見出し画像

じいちゃんが死ぬということ。【在宅看取り日記①】

おはようございますLilyです。いよいよ今年も残すところ10日となりました
年内に大掃除や溜まった本を読み終えなければと思いつつ・・・今日も寝坊です
さて、今日はnoteを書くきっかけとなった祖父について記したいと思います!

■わたしのじいちゃん

画像1

私の祖父は11人兄弟の10番目(昔の人の兄弟ってすごい人数!笑)
人当たりが良く笑顔が素敵な78歳です
そんな祖父ですが中学校を卒業し、タクシー運転手や自動車学校の先生、大工や様々な仕事を経て自ら会社を立ち上げました

実は中学生の時、5歳年上の用務員のお姉さん(祖母)に一目惚れし
そのまま駆け落ちして結婚してしまった、という経歴の持ち主でもあります
祖父が45歳の時に祖母は亡くなり、それ以来独身を貫いています
(毎月1人でお墓参りにかかさず行くのです・・・)

息子は2人いて、2人とも結婚をして家庭をもっています
現在は長男家族と同居し、その長男の第一子がこの私 Lilyになります

■じいちゃんの病気

私は生まれた時からじいちゃんと一緒に住んでおり、
忙しかった父の代わりに遠足に来てくれったり旅行に連れて行ってくれたりと
とっても特別な存在です

画像2

毎日、日本酒を2合飲んで大きな声で話していたじいちゃんは74歳になるまで大きな病気もせず、近所ではちょっとした有名なおじいさんでした

そんなじいちゃんに残された時間はあと僅か。
お医者さんの話では年を越せるかどうかわからないとまで言われましたが
現在では小康状態を保っています

じいちゃんの病気は末期癌です(癌の転移が進み、これ以上治療ができない状態)
最初の癌は副鼻腔癌のステージⅢ(鼻の横、目の下の部分の癌)
一年間の抗がん剤と放射線治療を乗り越え、今年のはじめには家族で台湾旅行に行けるまで回復しました
今年の春に前立腺癌が見つかり、月に一度ホルモン注射と点滴による治療をしていました(前立腺癌の大半は進行が遅く、緊急の治療を必要としないことが多い)

安心したのも束の間、夏に血尿が出て緊急手術から長期入院
コロナで面会が許されない中、じいちゃんはどんどん弱っていきました

そして入院から2ヶ月経ってこれ以上の治療はできないと医師から説明され
終末期医療(緩和ケアの開始)が始まりました
あっという間ですよね、私も書いていて「ん?」となりますので下にまとめます

_____________________________________
2018年 副鼻腔癌ステージⅢ
     抗がん剤・放射線治療開始
2019年 癌治療終了
2020年1月 台湾旅行
2020年4月 前立腺癌ステージⅡ
2020年6月 骨転移が見つかる
2020年8月 血尿。緊急手術。入院開始
2020年10月 緩和治療開始。転院
2020年10月末 在宅ケアに切り替え
_____________________________________

簡単に言えば夏まで元気だったじいちゃんが突然の余命宣告を受けた訳です

おそらく入院中に祖父自身に病気の経過や説明がされていたはずですが
COVID-19の流行により、家族の面会は一切禁止のため私たち家族には
ほとんど状況がわからなかったのです
医療関係者の方も大変な思いをされているのは重々承知で感謝もしておりますが
毎日1時間以上かかる病院へ昼食や夕食を届けに行っても症状の説明や祖父の容体を詳しく教えてもらえることはありませんでした(見かねた父が医者に直接電話をしたこともあります)

いろいろなことが重なって私たち家族の在宅看取りは突然始まりました

■今わたしが思うこと

きっともっと辛い思いをされている方、実際に闘病中の方からすれば
私たち家族はそれほど不幸ではないのかもしれません
私の一つ上の先輩も癌と必死で闘っている姿を見ると
祖父は年齢的にもそういう時期なのだと考えることもあります

それでもコロナが流行っていなかったら、もし面会に行けていたら・・・
と家族みんなが思っています

癌患者は他の病気と比べ、
死ぬ直前まで元気で普段通りの生活が送れると言われています
おそらく祖父の病状が激変したのも癌が進行したからなのでしょう
偶然その変化が起きたのがコロナで面会ができない時期ということもあって
責めたくなってしまうのが家族の現状です

画像3

末期癌の進行は死ぬ直前まで生活に大きな変化がないということは
逆に言えば突然【旅立つまでの準備期間】、家族にとっては【看取りの時間】が始まるのです

そして私はこうやってnoteに書いている今もじいちゃんの死について考えています
こうして書いていないと今にも精神的に参ってしまいそうだな、とも思います


■大切な人の死と向き合う

普段、親の死や祖父母の死について考えることなんてありませんよね
私もそうでした、大抵そうです

誰しも死ぬことは頭では分かっていても、いざ目の前にするとどうしようもなく不安になります

毎晩じいちゃんがいなくなってしまったらと泣き、
じいちゃんの様子が普段と違ったら怖くなって泣き、
朝起きてじいちゃんがちゃんと息をしているか確かめ、
出かけて帰ってきたらちゃんとそこに居てくれるか確かめる
そんな毎日です

私は読んでいる人が祖父母や親が生きている時間を大切にして欲しいから
なんて高尚な思いは持ち合わせていません
書かないと自分が耐えられないから書いています

もしそれでも何かを感じてその人が読んでよかった、もしくは同じく看取りに関して悲しみを抱えている方が1人じゃないんだと思ってくれたら
それは凄く幸せなことだなと思います

私たちが感じる幸せは、
愛する人たちが健康であることの上に成り立っていることが多い


よろしければサポートお願い致します!いただいたサポートは新しい記事を書くための文献の購入に使わせていただきます