場で母乳を飲まされたりしました(就学後でした)。思い出したくもない、思い出すだけでめまいがします。ですがどんなことをされようと、子どもが頼れるのは両親だけなので、日常・当然の出来事のようになって慣れてしまいます。両親がいなくなったらと思うとサヴァイヴするのに必死になりました。そんな父にウェディングのことを伝えたところ「どうでもいい」と。改名することについてもどうでもいい。父の関心事は、私のカムアウトによってさらに病んでしまった母のケアだけでした。父にとって、私は母を乱す元凶で、これ以上面倒ごとを家族に与えるな、自分の責任でやれ、すべてどうでもいい、ウェディングも挙げなければいい、どうして挙げることを報告しにきた、と言いました。かなりの怒声だったため私はわんわんと泣き、絶縁を伝えて実家を去りました。それ以来、両親とは一度だけ会いましたが、切れたままです。復縁するつもりは毛頭ありません。ただ残されたきょうだいだけが気がかりです。


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